イエレン米財務長官、預金保険上限引き上げ「検討せず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN230BL0T20C23A3000000/
『【ワシントン=高見浩輔】イエレン米財務長官は22日、銀行が破綻した際に預金者を保護する預金保険について、現行で25万ドル(約3300万円)となっている上限の引き上げは「検討していない」と明らかにした。米連邦議会上院の小委員会で、議員の質問に答えた。イエレン氏はこれまでも預金保護について、対象を絞った取り組みをすると主張している。
米財務省などは12日、米銀シリコンバレーバンク(SVB)など破綻した2行について預金の全額保護を打ち出した。イエレン氏は21日の講演で、より小さい規模の金融機関で預金流出が起きた場合にも適用する可能性があると表明した。
議員が質問した預金保険の上限引き上げは、米議会の一部で浮上している案だ。大規模な銀行にも一律で預金保護を強化することになる。イエレン氏は質疑で預金の「包括的な保険」は設けないと説明し、個別のケースごとに保護の可否を判断する従来の主張を繰り返した。
過度な預金保護は銀行経営の規律を緩めるとの批判があるが、相次ぎ銀行破綻を受けて米議会では預金保険の対象拡大を求める声がある。
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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ひとこと解説
二日前に「金融不安が広がった場合には預金を全額保護する臨時措置もあり」と発表して、世界の金融市場はすっかり安心したわけだが、今度は同じイエレン財務長官から「全面的な預金保険の提供は検討しない」と出て、株下落へ。どこに金融不安の連鎖があるかわからず、次のリスクがどこにあるか不透明な時には、何があっても国や当局がなんとかしてくれる、という意思表示が大事になる。
それだけセンシティブな局面が続いてしまっている、つまり、金融システム不安が収まっているとは到底言えない、ということを示している。
2023年3月23日 10:49』