大雨、排水能力超え 秋田大雨1週間「どこの都市でも」

大雨、排水能力超え 秋田大雨1週間「どこの都市でも」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2108N0R20C23A7000000/

『記録的な大雨が襲った秋田市で中心部が広範囲に冠水した原因は、コンクリートなどで舗装された道路に長時間雨が降り続け、下水道の排水能力を超えた時に起こる「内水氾濫」だったとみられる。現地調査をした秋田大の渡辺一也准教授(河川工学)は、全国どこの都市でも起こり得る「都市型災害」と警鐘を鳴らしている。

渡辺氏は15〜17日に秋田県内で現地調査に当たった。五城目町などでは堤防を越えてあふれる河川氾濫が多かった一方、秋田市内では河川が近くにないJR秋田駅前でも広範囲に冠水した。

渡辺氏は、秋田市は河川の下流部に位置し、勾配が少なく平たんになっていると指摘。道路が舗装されて雨水が地面に吸収されにくいため、水の逃げ場がなかったという。「分かりやすく言えば、容器に長時間上から水が供給されるようなもの。たまっていく一方だった」と説明した。

加えて市中心部は、多くの商業施設の駐車場も舗装されていることから、短時間での集中豪雨に排水が追いつかなかった可能性が高い。県建設部は「民間で(十分に)排水できる設備を持っているところは少ないのではないか」と話した。県庁などは排水構造を備えるが、民間では設備の費用がネックだという。

秋田市では18日午前11時時点で、道路冠水が63件に上った。動けなかったり、水没したりした車両が多く取り残され、住民がボートで救助される姿もあった。渡辺氏は「内水氾濫が起きると思っていた人は少ないのではないか」と分析した。

内水氾濫は、東日本を中心に120人超の犠牲者を出した2019年の台風19号でも全国的に被害をもたらした。岩手や埼玉など15都県の約3万戸が浸水。川崎市では多摩川の水が排水管から逆流し、冠水した事例もあった。

国土交通省によると、一般住宅や農作物を中心とした全国の水害被害額は20年までの10年間で約4兆2千億円。そのうち内水氾濫の被害が3割を占める。東京だけを見ると割合は8割に跳ね上がる。

渡辺氏は「都市部ならどこでも起こる恐れがある。排水設備などハード面の対策は費用がかかるため難しい。早めに避難することが大切だ」と警告する。〔共同〕』