産業革新機構、半導体素材大手JSRを1兆円で買収へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB239G10T20C23A6000000/

『【この記事のポイント】
・JSRは半導体の重要素材で世界シェア約3割
・政府、半導体を戦略物資と定め供給網強化
・年内にもTOB、JSRは2024年中に非上場に

政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)は半導体材料のJSRを約1兆円で買収する。同社は半導体の重要素材で世界シェアの約3割を握る。政府は半導体を戦略物資と定め、国内で先端品の量産に巨額の支援を始めた。国際競争力が強い素材分野でも成長投資を継…

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『JSRはフォトレジスト(感光材)と呼ばれる素材の世界シェアで首位。東証プライム市場に上場している。海外を含めた競争当局の審査を経て、JICは早ければ年内に同社へのTOB(株式公開買い付け)を実施する。手続きが順調に進めば、2024年中に上場廃止となる見込みだ。』

『JSR 1957年に「日本合成ゴム」として設立された。世界的な天然ゴム不足に対応し、国策として政府が当初4割の株を保有した。69年に民間会社になり事業多角化を始め、70年代後半に半導体のフォトレジストを事業化した。祖業の合成ゴム事業は2021年に売却を決め、半導体と医療領域へと経営資源を振り向ける改革を進めている。23年3月期の連結売上収益は前の期比20%増の4088億円、純利益は58%減の157億円。』