米国防総省「中国気球は情報収集せず」 対抗措置が効果
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3000G0Q3A630C2000000/
『【ワシントン=中村亮】米国防総省のライダー報道官は29日の記者会見で、2月に米本土へ飛来した中国の偵察気球に関し「情報収集をしていなかったと分析している」と述べた。収集阻止のために講じた措置に触れて「効果があった」と話した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは29日までに気球は米国製機器を搭載していたと報じた。
ライダー氏は直接の確認を避けつつ「無人機や他の装備品では簡単に手に入る米国の工業用部品が使われたことがあった」と指摘。気球が米国製機器を搭載した可能性を排除しなかった。
中国の偵察気球は米西部モンタナ州あたりから飛来し、米軍は南部サウスカロライナ州沖で撃墜した。ブリンケン米国務長官は飛来に反発し、中国訪問を直前に延期した。
米中国防対話の再開は見通しが立たない。ライダー氏は「我々の立場では開かれた対話ルートの維持を阻害するものはない」と言及した。
中国は再開に先立ち、李尚福国務委員兼国防相に対する制裁を解除するよう要求しているが米国は応じていない。オースティン米国防長官は6月上旬、シンガポールの国際会議で李氏と握手したが会談は実現しなかった。』