米軍制服組トップ候補「アジアで作戦拠点拡大」 対中国
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『【ワシントン=中村亮】米軍制服組トップの統合参謀本部議長に指名されたチャールズ・ブラウン空軍参謀総長は11日、インド太平洋地域で米軍の作戦拠点を増やしていくと言及した。台湾の自衛力強化に取り組むとも強調した。
上院軍事委員会は11日、ブラウン氏の指名公聴会を開いた。統合参謀本部議長は大統領の軍事アドバイザーを担う。議長への黒人起用は約30年ぶりで史上2人目。現職のマーク・ミリー氏は9月に退任する予定だ。
ブラウン氏は中国を念頭に「決定的な時期に安全保障上の挑戦に注意を払い、高まる脅威に対して優勢を守るため前進する」と唱えた。「国家防衛戦略を履行し、要請があれば次の戦争に勝利できるよう統合軍を整える必要がある」と言明した。
インド太平洋地域が広大で輸送に時間がかかると言及し「危機が起きるまで待っていては戦力を配置できない。あらかじめ戦力を置く必要がある」と断言した。「同盟国やパートナー国と連携して拠点へのアクセスを確保しなければならない」と語った。
ブラウン氏は18?20年に太平洋空軍司令官を務め、空軍参謀総長に転じた。有事にはインド太平洋地域で航空部隊を大規模な軍事基地から小規模の拠点に分散させる戦略を提唱した。
固定の滑走路はミサイル攻撃の標的になりやすい。少数の基地に部隊を集中させると戦力が大きく下がるリスクがある。
ブラウン氏は補給活動に力を入れるとも説明した。航空輸送部隊がインド太平洋地域に物資を迅速に運ぶ大規模訓練を実施して練度を向上させていくとした。陸路で物資を運びやすい欧州地域に比べ、インド太平洋は補給の難度が高いとされる。
米軍の在庫から台湾に武器を迅速に引き渡す新型支援に関し「台湾による非対称戦力の取得に役立つ」と分析した。非対称戦力は対艦ミサイルや対空ミサイルシステムなどを意味し、中国の上陸作戦阻止に効果が大きいとみられている。
ロシアによるウクライナ侵攻の教訓では、情報収集の重要性をあげた。ロシア軍や同国政府の動向を把握して情報を同盟国と共有し、結束の強化につながったと話した。
戦う意志が戦闘を大きく左右するとも言及した。「戦闘が始まる前に計測することは難しいが(強い意志は)大きな恩恵をもたらす」と述べた。ウクライナはロシアに戦力で劣るが士気の高さが強みになっているとの見方が多い。』