米債務上限引き上げ、大統領ら合意案の議会通過に腐心
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2903B0Z20C23A5000000/
『【ワシントン=高見浩輔】バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長は28日、米政府の債務上限を引き上げるための合意案について、それぞれ議会通過に自信を示した。今後反対する議員を説得し、可決に必要な票数をどう確保するかが焦点になる。
バイデン氏は28日夕、マッカーシー氏との電話会談後に記者会見を開き「議会が合意案を可決することを強く求める」と訴えた。会見の前に記者団に対応した際、法案の成…
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『会見の前に記者団に対応した際、法案の成立を確信しているかと聞かれ「はい」と応えた。
マッカーシー氏は同日朝、下院議員の95%が賛成する見通しだと話した。法案が下院で否決されるシナリオについて「狂っている」と表現した。党内の強硬派が議長の退陣を求める可能性については「全くない」と主張した。
ホワイトハウス高官によると、合意案は2024会計年度(23年10月〜24年9月)について社会保障を除く「裁量的支出」の国防費を除いた金額を23年度とほぼ同じ水準にし、25年度に1%の増加を認める。共和党は4月に下院で可決した独自法案でより金額の少ない22年度の水準まで引き下げ、10年間の抑制を求めていたが、削減幅は小さくなった。
焦点だった低所得層向けの食糧支援は、支給の条件として就労を求める対象年齢を現行の49歳から54歳に引き上げる。共和が求めていた厳格化を認めた形になるが、バイデン氏は就労を求められない例外規定を拡大して抵抗した。低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」の支給要件は変更しなかった。
共和が求めていたクリーンエネルギー支援策の削減を回避した半面、化石燃料を含めたエネルギー開発について環境への影響を審査する期間の短縮には応じた。ホワイトハウス高官は「環境汚染を防ぐ法律は順守される」としている。
日本の国税庁にあたる内国歳入庁(IRS)は22年8月に成立したインフレ抑制法により10年間で800億㌦を投じて増強する予定になっていた計画を圧縮する。24、25年度でそれぞれ100億ドルをほかの用途に使えるようにした。
イエレン米財務長官は米財務省が臨時で実施している政府の資金繰り策が6月5日に限界に達すると警鐘を鳴らしてきた。債務上限の引き上げ案が議会で可決し、大統領の署名で成立すれば、米国債が史上初めての債務不履行(デフォルト)に陥る懸念は払拭される。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説 議会採決では共和党強硬派、民主党急進派から一定の反対票が入ると予想されるものの、今回の合意は賛成多数で可決されてデフォルトが回避される可能性がきわめて高いと筆者はみている。市場も早い段階からデフォルト回避を中心シナリオに置いて動いているので、日本時間29日早朝時点でこの問題を材料にしているとみられる目立った動きはない。米国債の格付けに何らかの動きがあるかどうかも関心事だが、仮に米国債格下げが今後あるとしても、ドルが世界の基軸通貨であり、米国債市場が高い流動性とトップクラスの信用度を有している市場である事実に変わりはない。格下げを材料に米国債やドルを売る動きが出てくるとしても長続きしないだろう。
2023年5月29日 7:36いいね
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ロッシェル・カップ
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長
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分析・考察 法案が下院で否決されるシナリオについて『狂っている』と表現したそうですが、下院の共和党議員を見たら、実際に狂っていると思われる人が何人かいます。そのため、水曜日の投票までに、私は完全にリラックスすることができません。
この責務上限引き上げに関連するドラマは完全に不必要で、アメリカとして恥ずかしいです。トランプ時代では、支出が増加し、大幅な税金カットが行われながらも、上限引き上げは問題なく行われました。共和党のパフォーマンスに過ぎません。
2023年5月29日 6:53 』