「トランプがレース離脱」の噂にいら立つホワイトハウスの苦悩
斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20157
『今のところ、トランプ氏は「レース脱落」観測などについて、ツイート書き込み含め、珍しくコメントしていない。
しかし、今月2日付の「Vanity Fair」誌は、最近、大統領と言葉を交わした「共和党関係者たち」の話として、以下のように報じている:
「取り巻きたちによると、彼はかなり落ち込んだ状態であり(depressed and down in the dumps)、心ここにあらず、といっていい。政治的な袋小路にはまりこみ、そこから抜け出せずにぼやいている。先週も、親友のタッカー・カールソンに電話し『自分はどうすればいいんだ、どうすればいいんだ What do I do? What do I do?』と愚痴っていたという。共和党議員たちの間では、このままでは大統領選のみならず、上院選でも敗北しかねないとして、いつの時点で大統領と手を切るか、そのタイミングについて意見交換が始まっている。マコーネル院内総務の側近の一人は、レーバーデーあたりがひとつの目安になるだろうとしている」』
『これと関連し、8月24日から4日間にわたりフロリダ州ジャクソンビルで開催予定の共和党全国大会に、チャールズ・グラスリー、ラマー・アレキサンダー氏ら共和党重鎮上院議員5人が出席しないことが6日までに明らかになった。同大会では、全米から集まった共和党代議員1万人以上が一同に会し、トランプ氏を正式に共和党大統領候補として指名、最終日に再選に向けた「指名受諾演説」を口火に本格的な選挙戦を大々的にアピールすることになっていた。
しかし、大統領選最中の全国党大会に5人もの大物議員たちが欠席するのは、近年では両党通じ極めて異例の事態であり、大会ムードに水をさすことが懸念されるという。』
※ この話しが本当なら、非常にマズい事態となっている…。
コロナを契機に、アメリカは「漂流」し、世界は「液状化」して行くのか…。
こういう時こそ、しっかり舵取りしないとな…。
縦軸に「変わらないこと」「変わる可能性のあること」「変わる可能性が高いこと」をプロットし、横軸に「長期」「中期」「短期」の時間軸をプロットし、マトリックスを作って検討するか…。
あなたは、「アメリカの覇権」の要件を抽出し、その「要素間の重要度」を考量し、それが変わる可能性を考察したことがありますか?
パックス・ブリタニカ(英国による覇権)とパックス・アメリカーナ(米国による覇権)を比較し、その共通点と相違点を考察したことがありますか?
覇権国でない「周辺国」の生き残りの戦略は、そういう「考察」から生じます…。