中国、合同軍事訓練の拠点でキューバと協議か 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2100R0R20C23A6000000/
『【グアテマラシティ=清水孝輔】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日までに、中国が合同軍事訓練の拠点設置に向けてカリブ海の社会主義国キューバと協議していると報じた。米政府はキューバ政府に対し、中国と拠点設置で合意を結ばないように働きかけているという。
WSJが米政府関係者の話として報じた。中国とキューバ間の協議はキューバ北部の海岸に拠点を置く方向で進展しているが、合意には至っていないという。WSJによると、中国がキューバに軍事訓練の拠点設置をめざす動きが報じられるのは初めて。
キューバをめぐっては中国の情報収集拠点に関する疑惑も焦点になっている。ブリンケン米国務長官は12日、中国がキューバに置く情報収集拠点を2019年に増強したと指摘した。中国とキューバの外務省は直後、ブリンケン氏の発言を否定した。
WSJは8日、中国が米国を標的としたスパイ拠点の設置について密約を結んだと報じていた。米国防総省のライダー報道官は同日の記者会見で「正確ではない」と報道を否定した。中国とキューバの両政府はこの報道も否定してきた。
米国のトランプ前大統領がキューバへの経済制裁を強化して以降、両国の関係は悪化した状態が続いている。キューバは米国に地理的な距離が近い一方、外交面では中国やロシアとの関係が深い。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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別の視点
キューバの経済がかなり疲弊していることは、よく知られている。年代物のアメリカ車が路上をたくさん走っているのは、観光資源にはなるものの、この国の経済力の脆弱さを象徴している上に、地球温暖化対策の観点からも望ましくない。21年7月には食料不足を背景に、大規模な反政府デモが発生した。キューバが中国との軍事的関係を強化する方向で協議をするのであれば、中国からの経済支援もおそらくセットなのだろう。だが、社会主義の理念は形として維持しつつも地理的に近い経済大国であるアメリカとの関係修復をなんとか図るのが、ふつうに考えれば、キューバにとって良策ではないか。
2023年6月21日 7:49
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察
これは事実かどうか、まだ確認できていないが、仮に事実だとすれば、米中対立は新たなステージに上ったとみるべきである。むろん、今の中国の軍事力はかつてソ連時代のキューバ危機ほど深刻化しないだろうが、両国関係がさらにこじれるのは必至である。Deriskingといわれている対中政策は今度decouplingになる可能性も。ただし、時間はかかる。
2023年6月21日 6:34 』