難民・避難民1.1億人 国連「日本は受け入れ拡大を」

難民・避難民1.1億人 国連「日本は受け入れ拡大を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13C590T10C23A6000000/

『【パリ=北松円香】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は14日、紛争や迫害で自国外へ逃れた難民や国内避難民などの総数が5月時点で過去最多の1億1000万人に達したとの推計を発表した。グランディ難民高等弁務官は日本経済新聞の取材に対し、日本に難民の受け入れ拡大を求める考えを示した。

世界の難民・避難民は増加が続いており、22年に1億人を突破した。10年前に比べて2倍以上の規模に膨らんでいる。…

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『近ごろはロシアの軍事侵攻を受けるウクライナや、内戦が続いたシリア、イスラム主義組織タリバンが実効支配するアフガニスタンからの難民・避難民に加え、スーダン情勢の悪化が全体の数字を押し上げた。

グランディ氏は発表に先立つ12日、日本経済新聞の取材に応じた。日本は先進国の中で難民の受け入れが少なく、かねて国際的な批判を受けている。「現状の難民の受け入れ規模は日本のような立場の国にふさわしくない水準だ」と述べて受け入れ拡大を求めた。

国連が定める難民条約に基づく日本の難民認定数は22年は202人だった。21年以前は年数十人しか受け入れていない。グランディ氏は「12万5000人の受け入れ枠を持つ米国と比べると規模の違いが明確だ」とし、日本に先進国としての責任を果たすよう促した。

「移民や難民が作り上げた米国のような国と違い、日本ではそのような伝統がない」と文化的背景の違いによる受け入れの難しさに理解を示したうえで、日本のような低出生率の国には移民が必要だとも指摘した。

グランディ氏は「移民の受け入れ枠の一部に、自分の意志ではなく避難に追い込まれた人の枠を設けてほしい」と求めた。難民も適切な訓練を経て「社会に大きな貢献ができる」と述べた。

日本の従来の難民認定の運用では、紛争地から逃れてきた人は難民に該当しない場合がほとんどだ。9日の参院本会議で成立した改正出入国管理法は、紛争地から逃れてきた人も「準難民」として受け入れ対象とする。

日本は法改正に先立ち、ウクライナ侵攻から逃れてきた人を、難民条約の定義とは別枠の「避難民」として2000人以上受け入れている。

グランディ氏は日本のUNHCRへの多額の拠出金提供を評価し「今後もぜひ継続してほしい」と語った。

世界で難民・避難民が増える現状について「東西や南北、貧富、テクノロジーが発達しているか、そうでないかといった各種の絶え間ない分断を懸念している」と述べた。「自国優先主義の傾向が原因の一つだ」と分析し「気候変動や貧困、人々の移動などの問題は団結しなければ対応できない」と各国の協調を呼びかけた。

グランディ氏は12日の記者会見で「残念ながらスーダンの問題は終わっていない」と述べ、年後半に難民・避難民がさらに増えるとの懸念を示した。軍と準軍事組織の衝突で国内外への避難を余儀なくされた人はすでに200万人規模に達したとの見方を示した。

UNHCRの資金集めは「例年よりも苦戦している」とし、十分な支援活動が行えないとの危機感も示した。

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