http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/23286677.html
※「机上空間」さんのサイトからだ…。
TikTokの問題点を、抉って(えぐって)いると思うので、紹介しておく…。
『皆さんは、モバイル機器向けのアプリケーションTikTokをご存知だろうか。中国の企業ByteDance社が、世界に向けて提供しているアプリケーションで、簡単に言えば、動画投稿サイトのTwitter版です。投稿できる動画は、1分未満で、アプリケーションにBGMや簡単な編集機能があり、モバイル端末で撮った動画に、その場で編集を加えて、投稿できる手軽さが人気になっています。
中国国内ならず、世界中で人気で、そのユーザー数は、若者を中心に数億人と言われています。しかし、このアプリケーションは、スパイ機能が組み込まれている疑惑が持たれていて、インドでは全面的に禁止され、アメリカでも禁止の方向で議会が動いています。
実際に、このアプリケーションは、機能をフルに活用しようと思うと、GPSを通じて位置を特定される機能を許可する必要があり、クリップボードの中身を監視したり、アドレス帳や連絡先、写真、ムービーにアクセスしている事が確認されています。その目的は、ユーザーの嗜好を分析する為としています。TikTokの特徴は、AIを使って、利用者ごとに好みにあった動画を自動で提示する点にあって、その為の情報収集であるとしています。
個人を特定しない形での、こうした情報収集は、GoogleやFacebookでも行われていて、これ自体が大きな問題ではありません。問題は、中国の法律では、IT企業の収集したデータは、中国政府の命令があれば、共有しなければならない点にあります。つまり、中国のどの企業が集めたデータでも、政府が自由に利用できるわけです。
これに対して、TikTokは、海外向けの国際版のアプリケーションのデータは、東南アジアのサーバーにストックしていて、中国国内とは管理が別になっていると疑惑を否定していますが、今の時代は、物理的にデータがどこにあるかは、問題ではありません。どこからでもデータにアクセス可能だからです。
スパイ疑惑はともかく、勢いがあるサービスなので、このTikTokのアメリカ法人を、マイクロソフトが5兆円で買収する話が出ています。TikTok側もサービスの継続に暗雲が垂れ込めてきたので、買収に応じる意向を示していて、まもなくアメリカ政府の判断が出るはずです。
間接的な問題として、TikTokが、天安門事件や香港人権問題、ウイグル問題など中国に都合の悪い動画に対して、削除を行っているという事もあります。こういう中国にネガティブな情報に触れさせない事で、主な利用者である若年層に悪い印象を持たれないように洗脳しているとも言えます。都合の悪い歴史は、改変して無かった事にするのが、中国共産党の常套手段です。
そして、割と私が大きいと考えているのは、1分という短い時間で見栄えの良い動画を作る為に、他の完成したコンテンツから一部を拝借する著作権違反の巣窟になっている点です。主に音楽ですが、当たり前に横行しています。これは、著作権というものに対する意識を下げ、中国国内のように違法コピーが溢れかえっても、自分にとって都合が良ければ、そのほうが良いという社会を作る原因になりかねません。
初期のYoutubeなどにもいましたが、「訴えられないんだから、やっても問題ない」というトンデモ理論を真顔で語る動画投稿者が存在します。いちいち細かい著作権違反を訴えていたら、時間と費用がとられて、割に合わないから提訴されないだけなのですが、それを黙認されていると考える人たちです。実際、違法アップロードが数百本単位になると、見せしめで損害賠償請求付きで訴訟を起こされます。100%負けるので、間違っても問題が無いなどと考えない事です。
こういう著作権違反は、違反する側には利益になりますが、著作権所有者にとっては、コンテンツを制作した費用を回収できなくなったり、正当な利益が得られなくなるので、結局は創作文化が衰退する事になります。最終的には、著作権違反者も、引用できるコンテンツが無くなるわけです。
何よりも、「何をなしとげたかではなく、いくら儲けたか(得したか)で評価される」社会が、当たり前になると、文明の発展が止まるという事です。』
※ まさに、ここに問題の本質があると思われる…。
人は、「自分が欲しいと思っていた「情報」が提示されると、そこに「快」を感じる」…。
しかし、そういうことを実現するためには、「その人が、どんな「情報」を「快」と感じるのか」の元となる個人情報が、収集・蓄積されていないと、原理的に不可能だ…。
「欲しいと思っていた「情報」の提示」と、「個人情報」の提供は、バーターなのだが、そこを「情報を消費している人」は、気づいているのか…。
「快」を追求しているうちに、ドンドン先行き「恐ろしい事態」になり得ること、そこには「不幸のタネ」が仕込まれて行くことに気づいているのか…。
テクノロジーの進歩は、そういう「恐ろしいこと」を「人に気づかれずに」仕込むことを、可能にした…。
そういう「楽しければ、OKだろ?」「愉快だったら、OKだろ?」「固いこと、言うなよ」という「文化」が主流になれば、苦労して創作した「著作物」に対する「敬意」も薄れて、「まがい物」「似て非なるもの」が横行・氾濫する世界と成り下がる…。
それで、得したり、喜んだりするのは、「オリジナリティー」の才能が無い、「パクリ屋」「偽ブランド作り」のヤカラだけだ…。