動画解説 『日経平均、23,000円処で伸び悩み』

動画解説 『日経平均、23,000円処で伸び悩み』(解説 山内正一郎)20200821
https://www.youtube.com/watch?v=NCPzLgd9DMo

 ※ 久々で、「日経平均 テクニカル解説」を視聴した…。

 ちょっと耳よりな話しを聞いたぞ…。それは、「25日線が200日線を下から抜く、ゴールデン・クロスが出た!」と言う話しだ…。
 しかも、200日線が上昇しているのに抜くパターンで、これは、けっこう「息の長い」上昇トレンドになることが多い…、という話しだった…。
 
 まあ、しかし、明らかに「企業のファンダメンタルズ」とは乖離した、「金融相場」だと思われる…。特に、ダウは…。ナスダックは、また少し違うんだろうが…。ナスダックは、他に行き場の無い資金が、流れ込んでいると思われる…。

 ただ、日経平均の場合は、6月の決算発表でも、「けっこう健闘している。」と再評価・再認識されている側面があるんだと思う…。

 だから、「逃げ時」が悩みどころだ…。崩壊の兆候が生じたら、いち早く「逃げ出さない」とな…。

 まあ、誰もみな、そう思っていると思うが…。

イタリアのシーク教徒

イタリアのシーク教徒奴隷
コロナウイルスのパンデミックの中で組織犯罪によるイタリアのシーク教の農業労働者の搾取を調査します。
https://www.aljazeera.com/programmes/peopleandpower/2020/08/italy-sikh-slaves-200819073932216.html

『(グーグル翻訳文)
イタリア中部のアグロポンティーノの広大な農業地帯は、現在、国の食糧生産の主要地域の1つです。

しかし、常にそうであるとは限りませんでした。

ティレニア海に面したこの100マイルに及ぶ土地は、ファシスト独裁者のベニートムッソリーニがイタリア北部から大量の移動を計画して沼地を排水し、肥沃な農地に変えるまで、湿地帯でした。

しかし、今日暮らしている人々の多くはイタリア人ではなく、インド人です。少なくとも11,000人、おそらく4倍以上です。

インド北部のパンジャブ出身の主にシーク教徒で、彼らは地元の農場で働き、家にお金を送って家族に良い生活を送るためにここにやってきた経済移民です。

何人かはそれを何とかやっています。しかし、他の多くの人にとって、彼らの夢は打ち砕かれています。

代わりに、彼らは利益主導のアグリビジネスと組織犯罪の両方からの虐待と搾取に直面します-しばしば公式の文書なしでかわいそうな賃金のために働き、脱出のないシステムに閉じ込められます。

映画製作者のアレッサンドロリーギとエマヌエーレピアノは、ピープル&パワーのために調査に行きました。

ソース: アルジャジーラ』

 

建設業界に近づくドコモを直撃

建設業界に近づくドコモを直撃、現場は5Gとクラウドの使い道が多い宝島か
川又 英紀 日経クロステック/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00933/081800049/ 

※ いよいよ5Gが、実用化されてきたか…。あのイラストにあった、「絵に描いた餅」「夢のような話し」は、現実化して行くことになるのか…。その片鱗は、見えて来た感じだな…。

『現場における人の生産性向上に主眼を置いたデジタル変革を、両社で一緒に進めるのもユニークだ。デジタル技術を活用した「デジタル朝礼」「デジタルKY(危険予知)」「工程進捗共有」「AI(人工知能)エージェント」「マストタスク管理」「パーソナル(健康)管理」などに、20年度内に順次着手する。

関連記事:ドコモと竹中工務店が建設DXで協業、デジタル朝礼やマストタスク管理を現場導入へ

 ここ2カ月ほどのドコモの活発な動きには、布石があった。6月30日、ドコモは同社のネットワークと接続したクラウド上の設備を使えるサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプション群を発表。端末とクラウド設備を結び、5G(第5世代移動通信システム)による低遅延で安全性が高い通信を提供する「クラウドダイレクト」を東京都、大阪府、神奈川県、大分県で開始した。

 クラウドダイレクトの中身を見てみると、建設業界をターゲットにしたものが多く含まれることが分かる。AR(拡張現実)対応のスマートグラスやVR(仮想現実)ゴーグルを用いた現場作業の支援、建築物の点群データ利用、MR(複合現実)を使った建築鉄骨の検査などである。

「クラウドダイレクト」で提供する主なサービス。建設業界向けのソリューションを多く取りそろえた(資料:NTTドコモ、6月30日時点)
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ARスマートグラスを使い、遠隔から現場担当者をサポートするソリューション「AceReal for docomo」。パートナー企業であるサン電子と共同で提供する(資料:NTTドコモ)

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関連記事:5GとARスマートグラスを活用した遠隔作業支援ソリューション
 これらのサービスはいずれも、先述したドコモオープンイノベーションクラウドの基盤上で提供する。

「ドコモオープンイノベーションクラウド」の全体像(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは8月4日に、XR(VRやAR、MRの総称)を使ったサービスの企画・開発をする新会社「複合現実製作所(東京・港)」も設立している。この会社はパートナー企業である宮村鉄工(高知県香美市)と共同開発している、XRを利用した建築鉄骨業向けの作業支援ソリューション「L’OCZHIT(ロクジット)」の提供を最初に手掛ける。そしてドコモオープンイノベーションクラウドとの連携を視野に入れているという。

XRを使った鉄骨の生産管理や検査をするサービス「L’OCZHIT」の利用場面(資料:NTTドコモ)
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 建設業界向けサービスのリリースが続く中、私が一番気になったのは点群データの活用サービス「Field Simulator(フィールドシミュレーター)」である。最近、点群の取材が多かった私にとって、通信会社のドコモが点群ビジネスに乗り出したのは少々意外だった。

関連記事:点群で建築の進捗と出来形を管理、竹中工務店が探る「原寸」データの使い道と人材像
関連記事:マンション改修前に「裸」を3Dスキャン、点群モデルと40年前の手書き図を重ねた

ドコモは6月末から、点群データ活用ソリューション「Field Simulator」の提供を開始した(資料:NTTドコモ)
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ドコモが点群ビジネスに乗り出した真の理由
 「なぜドコモが点群サービスを扱うのか?」

 それを確かめるため、私はドコモでField Simulatorを担当する5G・IoTビジネス部ソーシャルイノベーション推進・先進ソリューション第一担当主査の菅野崇亮氏に会いに行った。

 Field Simulatorは点群データの取得から、3次元モデルの生成、そして活用まで、トータルで支援するのが最大の特徴である。点群ビジネスで実績があるエリジオン(浜松市)と組み、同社の点群処理ソフト「InfiPoints(インフィポインツ)」とドコモオープンイノベーションクラウドを組み合わせて、一気通貫のサービスを提供する。InfiPointsは国内で利用実績が多いソフトだ。

点群データ活用のトータルサービス「Field Simulator」の利用場面例(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは主にクラウド設備を提供するわけだが、菅野氏によれば、「当社のクラウドと5Gの使い道を探るため、様々なクライアントにヒアリングをする中で、点群活用の話題が出てきたことに着目した」と明かす。そして法人向け5G適用サービスの先行案件の1つに選んだ。

 点群データは3Dレーザースキャナーなどを使って、空間全体を点の集合体として計測し、描写するものだ。1つの点には3次元座標と色の情報が含まれ、それを数万件、数億件と取得して空間を把握する。これからは新規物件の開発よりも改修・解体プロジェクトが増えていくのは確実なので、既存の建物の正確な計測や解体前のデータ保存に点群は欠かせなくなる。

 そんな点群はまさに、ビッグデータの塊だ。3Dレーザースキャナーでデータを取得したはいいが、それらを合成して立体モデルを作成するには、データ量が膨大なのでハイスペックなコンピューターが必要になる。点群データをネットワークで送信するときは、相当太い回線が必要だ。

 ここにドコモは目を付けた。現場で取得した点群データは3Dレーザースキャナーの機器内に保存するのではなく、5G回線で随時ドコモのクラウドに送ってもらう。大容量データの通信が求められる現場の1つが、点群の利用シーンだったわけだ。

 クラウド側には、InfiPointsが持つ点群の処理機能を用意する。ドコモのクラウド上で点群データを合成できれば、現場に点群データを処理するためのハイエンドパソコンを用意する必要がなくなる。

 もっとも、ドコモの想定通りに、建設会社などが点群サービスを利用したがるかはまだ分からない。Field Simulatorは6月30日にサービスの提供を開始したばかりで、8月中旬時点で正式契約に至った商談はまだない。

 それでも私にとって興味深かったのは、「現場で点群データを取得する作業を代行してほしいという依頼が複数寄せられた」(菅野氏)ということだ。3Dレーザースキャナーは高価なうえ、点群データの取得にはかなりのノウハウが要る。現場を回って漏れなくデータを集めるのは手間もかかる。そこでトータルサービスを提供するドコモに「データ取得作業をまずお願いしたい」というニーズが顕在化した。点群データの合成以前のフェーズにこそ、ビジネスチャンスがありそうだ。

 データ取得代行は、ドコモにとって決してもうかる商売ではないだろう。それでも、点群に関心を示す企業のデータ取得をサポートできれば、「入り口」を押さえられる。後工程である点群データの合成や活用につなげられる可能性が高まる。クラウドや5Gを有効活用できる場面が増えてくるはずである。

 しかも点群データだけでなく、図面データも大容量なことが多く、5Gは建設現場の仕事に親和性が高いといえる。完成した建物全体のセンシングデータをリアルタイムで収集するのにも向く。ドコモに限らず、通信会社と建設会社の関わりは今まで以上に密接になるのは間違いない。点群サービスは顧客開拓の「きっかけの1つ」と見ておくのがいいのかもしれない。』

両親の成人の子どもへの金銭援助は不要 伊最高裁

https://www.cnn.co.jp/world/35158437.html 

『(CNN) イタリアの最高裁判所は20日までに、若年層の成人が生活面で自立出来なくても両親から金銭援助を得られる自動的な権利を保持しているわけではないとの判断を示した。

両親からの援助を依然期待し、非常勤の音楽教師を務める35歳の男性の上訴を退けた判決。男性は自らの年収は2万ユーロ(約252万円)で、生活出来ないと主張していた。

最高裁判事は、若年層の成人は「未熟な野心を減じながら」自活の道を見い出す義務があるともいさめた。

今回の裁判論争は5年も続いていたもので、同国トスカーナ州の一審の判決では男性は両親から月々300ユーロの仕送りを得られる権利があると認めていた。

最高裁判事は身体的あるいは精神上の障害を持つ子どもは同国の法制度で特定の保護が保障されているとしながらも、今回はこれに該当する事例ではないが両親からの金銭的な援助は無期限に続くわけではないと説明。専門的な技能に見合う職を探す難しさは言い訳にならないともした。

イタリア国家統計局の昨年のデータによると、同国内で両親と同居する18〜34歳層は全体のうちの約64.3%。この年代層のうち学生が36.5%で、就業者が38.2%、求職中が23.7%だった。また、15〜24歳層での失業率は約30%となっている。

夫婦問題の係争を扱う弁護士団体の責任者はCNNの取材に、今回の最高裁判決を「文化的かつ教育的な判断でこの国の全員への警告」とし、若年層の独り立ちを促すものと歓迎。国内には今回と似たような事例が数十万件あり、離婚申し立ての3件のうちの1件が若年層の成人の子どもへの金銭的な援助と関係があるとも明かした。』

 ※ しかし、非常勤の音楽教師では生活できない…、からと言って、親を訴えてまで生活していけるようにしろよ…とか、訴訟までするものなのか…。しかも、最高裁まで争っている…。訴訟費用、弁護士費用も相当な金額となるだろう…。
 一審判決では、「仕送りを得られる権利」を認める判決が出たそうだ…。
 「親の扶養義務」というものに対する「世間一般の常識」というものが、日本社会と随分と違っているんだろうな…。
 あるいは、「芸術」というものに対する社会的な評価が、日本社会と大分違っているのかもしれんな…。「音楽家」は、社会全体が応援すべきものだという「社会通念」があるとかな…。
 そういえば、コロナが蔓延して「ステイホーム」になっていた最中に、「バルコニー」に出て、「歌を唄ったり」「演奏したり」して、ご近所同士で励まし合ったりしていたのがイタリアじゃなかったか…。そういう社会なんだろうな…。
「唾(つばき)が、激しく飛ぶから、ダメだろ。」というのが、日本社会の大多数の反応だったが…。

横浜港と東名が直結 地中から空へ駆ける

横浜港と東名が直結 地中から空へ駆ける
首都高横浜北西線
大村 拓也 写真・文
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00020/072200013/ 

『開通直前の2020年3月、首都高横浜北西線の上り線から横浜港北ジャンクション(JCT)を望む。上り線は写真中央付近で第三京浜道路を越えた後、17年に開通した首都高横浜北線につながる。ランプ橋を含め最大3層に重なる同JCTの高架橋は、19年度の土木学会田中賞を受賞した。右奥の高層ビルの付近に新横浜駅がある

 道路が幾重にループを描く横浜港北JCT。写真右手は第三京浜道路の料金所。首都高速道路から第三京浜へ乗り継ぐ車は写真中央の赤いレーンを、一般道へ降りる車は青いレーンをそれぞれ進む。同JCTは第三京浜の出入り口を移設しながら15年以降、段階的に供用を始めた

 横浜港北JCTから横浜青葉JCT方面を望む。横浜北西線は1.4kmの高架区間を進んだ後、写真右奥の丘陵地帯からトンネルに入る。高架区間は大型クレーンによる大ブロック架設を多用して、工期を短縮した

 延長4.1kmのトンネル区間。内径は11.5mで直線区間が2kmほど続く。大断面の泥水式シールド工法で世界最速クラスとなる平均月進325mを記録した。トンネル掘削後のたて坑頂版の構築には、埋設タイプの吊り型枠を採用。設備工事と同時並行で進めた

 上り線トンネルを大成建設・佐藤工業・東洋建設JVが、下り線トンネルを安藤ハザマ・岩田地崎建設・土志田建設・宮本土木JVがそれぞれ施工した。2本のトンネルの離隔は約6m。途中にUターン路が2カ所ある

 東名高速道路とつながる横浜青葉JCT側の坑口は、鶴見川右岸の田園地帯にある。JCT付近の高架を過ぎた後、坑口から約300m先の鶴見川の直下まで5%の勾配で一気に下る

延長7.1kmの首都高横浜北西線が2020年3月、開通した。事業費は2589億円。トンネルは横浜市の街路事業として整備した。17年に開通した首都高横浜北線とつながり、横浜港と東名高速道路を直結。保土ケ谷バイパスの混雑を分散する。計画初期の03年から住民の声を事業に反映するパブリック・インボルブメント(PI)方式を導入。これが功を奏し、用地取得が円滑に進んだ。施工でも工期短縮の工夫を凝らし、開通時期を事業当初の目標から2年も前倒しした。』

スバル「新世代アイサイト」、姿消した“日の丸部品”

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01397/081800004/

 ※ 熾烈な自動運転の開発競争と、そこに「部品を納入する」サプライヤーの受注合戦の一端を示している記事だ…。

 ちょっとした「設計変更」が、何万点、何十万点、ヘタすると何百万点という失注(受注を失うこと)につながるという厳しい現実の姿を表している…。これが、「マイナー・チェンジ」「フルモデルチェンジ」と続いていくんだから、大変な話しだ…。

 しかも、その先の将来には、MaaSが控えていて、「自動車業界の先行き」は誰も見通せない…。そういう中で、完成車メーカー、サプライヤーは経営の舵取りをしていかないとならないわけだから、さらに大変な話しだ…。

『SUBARU(スバル)が先進運転支援システム(ADAS)を刷新する。「新世代アイサイト」と名付けた改良版の最大の驚きは、中核を担うステレオカメラをはじめとする主要部品を根本的に見直した点だ。これまで20年近くアイサイトの進化を支えてきた⽇⽴オートモティブシステムズ(以下、⽇⽴オートモティブ)やルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)の日本勢から、海外の大手部品メーカーに乗り換えた。

 スバルは、2020年末に納車を開始する予定の新型ステーションワゴン「レヴォーグ」から新世代アイサイトの搭載を始める(図1)。新世代品で目指したのは、(1)交差点での衝突など事故を回避できるシチュエーションを増やすことと、(2)高速道路での運転支援の拡大――の2つである。

図1 スバルの新型ステーションワゴン「レヴォーグ」

スバルは2020年8月上旬に、ADASの進化版である「新世代アイサイト」に関する取材会を開いた。(出所:スバル)
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 「もちろん相当悩んだ。それでも、交差点事故への対応と高速道路での高度な運転支援を両立させるためには、ステレオカメラをゼロから見直す必要があった」。初代からアイサイトの開発に携わってきた、スバル先進安全設計部主査の丸山匡氏が打ち明ける。

 スバルが初代のアイサイトを製品化したのは2008年のことだった。「ぶつからないクルマ」の実現に向けて、前方監視用のセンサーとしてステレオカメラを日立オートモティブと二人三脚で開発してきた。カメラで撮影したデータを処理する半導体は、ルネサスがASIC(特定用途向けIC)の開発・製造を手掛け続けた。

スウェーデンVeoneerが受注を獲得
 新世代アイサイトに搭載するステレオカメラを供給するのは、スウェーデンVeoneer(ヴィオニア)である(図2)。スウェーデンの大手自動車部品メーカーAutoliv(オートリブ)から分社化した企業で、ドイツDaimler(ダイムラー)などにステレオカメラを供給した実績を持つ。新型ステレオカメラに内蔵する処理半導体は、米Xilinx(ザイリンクス)のFPGA(Field Programmable Gate Array)を選択した。

関連記事:スバルのADAS半導体戦略、「FPGAで勝負する」

図2 新世代アイサイトに使うステレオカメラ
Veoneerが供給する。左右のカメラ間の距離である「基線長」は、日立オートモティブ製の従来品から変えていない。(撮影:日経Automotive)
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 スバルが新世代アイサイトで最も重視したのが、交差点での衝突事故を回避するためにステレオカメラを広角化することだった。従来のステレオカメラから検知距離を維持しつつ、「検知角度を約2倍に拡大した」(丸山氏)という。

 検知角度を2倍にするため、スバルはステレオカメラに搭載するCMOSイメージセンサーの画素数を、これまでの約120万から約230万に増やした。CMOSイメージセンサーを供給するのは米ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)である(図3)。

図3 新型ステレオカメラに内蔵するCMOSイメージセンサー
ON Semiconductorの「AR0231」という機種で、画素数は約230万。(撮影:日経Automotive)
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 ステレオカメラを広角化したいというスバルの意向は当然、旧知の日立オートモティブも理解していた。実際、従来品よりも検知距離を延ばしつつ、3倍以上の広角化を実現するステレオカメラを開発したと19年12月に発表済み。それでも失注したのはなぜか。

日立オートモティブの新型カメラの特徴は、左右のカメラで撮影する範囲をずらす方式に変えた点だ(図4)。具体的には左のカメラで右前方を撮影、右のカメラで左前方を撮影する。これにより広角化を果たしたが、結果的にはこの撮影方式の変更が仇(あだ)となった。

図4 従来方式と新方式の違い
映像の撮影方式を変更したことで、検知距離を維持しながら、従来の3倍以上の広角化を実現した。(出所:日立オートモティブ)
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関連記事:日立の次世代ステレオカメラ、コスト抑えて交差点に対応

 スバルのアイサイトは、ステレオカメラの左右の視差を利用して3次元の距離画像を作成。この画像上で同じ距離にあるものをグループ化し、輪郭形状や内部の特徴などから歩行者か車両かなどを判断する。

 日立オートモティブの新型カメラでは、撮影範囲の端部は1つのカメラでしか撮影できず、視差を取得できない。Veoneerのステレオカメラは、日立オートモティブのカメラよりも検知範囲は狭いが、スバルの要求に応え、撮影した全範囲で視差を取得できるようにした。

ミリ波レーダーを前側方に配置
 新世代アイサイトでは、車両周囲の360度の状況を正確に把握できるようにするため、ミリ波レーダーを追加した(図5)。これまでは後部バンパーの左右のみに24GHz帯の準ミリ波レーダーを搭載していたが、前部のバンパーの左右にも77GHz帯ミリ波レーダーを搭載する。後部の24GHz帯レーダーはドイツContinental(コンチネンタル)製。前部の77GHz帯レーダーは、ステレオカメラと同じくVeoneer製である。

図5 新型アイサイトのセンサー構成
前方監視用のステレオカメラ1個と、4個のレーダーを搭載する。(撮影:日経Automotive)
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 カメラとミリ波レーダーのデータを収集・処理するECU(電子制御ユニット)の機能は、ステレオカメラに内蔵する。カメラの高画素化とミリ波レーダーの追加によって、より高い処理能力を備える半導体が必要になった。さらに、半導体の発熱量が増えることへの対応策として、空冷ファンをステレオカメラのモジュールに備えるようにした。

 これまでの“日の丸連合”を解体して再構築した新世代アイサイト。隣接する車線まで検知できるようになり、見通しの悪い交差点での出合い頭や右左折時を含めて衝突被害軽減ブレーキを作動させられるようになった。さらに、ステアリングによる衝突の回避や被害軽減の機能も持たせる。

自動車専用道路でのADASとしては、新世代アイサイトのオプション機能として「アイサイトX」を用意する。複数車線における「レベル2」の運転支援機能を実現した。

 アイサイトXのオプション価格は35万円で、3次元(3D)高精度地図ロケーターや12.3型のセンターディスプレー、ドライバー・モニタリング・システム(DMS)、ステアリングホイールのタッチセンサーを追加で搭載する。自車位置の推定には、GPS(全地球測位システム)だけでなく準天頂衛星システム「みちびき」も使う。

 3D高精度地図やみちびきを活用することで、カーブの手前や料金所の手前で自動的に減速できるようにした。地図ロケーターは三菱電機製で、インクリメント・ピー(東京・文京)が作成した3D高精度地図データを内蔵した。アイサイトXはまずは日本市場に限定して導入することもあり、日本メーカーの部品を採用した。

 車線変更支援機能も備える。約70k~120km/hの車速域で車線変更のためのウインカー操作をすると、システムが周囲の安全を確認して自動で車線変更する(図6)。車線変更に関してはもう1つ、「エマージェンシーレーンキープアシスト」という機能を搭載する。車線変更・逸脱時に、隣接車線の車両接近を検知し、警告や車線変更を抑制する方向にステアリングに力を加える。こちらはアイサイトXではなく標準装備だ。

図6 車線変更支援機能の実演
運転者のウインカー操作をきっかけに、車線変更を開始する。(出所:スバル)
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 高速道路上の渋滞時は、ステアリングホイールから手を離せるハンズオフに対応する(図7)。DMSによって運転者の異常を確認した場合は、ディスプレーへの表示や音で警告する。それでも運転者が反応しないと、クラクションを鳴らすと同時にハザードランプを点滅させる。センサーで周囲の状況を確認しながら車両を自動で減速。カーブでは走行を続け、見通しのよい直線道路に入ったところで、走行車線内に自動的に停止させる。

図7 渋滞時はハンズオフが可能
車速が50km/h以下で、運転者が前方を向いていることが動作条件。(出所:スバル)
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 2030年までに自社の車両による死亡交通事故ゼロを目指すスバル――。新たな開発パートナーと生み出した新世代アイサイトを搭載する新型レヴォーグが重要な試金石になる。』

NTTコム・サイバー攻撃事件の深層、多要素認証を無効化されていた

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01157/081900017/

 ※ 文章の内容は、同じであるようだ…。

 ※ 警鐘を鳴らす意味で、再度掲載し、図が掲載されていたので、それを貼っておく…。

『NTTコミュニケーションズに対する2つのサイバー攻撃が明らかとなった。延べ約900社・組織の顧客情報が外部に流出した可能性がある。撤去予定だった海外の運用サーバーの「隙」を突かれた。後日、社員になりすました不正アクセスも判明した。攻撃者は端末の多要素認証を無効化し、社内システムに入り込んでいた。

 「まさか日本のセキュリティー業界のリーダーであるNTTコミュニケーションズが被害を受けるとは」。サイバーセキュリティーに詳しい業界関係者は口をそろえる。

 NTTコムは2020年5月28日、サーバーなどの自社設備がサイバー攻撃を受け、顧客情報が外部に流出した可能性があると発表した。7月2日には、社員になりすました攻撃者から不正アクセスを受け、顧客情報の流出範囲が拡大した恐れがあることも公表した。

 一連の攻撃により、防衛省や海上保安庁、厚生労働省など単純合算で延べ約900社・組織の通信関連工事情報が外部に流出した可能性がある。河野太郎防衛大臣は2020年5月29日の閣議後記者会見で、不正アクセスの報告を受けたと明らかにしたうえで「しっかり調査していただきたい」と要請した。監督官庁の総務省幹部も「現状把握と顧客対応をしっかりやってほしい」とくぎを刺す。

撤去予定の海外サーバーに「隙」
 社内調査により、攻撃者の侵入経路は2通りあったことが判明している。

 1つが顧客向けサービスの監視や障害の切り分けなどを担うシンガポールの運用サーバーを踏み台としたルートだ。攻撃者は2019年9月ごろに同サーバーに侵入。その後、タイなど複数の海外拠点を経由し、2019年12月に法人向けクラウドサービス「Bizホスティング エンタープライズ(BHE、2018年3月にサービスの提供を終了)」と「Enterprise Cloudオプションサービス」の運用サーバーに入り込んでいた。ここを足掛かりに法人向けクラウドの工事情報管理サーバーのほか、社内セグメントのアクティブディレクトリー(AD)運用サーバーや社内ファイルサーバーへと触手を伸ばしていた。

図 NTTコミュニケーションズが受けたサイバー攻撃の概要
2つの不正アクセスが判明した
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 NTTコムは2020年5月7日、社内セグメントのADサーバーに対する不正な遠隔操作を試みたログを検知した。遠隔操作の踏み台になった同セグメントのAD運用サーバーを同日中に緊急停止し、社内調査を進めた。その後、AD運用サーバーのアクセス元だった法人向けクラウドの運用サーバーを停止したり、マルウエアによる外部サイトとの通信を遮断したりした。

 実は、最初に侵入を許したシンガポールの運用サーバーは撤去予定だった。同サーバーを収容するデータセンターが老朽化し、2019年10月に新データセンターへの移転を計画していた。同サーバーも新しいものに切り替わる予定だった。まさに撤去直前のタイミングを攻撃者に突かれた。

 同サーバーは撤去を間近に控えていたこともあり、セキュリティー上の脅威を検出するEDR(Endpoint Detection and Response)を導入できていなかった。NTTリミテッド・ジャパンの飯田健一郎社長は「もっと対策の感度を上げておくべきだった」と悔やむ。

 攻撃者がどういった脆弱性を突いてシンガポールの運用サーバーに侵入したかについては「継続調査を実施したが、機器の撤去でログを確認できないため、原因を特定できなかった」(NTTコム)と説明する。』

『社員になりすまし
 もう1つは日本にあるVDI(仮想デスクトップ基盤)サーバー経由だ。シンガポールの運用サーバーを踏み台にした不正アクセスを調査する過程で、複数の社員が勤務日以外に社内のファイルサーバーにアクセスしていることを2020年5月25日に突き止めた。翌26日にはファイルサーバーのアクセス元がすべてVDIサーバーだったことが判明。さらに27日、何者かが社員になりすましてVDIサーバーにログインしていた事実を確認した。

 NTTコムは社員がVDIサーバーにログインする際、多要素認証を採用していた。具体的にはIDとパスワードとは別に、ランダムに並んだ数字の表を使う「マトリクス認証」を併用していた。同社の久野誠史デジタル改革推進部情報システム部門担当部長は「攻撃者は特殊な方法でVDIサーバーに接続していた」と打ち明ける。

 特殊な方法とは、マトリクス認証を無効化し、主にIDとパスワードだけでVDIサーバーにログインできるというものだ。久野担当部長は「我々も認識していなかったVDI全体の抜け道があった。攻撃者はちょっとした(システム上の)『穴』をいくつも組み合わせていた」と語る。

 攻撃者はこの抜け道を見つけ出し、不正入手した社員のIDとパスワードを使って自身の端末でVDIサーバーの認証を突破していた。しかもNTTコムはVDIサーバーへの接続時に端末のウイルス対策ソフトの種類やバージョンもチェックしていたが、攻撃者はこれらも把握し、インストールしたうえで侵入していた。2020年8月6日時点で社員のIDとパスワードの流出経路は判明していないが、社内セグメントのADサーバーからは流出していないことを確認している。

 NTTコムは緊急対応を既に済ませ、2020年5月26日時点でVDI全体の利用を停止した。翌27日に全社員のパスワードも強制リセットした。同社によると、27日以降、不正ログインがないことを確認できているという。

 ルートが異なる2つの不正アクセスに関連はあるのか。NTTコムの小山覚情報セキュリティ部部長は「(攻撃者が同一かどうかは)何とも言えない。攻撃元のアトリビューション(特定)は実施していない」と話す。ただ、どちらも「サイバー攻撃の専門集団」(同社)としている。

 あるサイバーセキュリティーの専門家は「同一の攻撃主体ではないか」としたうえで、「攻撃の途中でユーザーの認証情報を入手し、VDIサーバー経由の接続に切り替えたのではないか。正当なアカウントとパスワードを使ったアクセスのほうがより隠密な行動ができるからだ」と分析する。実際、攻撃者は日勤の時間帯しか動かず、「ばれないようにひっそりと活動していた」(久野担当部長)。攻撃者はメール送信といった目立つ行動も控えていた。

 別のサイバーセキュリティーの専門家は「BlackTechによる攻撃の可能性がある」と指摘する。BlackTechとは、中国政府との関係が噂されるサイバー攻撃集団だ。既に明らかとなっている三菱電機に対するサイバー攻撃にも関与したとされる。BlackTechの攻撃の特徴は「海外拠点の通信機器の脆弱性を利用する」(同)点にあり、特に情報通信や製造業、学術機関が狙われる傾向にある。

UEBAやEDRを導入
 NTTコムは再発防止を急いでいる。まず社員の正当なIDとパスワードを使った「なりすまし攻撃」により、影響範囲の特定に時間がかかった反省から、攻撃者の振る舞いを細かく把握できる「UEBA(Userand Entity Behavior Analytics)」を2021年3月までに本格導入する計画だ。EDRも2020年秋までに、サーバーも含めて全端末への導入を終える。

 サイバー攻撃の動向や企業のセキュリティー対策に詳しいラックの西本逸郎社長は「被害範囲の特定や封じ込めにEDRは有効だ」と語る。パソコンなどのログを詳細に洗い出す「フォレンジック」には、パソコン1台当たり2週間かかるケースもある。「EDRを導入すれば、こうした時間を大幅に短縮できる」(西本社長)。

 NTTコムはセキュリティー対策の有効性を検証する「Red Team」の人員拡充も検討する。社内のITやOT(制御技術)システムに対して、疑似的なサイバー攻撃を仕掛け、対策の実効性を評価する「TLPT(Threat Led Penetration Test)」のプランを策定し、それに合わせるような形で、Red Teamの体制の詳細を詰める。「今後は撤去予定の設備に対するセキュリティー対策も徹底する」(小山部長)。

 NTTコムで判明した今回のサイバー攻撃は多くの企業にとって対岸の火事ではない。新型コロナウイルスの流行により、企業はいや応なく在宅勤務の拡充などを迫られている。そんな中で、利用範囲が拡大するIT機器のセキュリティー水準をどう担保するか。早急に対策が求められる。』

「日本を同盟国友人リストから外せ」という、米有名シンクタンク員論説の真意

「日本を同盟国友人リストから外せ」という、米有名シンクタンク員論説の真意ーー10カ国をメッタ斬り
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200820-00193884/

 ※ これは、絶対読んでおくべき記事だ…。おそらく、2020年に読んだ記事の中で、いや、ここ2、3年で読んだ記事の中でのベスト3には入るものだ…。今、世界で起きていることを把握する際に、最も肝心なことを「大きく掬える視点」が出ていると思う…。

1、2次大戦以後の世界秩序は、「パクス・アメリカーナ」だった…。
 国力、軍事力とも圧倒的で、「世界のグランドデザイン」を設計・構築した…。

2、「パクス・アメリカーナ」が提供する「世界秩序」は、むろん「アメリカの世界戦略」に基づくものだった…。
 しかし、それが提供してくれる「安定した秩序」は、各国にそれなりに「利」を提供してくれるものだった…。特に、「経済活動」は「先行きの計算ができること」を必須とするから、各国はそれに乗っかった…。

3、ライバル(「パクス・アメリカーナ」への挑戦者)は存在し、それはソ連だった…。
 核保有国だったので、「全面戦争」するわけにいかず、「冷戦」という形で争った…。世界のあちこちで、「小規模な小競り合い」は生じた…。それは、ある意味「代理戦争」だった…。

4、冷戦は、「ソ連崩壊」という形で決着した…。

5、今また、新たな「ライバル」が登場した…。それは、北京政権国だ…。
 これまた、核保有大国なので、「全面戦争」するわけにはいかない…。
 しかも、「人口大国」で、「グローバル経済」に組み込めば、「大きな市場」となる可能性があり、積極的に「育成」すらした節(ふし)がある…。さらに、「低賃金労働者」の「宝庫」だったから、「利」のために積極的に利用した節(ふし)がある…。
 それで、「グローバル・サプライチェーン」に組み込まれて、「アメーバ状に」市場経済の中に浸透した…。

6、しかし、そういう北京政権国がもたらす「利」と、それによってもたらされる「害」とを、利益考量した場合に、最近「価値判定」に従前までとは違う判断がなされた気配がある…(そこに、どういう利益考量がなされたのか、その考量の判断の「要素」は何だったのか、は知らない…)。

7、そういうことで、最近、「アメリカの世界戦略」に大きな「戦略変更」があった気配がある…。

8、アメリカ自体が置かれている状況は、二次大戦直後とは大きく違っている…。ソ連と冷戦を戦っていた時とも、大きく違っている…。

 ライバル国である北京政権国も、ソ連とは違った形の挑戦者だ…。
 
 自陣営の「経済体制」に、アメーバ状に食い込んでいるし、「IT大国」で、それを利用した「大衆の心理操作」に長けている…。「人間の欲望」を深く理解しており、「欲望を突いての操り」に長けている…。軍事力で圧倒して勝利する…、というタイプのライバルでは無い…。

9、しかし、それでも、まずやるべきことは、「圧倒的な軍事力」を構築して、隙を作らないことだ…。

10、それも、なるべく「リソース」を節約して、浮いた「リソース(人員、予算、設備)」を、「異なるタイプの戦い」につぎ込む必要がある…。

11、それには、旧来からの「同盟関係」も、惰性で継続するのでなく、根本から見直し、「リソース」の配分を組み替える必要がある…。

12、そのためには、提供されている「世界秩序」に見合っただけの「負担分担」を、請求していく必要がある…。
 特に、日本国の場合は、「防衛費」の増額だけでなく、「アメリカの世界戦略」に、応分の負担ができるような、「国家体制の変更」までも要求していく必要がある…。

 まあ、以上のような話しだろう…。

『「アメリカの同盟国数カ国を、友人リストから外す時が来た」。

こんな刺激的なタイトルの論説が、今年の8月にアメリカで発表された。

中では、アメリカの同盟国10カ国を、次から次へとバッサバッサと切り倒しているのだが、なんと日本は「トリ」を務めるという、大変名誉な地位(?)を担っている。

著者はダグ・バンドウ氏という、首都ワシントンD.C.にあるケイトー研究所というシンクタンクの研究員である(「カトー研究所」とも呼ばれる)。

ケイトー研究所は、2018年の調査では、アメリカで第10位、世界で第15位に入るシンクタンクである。

このランキングは『2017 Global Go To Think Tank Index Report』によるものだ。ペンシルバニア大学の「シンクタンクと市民社会プログラム」が発表した。

日本語では8月12日に、韓国の『中央日報』日本語版が報じていたので、見た読者もいるのではないか。

記事タイトルは「米シンクタンク研究員『もう日本との親善断つべき時』」という、更に刺激的なものだった。

ここでは、以下のように書かれていた。

米シンクタンク、ケイトー研究所のダグ・バンドウ専任研究員はホームページに「同盟国との問題:数カ国と友人関係を断つ時」という報告書を通じ、日本、フィリピン、スペイン、イタリア、ドイツ、エジプト、サウジアラビア、トルコなどとの同盟を断ち、米国の国益に合致する同盟を結ぶべきと主張した。

バンドウ専任研究員は日本に対して「いまや日本との親善を断つべき時」とした。彼は「日本はきれいで謙虚で良い国」としながらも、「中国と北朝鮮が軍事的に活発になったが日本は『平和憲法』の裏に隠れ続けている」とした。世界3位の経済大国である日本の国防費はGDPの1%水準にとどまっているとし、「第2次大戦は終わり、日本は回復し、民主主義は深く根を下ろした」とした。

出典:中央日報日本語版サイトより。
米中関係が緊張を増すなかで、このようなことを言うダグ・バンドウ氏の真意は何なのか。このような記事を発表する「ケイトー研究所」とは、どういうシンクタンクなのか。

抜粋して記事を書く予定だったのだが、あまりにも面白い論説なので、長いが全文を訳して掲載することにする。

「アメリカ様」に頼っているのは、日本だけではないことがよくわかる。読んでいて苦笑の連続だった(笑っている場合ではないのだが)。

※以下の訳文で、太字と小見出しは筆者がつけた。

「同盟国の問題:同盟国数カ国を、友人リストから外す時が来た」
The Problem with Allies: It’s Time to Unfriend a Few Countries

著者 ダグ・バンドウ

初出:2020年8月8日 アメリカン・スペクテーター(オンライン)

ケイトー研究所HP。バンドウ氏を紹介するページ
アメリカの多くの同盟は、正式なものでも非公式なものでも、一つの目的を果たすことになっている。

それは、米国の安全保障を強化するということだ。同盟は手段であり目的ではない。効果として他国を守ることになるかもしれないが、究極の目的は、アメリカをより安全にすることであるべきだ。

しかし、ワシントンの当局者たちは、軍事パートナーをフェイスブックの友達のように扱うようになっており、人気があると自慢する権利を際限なく積み重ねていっている。

この場合、アメリカ人は簡単に勝利を主張することができる。近年、アメリカはモンテネグロと北マケドニアを北大西洋条約機構(NATO)に加えた。次はグランド・フェンウィック大公国か?(訳注:有名小説に出てくる架空の欧州の王国)。それは世界の友好度を競う「くじ」において、アメリカに圧倒的なリードをもたらすだろう。

実際に今は、苦しいプロセスを始めるには、良い時期だろう。役に立たない、あるいは逆効果の同盟国との友好関係を解消するためのプロセスだ。

彼らを敵のように扱うという意味ではない。ただ、彼らの健勝を願い、自分の問題には自分で責任を持ち始めるようにしてもらうだけだ。例えば、自分の身は自分で守ることなど。

アンクル・サムがいつまでもソフトタッチで、国庫のドアを大きく開けて、軍隊を送る準備ができていると期待するのではなく(訳注:アンクル・サムとはアメリカを擬人化した男性キャラクターのこと)。

真っ先に外したいサウジアラビア
ワシントンは、サウジアラビア王国から始めるべきだ。

共産主義は悪だが、少なくとも理論的には魅力がある。今日、絶対君主制よりも愚かな統治形態があるだろうか? 

しかし、数千人のサウジアラビアの王子たちは、個人的な楽しみのために、国の資源を略奪しているのだ。イスラム教の聖地を維持するために献身している、高潔な禁欲主義者のふりをしながらである。

権力を維持するために、アメリカを含む世界中で原理主義的なワッハーブ派の教えを支持し、キリスト教徒やユダヤ教徒、その他の宗教的少数者を悪魔とみなしているのだ。

皇太子のムハンマド・ビン・サルマーン氏は、砂漠の中にある都市国家の集合体のようなものを事実上支配しており、ヨットやフランスのシャトー(城)、レンブラントの絵画などで散財をしながら、エリート富裕層に自由のための身代金の支払いを強要したことで知られている。

サウジアラビア王国は、残忍なほどに抑圧的な国で、政治的な反対意見や宗教的な多様性は一切認めていない。

この王国はイランよりもはるかに悪い国である。イランは、不公平だが結果が出ないわけではない選挙を行っており、迫害の危険はあるものの、キリスト教徒やその他の宗教的少数派の信仰を認めている。

サウジアラビアの独裁者として知られる皇太子は、どちらも許さない。実際、彼は政治的抑圧を強化し、ブログの書き手やその他の人々が、黙秘して、自分の支配を永遠に称賛することを行わないというだけの理由で逮捕している。

アメリカの安全保障にとってさらに悪いことに、彼は傲慢で、愚かで、無謀である。

彼はイエメンを侵略した。イエメンは何十年にもわたって戦争状態にあり、内紛の最新ラウンドを、イランを巻き込んだ宗派戦争に変えてしまった。

皇太子はレバノンの首相を誘拐し、シリアではジハード主義(訳注:アルカイダやイスラーム国の思想的拠り所とされる)の反乱軍を支援し、リビアでは内戦資金を提供し、カタールを操り人形の国にしようとし、エジプトでは残忍な弾圧に助成金を出した。

サウジアラビアの首都リヤドは、もはやかつてのように重要ではない。エネルギーの影響力は弱まっており、是が非でも自国民が守るような種類の社会を創る必要がある。事実上の傭兵として米兵を雇うことを永遠に期待するのではなく。

米大統領がこのような卑劣な政権を無批判に受け入れるという光景は、ワシントンの評判と世界的な信頼性を損なっている。

利益ゼロのモンテネグロ
モンテネグロは、素晴らしい観光地であり、映画の舞台でもある(訳注:ジェームズ・ボンドの『007 カジノ・ロワイヤル』が有名)。

しかし米当局者達は、この切手の国をNATOに迎え入れたとき、好かれようと必死になった。

フリーダムハウスの「一部が自由」の評価付けの説明によると、以下のとおりである。

「モンテネグロでは多数の政党が政権を目指して争っているが、野党は分断されており、その指導者達は頻繁に嫌がらせを受けている。そして政権党である社会民主党(Democratic Party of Socialists)は、1991年から政権を握っている。汚職は、深刻な問題である。調査するジャーナリストや、政府に批判的なジャーナリストは、多くの非政府組織(NGO)と同様に、圧力に直面している」

もっと重要なのは、首都ポドゴリツァは、地政学的に無関係である。NATOにモンテネグロを加えて、アメリカの防衛上のコミットメントは拡大されたが、それに伴う利益は何もない。

モンテネグロは今年、6,500万ドルすべてを軍事に費やすことになるが、これはペンタゴン(米国防総省)にとっては丸め誤差によるエラーであり、すべての支出を説明することはできないと認めている。

モンテネグロの人口は、米国議会選挙区の一つよりも人口が少なくて、2350人の男性が武装している。その広大な装甲部隊は、8隻の装甲兵員輸送車で構成されている。海軍は350人の水兵と、5隻の巡視船を配備しており、アドリア海を手の内で良好な状態に保っている。

空軍は飛行しない航空機を数機、飛行すると思われるヘリコプターをパン屋の1ダース保有している(訳注:パン屋の1ダースとは13のこと。よく一つおまけしてくれることから)。少なくともモンテネグロをNATOに加盟させたことは、別の文学的風刺の構造を生みだした。

外国の脅威など感じていないドイツ人
対照的に、ドイツはリアルな国である。

実際、ヨーロッパ最大の経済規模と、(ロシアを除いて)最大の人口を持っている。明らかに歴史はベルリンに重くのしかかっているが、それは自国やヨーロッパの防衛に貢献することを避けるための、使い尽くした言い訳になっている。

6年前、ドイツは、2024年までにGDPの2%を軍事費に充てることを約束した他のNATO加盟国に加わることになった。これは恣意的な基準ではあるが、少なくとも防衛へのコミットメントを示している。

昨年のドイツは1.38%だった。30カ国中17位という真ん中あたりの位置にあるが、絶対的な不足額は、他のどのNATO加盟国よりも大きい。

同時に、ドイツ軍の実際の準備態勢は、モンテネグロと似たり寄ったりの可能性がある。連邦議会の軍事コミッショナーのハンス=ペーター・バルテルス氏はかつて、「人員も物資も不足しており、時に不足の上の不足に直面することがある」と訴えたことがある。

しかし、はるかに有名なアンゲラ・メルケル首相は、ドイツのコンプライアンスを2030年まで先送りにした。軍隊への支出がそのレベルに達することはないだろう。メルケル首相はあと数年で退陣するだろうから、彼女の公約は無意味である。

さらに悪いことに、彼女はキリスト教民主同盟(訳注:メルケル首相が属する政党で中道右派)を、(大連立を組んでいる中道左派政党の)社会民主党ライトに変えてしまった。次の政権は緑の党が率いることになるかもしれない。

最後に、外国の脅威から身を守る必要があると考えているドイツ人は、ほとんどいない。

ドナルド・トランプ大統領が、在ドイツ米軍を縮小するという計画に対する彼らの最大の不満は、経済的なものだ。シュトゥットガルトの市長は「この街はアメリカ人の消費力を失ってしまう」と嘆いていた。ヴィルゼックの市長は、失われる雇用を列挙した。ワシントンの政策立案者は、米国の利益に焦点を当てるべきなのだ。

歴史的に、ドイツはしばしば名前だけで同盟国を選び、効果的な軍隊は言うに及ばず、軍隊を配備することもできない瀕死状態の国家を選んだのだった。第一次世界大戦ではオーストリア・ハンガリー、第二次世界大戦ではイタリア。

今日のアメリカにとっては、フィリピンがそうである。マニラは半失敗状態(国)であり、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領によって、さらに危険性が増している。

去って嬉しいフィリピン大統領
ドゥテルテ大統領は、フィリピンで選出された大統領の中で、最もこれ見よがしに反米的な大統領である。

アメリカがかつて残忍にフィリピンを植民地化し、先住民の独立運動を抑圧しながら、20万人の民間人を死なせたことを、しばしば思い出させる。おそらくこのことは、麻薬使用者や麻薬の売人に対する無法な暴力や超法規的な殺人を奨励している彼の、悪い人権の記録を説明しているのだろう。

フリーダムハウスは、この国は「部分的にしか自由ではない」と判断している。「法の支配と司法の適用は行き当たりばったりで、政治的・経済的エリートに大きく有利になっている」と指摘し、「活動家やジャーナリストに対する凶悪犯罪には、依然として免責が常態化している」と指摘している。

米国の安全保障にとってさらに悪いのは、彼の一貫性のなさである。彼は大統領就任早々に中国に突進してゆき、フィリピン国家のアメリカからの「分離」を宣言した。後になって、中国の代償は高すぎると認めたのだった。

ドゥテルテ氏は、政治的同盟国へのビザの拒否に、腹を立てた(訳注:比大統領の側近、デラロサ上院議員のアメリカ入国ビザを、米政府が拒否したことを指すのだろう。この上院議員は、超法規的殺人を含む、強硬な麻薬犯罪関連対策を国家警察長官として推進してきたという)。

そして大統領は今年初めに、両国間の軍事協力を規定している「訪問米軍に関する地位協定」の破棄を通知したと発表した。しかし、今から数週間前、彼は心変わりした。

昨年、中国の船がフィリピンの漁船に衝突してゆき、沈没させた。残念ながら、ドゥテルテ大統領と前任者たちは、北京ではなくモンテネグロとの戦いに適した海軍を作っていた。フィリピン海軍の旗艦は、半世紀前のアメリカ沿岸警備隊の不要品である。

どの艦隊も、上海を封鎖して報復しようとはしなかった。そこで彼はトランプ政権に戦争に行くように要求した。「私は今、アメリカに呼びかけている。私は『訪問米軍に関する地位協定』を引き合いに出している。アメリカは、第7艦隊を中国の前に集結させてほしい。私は今、彼らに求めているところである」。

しかし、それだけではなかった。「彼らが南シナ海に入る時、私は入る。私は最初にそこに行く第7艦隊に同乗する。それから私はアメリカ人に『OK、すべてを爆撃しよう』と告げるだろう」

トランプ大統領は、ドゥテルテ大統領の戦争招致を拒否した。これでアメリカが必要とする友人が一人減った。

私欲しか興味がないエジプト支配層
ワシントンは、エジプトにも言うべきである。立ち去れ! 

この中東の国は、かつて米国にとって重要だった。しかし、アラブ世界での主導的役割を失った。カイロの指導者が何を言おうと、もはや誰にとっても重要ではない。

さらに、政権は、かつてイスラエルにとって脅威であったイデオロギー的な焦点と、目的の真剣さの両方を放棄してしまった。今日、政治的支配をしながら経済をコントロールする軍の将校階級は、ほとんど自己肥大にしか興味がない。

将軍から大統領に転身したアブドルファッターフ・アッ=シーシーは、前大統領ホスニー・ムバーラクが誇りに思うような権威主義国家を作り上げた。

自由主義者からムスリム同胞団のメンバーまで、何万人もの人々が、抗議からアッ=シーシーの権威主義的な統治を単に批判することまで、あらゆる理由で逮捕されている。正義は嘲笑に過ぎず、死刑が一括して言い渡される。

検閲は着実に厳しくなっており、アッ=シーシーは、政府の多くの犯罪に少しでも光を当てようとする独立したNGOさえも閉鎖した。社会的な安全弁なしで、民衆の爆発への圧力は高まるばかりだ。

そしてエジプトの刑務所は、ムバラクの刑務所以上に、イスラム過激主義の孵卵器となっている。

ロシアと仲良しのトルコ
NATOの家事(維持管理)は、トルコでは継続すべきである。

トルコは強力な軍事力を保有しているが、欧州にとって唯一もっともらしい深刻な脅威であるロシアよりも、同盟国の仲間であるギリシャや、EU加盟国のキプロスに対してその軍事力を行使する可能性が高い。実際、トルコの船は最近、リビアへの武器禁輸の実施を求めているフランスとギリシャの船と対峙した。トルコは禁輸を甚だしく破っていたのだ。

トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンは、いかなる批判も拒絶しているが、『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、「一部のNATO大使は、トルコは現在、グループの民主的価値観と集団的防衛に対して、公然と挑戦をしていると考えている」という。

かつて世俗国家(政教分離国家)であったトルコ共和国は、長い間、二つの重要な役割を果たすと考えられていた。一つは、ヨーロッパ南東部の前線であるモスクワを封じ込め、特にソ連・ロシアの黒海艦隊を封鎖すること。もう一つは、中東への橋渡し役として、穏健なイスラム民主主義を現実に示すことであった。両方の機能は今では駄目になってしまっている。

2015年、トルコ軍がシリアで活動していたロシア機を撃墜した際に、プーチン大統領と一時的に衝突した後、エルドアン大統領は対立から撤退し、モスクワと親密な関係を築いた。シリアのアサド政権の将来を巡って意見が分かれているにもかかわらず、両政府は軍事的対立を回避して、発生した事件を解決するために協力してきた。

アンカラはまた、ロシアのS-400対空システムの購入を決定した。このことは、米国がトルコにF-35を販売する予定がキャンセルとなり、トルコによる共同生産作業を中止する原因となった。NATOの誰一人として、ロシアとの戦争になったらトルコが参加するとは信じていない。

さらに、エルドアン氏の初期のリベラルなアプローチは、政治的なおとり商法であったように見える。

首相になり、後に大統領になる前に、彼は民主主義とは列車のようなものだと言った。つまり、目的地に着けば降りるということだ。彼は何年も前に降りた。唯一の未知のことは、2023年の再選を確実にするために、彼がどのような権威主義的な戦術を使うかということだ。

フリーダムハウスは、トルコを「自由ではない」と評価している。「最初に自由化の改革を行った後、エルドアン政府は、政治的権利と市民の自由をどんどん軽蔑するようになった。そしてその権威主義的な性質は、2016年のクーデター未遂の後に完全に強化された。統治への反対者が明確にわかると、劇的な弾圧を行ったのだ。2017年に採択された憲法改正により、権力は大統領の手に集中した」。

それ以来、何万人もの人々が投獄され、仕事を解雇された。多くの人々は、エルドアンと彼の熱烈な支持者の心の中だけで明らかになっている、広大で幻想的な陰謀の一部であると非難されている。

タダ乗り欧州代表、スペイン
スペインは、はるかに快適で、民主的で、発展した国だ。

しかし、スペインは、ヨーロッパがアメリカに国防をタダ乗り、あるいは少なくとも安価乗りしている問題をよく示している。

マドリッドの軍事費はここ数年変動しており、2019年にはGDPのわずか0.92%を占めただけで、5年前と変わらない。国防費は1ドル当たり1ペニーさえも使っていない!(訳注:1ペニーは1セントのこと。1ドル=100セント/ペニー。つまり「100円に対して1円すら使っていない」という意味)。

スペインの軍隊は十分に訓練され供給されているが、国が貢献できる能力と比較すると小さすぎる。

スペインは、EU27加盟国の中で、5番目に大きな経済をもっている(訳注:GDPを見るならEU27の場合4番目だと思うのだが。イギリスを入れたEU28なら5番目。何の指標が基準なのだろうか)。ヨーロッパの5大経済大国のうち、ドイツ、イタリア、スペインの3カ国は、国防上の重要な役割を果たすことにほとんど関心を示していない。

もちろん、それは彼らの選択である。しかし、欧州の最も重要な経済大国が責任を負わないのであれば、ヨーロッパはどうやって自衛するのだろうか? 

ワシントンは彼らをカバーするべきではないし、彼らは、言葉の深刻な意味における同盟国であるというふりをするべきではない。

ジョージアはNATOに入るな
ジョージ・W・ブッシュ政権は、ジョージアの大統領がミハイル・サアカシュヴィリであった時、その国に夢中になっているように見えた(訳注:同大統領は米コロンビア大学やワシントン大学で学業経験をもつ。当時日本では、国名は「グルジア」と呼ばれていた)。

ワシントンに熱狂的なファンがいたにもかかわらず、彼の人権記録は、望まれるべきものを残した。ロシアと戦争をして、アメリカを紛争に引きずり込みたかった彼の願望もそうだった。

ジョージアは、まさにNATOに入るべきではない種類の国である。米国の安全保障にとって重要ではない。ソビエト連邦と帝国ロシアの一部として、モスクワと歴史的なつながりがある。予測できない、無責任な指導者たち。モスクワとの未解決の紛争。

プーチン大統領は、アブハジアと南オセチア(原注:長い間ジョージアの支配に抵抗していた小さな領土)を支援することで、ジョージアからの分離を助けるために自らの役割を果たした。

欧州のオブザーバーは、ジョージアが2008年8月にロシア軍がいる領土を標的にして、銃撃を始めたと断言している。

(訳注:このロシアとジョージアの国境にある領土に起こった紛争は、「8月戦争」とも呼ばれる。一般的に信じられている話は、次のようなものだ。「元ソ連だったジョージアは、民主化してロシアから離れようとした。ロシアは怒り、領土問題が存在する場所に戦争をしかけてきた。大国ロシアに攻撃されてしまったこの小さな国は、アメリカに救いを求めた」。しかし著者は「違う、そうではない」と言いたいのである)。

国際監視員を務める英国兵ライアン・グリスト氏は、「ジョージアの攻撃は完全に無差別だった。ロシアの挑発行為に対して、もしそれが本当にあったとしても、不釣り合いだったことは、私には明らかだった」と述べた。

攻撃は十分に計画されていた。当時、ドイツの『Der Spiegel』誌は、「NATOの将校たちは、ジョージアの攻撃は、南オセチアのポジションに対して計算されたものであると考えていた。地上における事実をつくるためである」と報じていた。

サアカシュヴィリ自身の当局者たちは、米国の支援を期待していると断言した。彼はCNNに出演して訴えた。「これはもうジョージアのことではない。アメリカのことだ、アメリカの価値観のことだ。我々は自由を愛する国民であり、今まさに攻撃を受けている」と訴えた。「だから、核戦争を始めて私を救済しなさい!」と。

ジョージアの人々に同情するのには、もっともな理由がある。しかし、アメリカ人はジョージアのケンカをアメリカのケンカにして、自分たちの未来を危険にさらすべきではない。

そして、大トリの日本
最後に、日本を友達リストから削除する時だ。

(訳注:ここでは「defriend」という動詞が使われている。SNSの友人リストから友人を削除する時に使うネット用語)。

もちろん日本は素晴らしい国だ。豊かで、清潔で、礼儀正しく、複雑で、異なっていて、興味深い。しかしながら、中国と北朝鮮が軍事的に活発になっても、日本は「平和憲法」の陰に隠れ続けている。

真実を言えば、北朝鮮も中国も、アメリカの安全保障を直接脅かしてはいない。彼らはアメリカを攻撃することには興味がない。太平洋にあるアメリカの(訳注:島々の)領有権を奪うことにも興味がない。

彼らの目は東アジアに据えられている。北朝鮮は韓国と、ワシントンが入ってくる可能性を心配している。中国はモンロー・ドクトリンの中国バージョンを実施し、アメリカを領土問題やその他の紛争に巻き込まないようにしたいと考えている。

アメリカの同盟国は、アメリカが核武装勢力と戦争をすることを期待するのではなく、自国を守るために、自国のできることをすべて行うべきである。

日本は、世界第3位の経済大国であり、明らかに軍事的にもっと多くのことをする余裕がある。日本の防衛費は、何年にもわたってGDPの1%を超えてきた。最近では、そのレベルにすら達していない。このわずかな量で、長年にわたって本格的な軍隊の創設を可能にしてきたのだ。

しかし、もし東京が本当に北京を恐れるのであれば、ーー北京は尖閣諸島・釣魚島を領有し、第二次世界大戦中に日本の略奪によって生み出された憎しみをほとんど捨てていないーー、日本人は1ドルに対して1ペニー以上の貢献を進んで行うべきだ。

彼らがそうしないという事実は、恥知らずな同盟国の安価乗りの、もう一つの例である。北マケドニアのような地政学的に無効な国が、約束の支出をするかどうかは、重要ではない。しかし、日本は、太平洋における同盟国の防衛の基礎であるべきだ。

第二次世界大戦は終わった。日本は復興した。民主主義は深く根付いている。フィリピンのようなかつての敵は、日本にもっと行うように促している。アメリカはタダ乗りする人をもう一人、友人として必要とはしていない。

アメリカが利益を得るのは、他の国々と共に協力する時であるが、それは安全保障上の脅威に立ち向かい、他の共通の目的を促進するためである。

しかし、正式な同盟とは、この目的を達成するための手段であって、同盟そのものが目的ではないのだと捉えなくてはならない。目的を達成するために、アメリカ人は自分の安全を犠牲にするのだ。

同盟国、パートナー、友好国、呼び方はなんであれ、このような国家が、米国の利益を推し進めることをやめたとき、それは変化のときなのだ。もはや自分の役割を果たさなくなった同盟国を友達リストから削除するといったように。

(論説終わり)

ワシントンD.C.にあるケイトー研究所。Wikipediaより
なぜこのような主張をするのか
読んでみて、いかがだっただろうか。

同盟国メッタ切りであるが、この著者の言うことには真理のトゲがある。

現実には大変複雑な状況を単純化しすぎている感は否めないが、それでも鋭い。

日本人から見ると、中国に対する脅威が感じられないのが不思議である。「脅威を感じるなら、自分で防衛しろ」と怒られそうだが、現在の米中対立は、世界の覇権をめぐる争いであり、米ソ対立のようにイデオロギーの対立でもあるはずだ。

なぜこれほど、中国を無視できるのだろうか。

このケイトー研究所の思想的な立ち位置に、大いに関係がありそうだ。

完全自由主義者たち
著者バンドウ氏が属する「ケイトー研究所」というシンクタンクは、ほぼ「完全自由主義」の思想的立場にある。

フランス語版のウィキペディアが見事にまとまっているので、引用したい(フランスは本当に思想に強い)。

ケイトー研究所は、その規約の中で、「個人の自由、政府の縮小、経済的自由、平和」を擁護する政策を提唱していると発表しています。

その中で民営化を求めているのが、航空宇宙局、米国郵政公社、公共テレビ、社会保障、運輸保安局、公共交通機関などです。また、廃止を求めているのは、最低賃金、反トラスト法、アファーマティブ・アクション(訳注:差別撤廃のための優遇政策。人種等で人数割り当てを行う)、福祉国家、関税障壁などです。

非介入主義的な外交政策を支持しており、ジョージ・W・ブッシュのイラク侵攻、バラク・オバマのリビアへの介入、イエメン紛争への米国の関与を批判しています。

最近では、トランプ大統領が望む「イスラム教徒入国禁止令」を強く批判しています。

こういった思想は「リバタリアニズム(完全自由主義)」と呼ばれる。ケイトー研究所は、よくこの立場を擁護しているということだ。

しかし、個人の自由がそれほど大事なら、経済活動に国家統制をはかる中国など、天敵中の天敵なのではないのだろうか。国家資本主義で対抗してくる中国に対して、そんなにのん気で良いのだろうか。

おそらく「中国の国家資本主義経済などは、『見えざる手(アダム・スミス)』によって、勝手に自滅するだろう」、だから「軍事的脅威さえなければ、ほっておけばいいのだ」くらいにしか思っていないのではないかーー実際に、それだけの強さがアメリカにはあるかもしれないが。

個人の自由が大事なのに、アメリカの国益を中心に据えるところは、思想的にはご都合主義的ではある。でも、だから現実の政治の世界において、バンドウ氏は注目されるのかもしれない。

米共和党に対する影響
ケイトー研究所のリバタリアン主義は、共和党内にある保守主義の運動の流れに関連があると言われる。

影響を受けた有名な人物は、ロナルド・レーガン元大統領である。バンドウ氏は、レーガン政権では大統領特別補佐官として勤務していた。

レーガンを支持した保守層の源流となっている人物では、バリー・ゴールドウォーターが有名である。彼は1964年の大統領選で、共和党の正式候補者だった人物だ。ジョンソン民主党候補者に大敗して、大統領にはなれなかった。

トランプ大統領は、防衛費の分担金として、年間約80億ドル(約8500億円)の負担を求めていると、日本政府高官に伝えたという。トランプ大統領は、同じ共和党大統領として、レーガン大統領の流れをくんでいると言えるかもしれない。

日本に対して「第二次大戦なんて、とっくの昔に終わった。軍事はどうぞ自分のお金でやってください。軍事大国になっても構いません」と聞こえる意見を言うアメリカ人は、こういう思想的立ち位置にいるケースがあるのだと、覚えておいて損はないだろう。

どうする、日本人
日本の国防問題となると、「アメリカが憲法を押し付けたくせに」という日本人は、相当数いる。

しかし筆者は、もし日本の市民が憲法の改定を望み、民主的手続きを踏んだ決定をするのなら、アメリカが一丸となって国家権力でつぶしにかかることはないだろうと思っている。

戦後75年も経っているし、アメリカは民主主義国だからだ。

公にはなっていない秘密の軍事協定等はあるのかもしれないが、アメリカ内にだって様々な意見があるのだから、障壁はあったとしても外交努力で、日本市民の意志を実現できないことはないと思う。

論説の著者ダグ・バンドウ氏は、多数派日本人の「アメリカに軍事は任せておこう。寄らば大樹の陰だし、言うことを聞いてさえいれば、経済繁栄を享受できるんだから」という、心の底の本音を見抜いているようだ。

21世紀になり、平成時代も終わり令和となって、「アメリカが押し付けた憲法」と言うのは、思考停止ではないだろうか。

米中の緊張が高まる中、日本に最も迫られているのは、「自分の国の軍事をどうしたいか」という当たり前の問いなのではないだろうか。

追伸:韓国について
長くなったが、最後にこの論説の報道をした、韓国『中央日報』の記事に触れておきたい。

『中央日報』は、日本経済新聞と友好関係にある新聞社だと言えば、カラーが伝わるだろうか。

本記事の最初に述べたように、『もう日本との親善断つべき時』という誤解を招きそうなタイトルをつけながらも、なぜこの論説に注目したのだろうか。

言外に「韓国は同盟国なのに、名前すら出ていない」「アメリカの中に、日本が再度軍事大国化しても構わないという意見がある」ことを指摘しているのではないだろうか。

米中の緊張が高まる中、韓国人の間には、朝鮮半島が再度戦争の舞台になってしまうのではないかという、漠とした恐怖が現れ始めていると感じる。

その中で、常にアメリカに忠実な日本ですら友達を切られてしまうかもしれないのに、GSOMIA問題などでアメリカに反抗した韓国は一体どうなってしまうのか、論説では視界にすら入っていない、見放されてしまうのか、という恐怖があるのではないか。

さらにもう一つ重要なこと、それは隣国日本が、軍事大国になってしまうのではないかという恐怖である(このことは、最近の韓国の異常ともいえる反日を、一部説明してくれるかもしれない)。

筆者は、韓国人識者の「怖い」という思いが、この論説に注目させたのではないかと想像している。』

ロシア反体制派指導者が重体、毒盛られた可能性

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62857770Q0A820C2FF1000/

『【モスクワ=小川知世】ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が20日、西シベリアのオムスクで緊急搬送され、重体となっていることが分かった。病院がタス通信などに明らかにした。同氏の報道担当者は毒物を盛られた可能性があると主張している。

ナワリヌイ氏は飛行機で西シベリアのトムスクからモスクワに移動中に体調不良を訴えた。飛行機が途中で緊急着陸し、現在は意識不明で集中治療室(ICU)にいる。報道担当者は「お茶に毒物が混ぜられたと推測している」と指摘した。同氏は空港のカフェでお茶を飲んだという。

ナワリヌイ氏はプーチン政権の不正を追及する活動で知られる。反政権デモを呼びかけて、繰り返し治安当局に拘束されていた。2019年には拘束中のモスクワの拘置所で顔が腫れるなどして入院し、ナワリヌイ氏側は毒物を盛られた疑いがあると主張していた。

ロシアでは反体制派の活動家らが中毒症状を訴える事例が過去にも起きている。18年には英国で元ロシア情報機関職員のスクリパリ氏の毒殺未遂事件が発生。英国はロシアが関与した可能性が高いと非難したが、ロシアは一貫して否定した。

ナワリヌイ氏は9月13日の統一地方選に向けて、与党「統一ロシア」の候補者の当選を阻止するため、対立候補への投票を呼びかける運動を展開している。トムスクにもこの運動の一環で訪れていた。』

重体のロシア野党指導者、ドイツで治療へ NGOが航空機手配
https://www.afpbb.com/articles/-/3300285?cx_part=top_topstory&cx_position=2


『【8月21日 AFP】ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が何者かに毒を盛られたとみられ、意識不明の重体となっている問題で、ナワリヌイ氏をドイツの首都ベルリンの病院に搬送する救急輸送機が20日夜、同市を出発することになった。独NGOの代表がAFPに明らかにした。

 ナワリヌイ氏は現在、シベリア(Siberia)の病院で治療を受けている。輸送機を手配したNGOシネマ・フォー・ピース財団(Cinema for Peace Foundation)の創設者ヤカ・ビジル(Jaka Bizilj)氏によると、ナワリヌイ氏はベルリンのシャリテ大学病院(Charite University Hospital)に搬送される予定。

 同財団はこれまでもロシアの野党勢力を支援してきた。2018年には、ロシアのパンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」メンバーのピョートル・ベルジロフ(Pyotr Verzilov)さんが毒を盛られたとみられる事件でも、救急搬送を手配。ベルジロフさんはシャリテ大学病院での治療により容体が著しく回復し、およそ10日後に退院した。

 ロシアのドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、ナワリヌイ氏の「早急の回復」を願うと表明。ロシア政府は必要であればナワリヌイ氏の外国への搬送を支援するとした。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相とフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は20日に開いた共同記者会見で、ナワリヌイ氏の容体に懸念を示し、支援を申し出た。

 メルケル首相は、欧州各国首脳が事実関係について「説明を要求する」方針だと言明。「私が聞く限りでは(状況が)あまりはっきりしておらず、この毒物混入に関する状況はより明瞭にすべきだ」と述べた。(c)AFP』