BRICs
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『BRICs(ブリックス、英語 Brazil, Russia, India, China から)は、2000年代以降に著しい経済発展を遂げた4か国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の総称[1]。BRIC(ブリック)とも呼ばれる[2]。投資銀行ゴールドマン・サックスの経済学者であるジム・オニールによって書かれた2001年11月30日の投資家向けレポート『Building Better Global Economic BRICs』[3] で初めて用いられ、世界中に広まった[4][† 1]。
また、BRICs4か国に南アフリカ共和国 (South Africa) を加えた5か国は、BRICS[5] と総称される[6]。近年はBRICSの表記が一般的である。
BRICs4か国は、2009年6月16日にロシアのエカテリンブルクで初めての首脳会議を開催した[7]。2011年4月13日に中国の三亜で行われた首脳会議には南アフリカ共和国が初めて参加し、首脳会議の正式名称をBRICS首脳会議(英語版)に変更した[8]。 』
『BRICsの潜在能力
2014年のBRICS各国首脳。左から、プーチン、モディ、ルセフ、習及びズマ。
国ごとに大きな差がありBRICSの名前が登場してから20年経過した2020年時点で目覚ましい発展が出来ているのは中国とインドであり他の国は経済成長が失速した[1]。
規模の大きさ
BRICsが世界に占める割合をみると、2006年の時点で国土面積で29.2%、人口では42.7%となっており、世界の中で圧倒的な比重を占めている[9]。
世界経済に占める地位
GDPの割合を購買力平価で換算すると2014年の時点で30.2%[† 2][10] と大きく上昇し、EU (16.6%) [10]、アメリカ (15.9%)[10] を既に上回っている。』
『共通点
インドが7位、南アフリカが24位。面積でいえば5か国合計で世界の約32%を占めている。
また、それに伴い天然資源にも富んでいる。
中国やインドは1人あたりの資源量は決して多くはないものの、5か国とも資源大国である。資源としては石炭・鉄鉱石・天然ガスが4か国に共通しており、原油・ボーキサイトなどもほとんどの国で産出されている。
人口大国である。2000年代初頭の人口は、中国が約13億人(世界1位)、インドが約11億人(世界2位)、ブラジルが約1億7,000万人(世界5位)、ロシアが約1億4,000万人(世界7位)、南アフリカが約4,900万人(世界25位)となっており、5か国合計で27億人以上、世界の人口の約45%を占めている。
今後もロシアを除く4か国では人口が増加し、2050年には32億6,000万人にまで膨れ上がるとされている。
ただし、ブラジルとインドおよび南アフリカでは将来的にも人口が増え続ける一方で、ロシアは特に21世紀に入って以降、人口が急激に減少する傾向にあり[11]、人口が多いため一人っ子政策を廃止した中国でも人口は伸び悩んでおり、将来的には人口が減少すると予測されている。
政治・軍事において、地域における覇権を握っている。
ロシア・中国・インドの3か国は衛星測位システム・航空母艦・核兵器・ICBM・SLBM・SSBN・ASAT保有国である。
ロシア・中国・インドは火星探査機を火星周回軌道への投入に成功させた。
ロシア・中国はミサイル巡洋艦・戦略爆撃機・第5世代ジェット戦闘機の保有国である。また有人宇宙飛行・火星着陸・月面着陸・月面でのサンプル採取を成功させた。
ロシア・中国は国連安保理常任理事国で、ブラジルとインドも新たに常任理事国入りする可能性がある。
2005年2月にロンドンで開かれたG7財務相・中央銀行総裁会議では従来のG8(G7+ロシア)に加えて、他のBRICs3か国も初めて参加した。
経済改革を行っている。1970年代後半の中国やブラジル・ロシア・インド・南アフリカの1990年代初頭の経済政策の転換はいずれも、対外開放による海外からの投資・市場経済化を推進するものであった。
現時点での貧富の格差が大きい。ブラジルとインドおよび南アフリカでは元来大きかった格差が解消されておらず、ロシアと中国では、市場経済導入による経済の自由化に伴って格差が拡大した。また、これらの国々では経済の地域格差も大きい。
多民族国家で多人種社会であり、共通語的役割がある言語または公用語とされる言語以外にも、多くの言語が国内で使用される。』
『相違点
ブラジルはラテンアメリカ文化圏、ロシアは正教会文化圏、インドはヒンドゥー教文化圏、中国は儒教文化圏、南アフリカはブラックアフリカ文化圏に属する。
歴史的に中国やロシアは統一国家として存在してきた。インドが1つの国家として纏まったことはイギリスの統治による部分が大きい。ブラジルはポルトガルの植民地、南アフリカはイギリスの植民地として形作られた。
ブラジルはポルトガル語圏、ロシアはロシア語圏、インドはヒンディー語圏、中国は中国語圏、南アフリカは英語圏に属する。
ブラジルは南アメリカ、ロシアはヨーロッパ、インドは南アジア、中国は東アジア、南アフリカはアフリカに属する。
その他
ロシアと中国、中国とインドは国境を接している。領土問題は解決しているが中国の勢いが増しており極東の一部に対し中国の領土だという声もある[12]。
中国からロシアのシベリアへの移民が増えつつある(特に沿海地方を含む東シベリア)。シベリアは人口が希薄なので、将来的に中国人がシベリアの一部で住人の多数を占める可能性がある。
そうなった場合、中国からロシアに割譲された沿海地方で領土問題が再燃する可能性もある(ただし、2004年に両国間の国境問題は解決し、国境線は画定されている)。
また経済の面でもロシアと中国の逆転現象が起こることが考えられる。
ロシアを除く4か国は、首都と最大の都市が異なる。インドはニューデリーよりムンバイ(旧ボンベイ)が、中国は北京より上海が、ブラジルはブラジリアよりサンパウロが、南アフリカはプレトリアよりヨハネスブルグの方が大きい。
ブラジルとインドおよび南アフリカは、植民地以前から、資本主義を導入していた。
中国とロシアは、旧共産主義で、市場経済制導入後、資本主義となった。
中国以外は、大統領制を導入している。
冷戦時代、ロシア・中国は東側陣営にあったが対立していた。
ブラジルと南アフリカは、南半球に属する。
インドと南アフリカは、非同盟運動の参加国である(中国とブラジルもオブザーバー)。』