「縛られた大統領」歓迎する市場 バイデン政権誕生へ

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL09HV2_Z01C20A1000000/

 ※ ヒデー話しだが、ある意味冷徹な「読み」なんで、紹介しておく…。

 ※ 日米の株高の背景には、こういう機関投資家筋の「読み」も、影響しているのかもしれんな…。

『S&P500種株価指数の先週1週間の上昇率は7.3%。大統領選があった週の上昇率としては過去10回の選挙で断トツだ。過去10回の平均は0.4%だった。さすがに買われすぎともいえ、短期的には今後、上値が重くなる可能性がある。それでも投資家の間では楽観論が広がっている。

背景にあるのが、バイデン大統領は独自政策をほとんど実現できないとの読みだ。上院の過半数を共和党が握れば、増税案は議会を通らない。反トラスト法に基づく巨大ハイテク企業への規制や、公的医療保険の拡充もほぼ不可能だ。後者が実現すれば薬価が下がり、米株市場で大きな比重を占めるヘルスケア株の逆風になるところだった。』

『何らかの法案成立を目指すなら上院・共和党に妥協し、中道寄りに修正するしかなく、急進左派が掲げる社会主義的な政策は諦めざるをえない。新政権が独自の判断ですぐにできることは「大統領令を発して中国への制裁関税を解除するぐらいでは」と皮肉る声も市場にはある。

もちろん、株買いの追い風となる大規模な追加経済対策や2兆ドルの環境インフラ投資もなくなる。ブルーウエーブなら2兆ドルを超えるとみられていた追加経済対策は半分の1兆ドル規模にとどまるだろう。モルガン・スタンレーのアンドリュー・シーツ氏は「経済がより悪化しない限り、政府の財政支援が期待できなくなる」と予想する。』

『だが、それすら投資家は気に留める様子はない。景気に暗雲が広がれば米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の拡大など追加緩和に踏み切り、むしろグロース株には好都合とみているからだ。経済が危機的な状況にまで落ち込めば別だが、米株の主役であるハイテクやヘルスケアはそもそも景気悪化が業績や株価の逆風となりにくい。

S&P500種構成銘柄のうち、ハイテク株の時価総額上位20社の直近四半期(主に7~9月期)の純利益は前年同期比で30%増えた。残りの構成銘柄が17%減なのとは対照的だ。縛られた大統領の下で投資環境も変わらないなら、ハイテク株から資金が流出する理由はない。新型コロナワクチンが普及し、新規感染者数が目に見えて減るまではこの構図は揺らがないだろう。

ただ、冒頭で触れたように上院の決選投票は要注目だ。可能性は低いとみられているが、民主党が連勝すれば一転してブルーウェーブが実現する。ジョージア州では1992年と2008年にも決選投票が実施されたが、投票率は極めて低く、ひっそりと終わった。今回は市場関係者の関心を集める一大イベントになるだろう。』