とにかく今、韓国から目を離してはいけない…。

※ デイリー新潮、鈴置さんの記事だ…。随分とご無沙汰だったが、元気に活動なさっているようだ…。

※ いつもながら、参考になるんで、さわりの部分を貼っておく…。

『鈴置:その通りです。世界中の国が新型肺炎と戦っている時に、韓国だけは国民同士が戦っているのです。感染者と死亡者数が増えるほどに、政権側の旗色はどんどん悪くなっているのですが。

 追い詰められた文在寅政権は、キリスト教系新興宗教の新天地イエス教会が諸悪の根源だ、とキャンペーンを張る作戦に出ました。

 どこまで本当かは分かりませんが、政府は「新天地イエス教会の信者が中国・武漢でウイルスに感染して帰国、狭い空間に密集して座ってミサを行ったため感染が一気に広まった。政府が感染の拡大を防ぐために信者のリストを要求したが、新天地イエス教会は応じていない」との情報をメディアに流し続けています。

 これは一定程度、効果があると思います。新天地イエス教会は正統派のキリスト教――カトリックともプロテスタントとも激しく対立し、もともと強い警戒感を持たれていたからです。

 それに新天地イエス教会の指導者はキャラ立ちした人で、3月2日に実施したお詫びの会見で傲慢な態度も見せました。メディアは国民の反感を掻き立てる方向で報じました。

 ただ、保守系紙は同時に「政府の責任転嫁」も指摘しています。最大手紙、朝鮮日報は3月3日、社説「国民は新天地の責任、政府の責任すべてを知っている 防疫に集中せよ」(韓国語版)の結論部分で「国民は馬鹿ではない」と書きました。「つまらぬ世論操作などするな」とクギを刺したのです。』
『中国には報復しない韓国
――では、やはり「反日」でごまかすしかない……。

鈴置:ええ、そうなるかもしれません。ことに安倍政権が文在寅政権をさらなる窮地に追いやったからです。「票稼ぎの反日」ではなく、「本気の反日」となるでしょう。

 3月5日夜、日本政府は3月9日以降の中国と韓国からの入国者に、2週間の自己隔離を求める方針を発表しました。ビザ発給も制限しますから、中国人と韓国人に対する事実上の入国禁止措置です。

「発表前、日本は中国には知らせたが、韓国には何の事前通告もしなかった」と韓国では報じられました。日本に軽く見られたと感じた韓国人の怒りは文在寅政権に向かいました。

 この政権がもっと困惑したことは、日本が中国人も同時に事実上の入国禁止にしたことです。韓国政府は日本に対しては直ちに6日夜、報復措置として日本人の事実上の入国禁止を打ち出しました。

 しかし、中国人に対してはそうはできない。その結果、「中国の顔色ばかり見る文在寅」とのイメージがより鮮明になってしまった。

 韓国経済新聞は社説「相次ぐ奇襲入国制限…どうして韓国はこんな国になったのか」(3月6日、韓国語版)で、そこを突きました。翻訳します。

・(日本の入国規制に対し)即刻、青瓦台(大統領府)は「相互主義に立脚して日本に対応する」としたが、相互主義というなら(先に韓国からの入国規制を敷いていた)中国にまず、適応すべきだ。

 朝鮮日報の社説「日本は遅ればせの中国遮断、世界から孤立した我が国は日本にだけ憤怒」(3月7日、韓国語版)の最後の段落の書き出しが以下でした。

・中国経由の外国人を防げない国は今や、世界の重要国の中で韓国だけとなったと言って過言ではない。』
『――韓国も中国人の入国を阻止すればいいだけでは……。

鈴置:今になって中国人を阻止すると、「やるんだったらもっと早くすべきだった」との厳しい批判が巻き起こるのは確実です。朝鮮日報の社説は先回りしてそれを指摘しています。末尾を翻訳します。

・すでに感染者が6000人を超え、防いでも意味はない、との声も出る。いったいどうなっているのか。

 中国への門を開け続けても、今になってあわてて閉めても、文在寅政権に対する怒りは燃え上がります。この政権は「日本が掘った落とし穴にはめられた」と感じているでしょう。

――安倍政権はそこまで考えて「中韓からの入国制限」に動いたのでしょうか。

鈴置:そんな深い意図はないと思います。韓国で感染者が急増しているから韓国との門を閉めた。習近平国賓訪問が延期となったから中国との門を閉めた――に過ぎないでしょう。

 ただ、韓国人の受け止め方は異なります。思い出してください。今、この国では保守と左派が死闘を繰り広げているのです。窮地に追い詰められた左派政権の目には、日本が文在寅攻撃の材料を保守に送ったと映ります。』
『手負いの文在寅は何をするか分からない
「日本の入国禁止」を受け、3月6日朝に韓国外交部が記者クラブの記者にSNSで送ったコメントには「日本の措置には防疫以外の意図があると疑わざるをえない」とありました。

 聯合ニュースの「政府、日本の『入国拒否』に『底意』と疑う…日本人の訪韓を制限するか」(3月6日、韓国語版)などは、それを「日本の底意」と表現しました。

 韓国人が考える「日本の底意」にはいろいろな意味があるのでしょうが、「保守派と手を組んでの文在寅政権打倒」も含まれると思います。

 反日だけではありません。韓国の保守の間では、手負いの文在寅政権が何をしだすか分からない、との危惧が広がっています。それはいずれお話しますが、とにかく今、韓国から目を離してはいけないのです。』

※ 確か、4月15日が総選挙の日取りで、そこが政治的には一大決戦になるはずだ…。

※ このコロナ騒ぎへの対応が、厳しく判定されるだろう…。「本気の反日」とか、「日本が掘った落とし穴」とか、何を言っているのか、よく分からないな…。コロナの状況は、そういうことを言っていられるような状況じゃないだろう…。

※ 感染者数は、7000人を超え、死者数も、50人を超えた…。

※ 韓国の場合は、2月19日くらいまでは、ごく少ない数だったのが、22日あたりから爆発的に増加したのが特徴だ…。それを、「新天地イエスのせいだ!」と言っているようだ…。それでも、3月に入ってからは、減少傾向が出てきているんで、明るいデータだ…。

※ こっちは、日本のデータ…。日本の場合は、2月19日以前も、ポツポツ感染者が確認されていて、彼らは「日本に、勝った!」と大得意だったんだよ…。

※ ジョンズホプキンスのデータだ…。ありゃりゃ、死者数が増えているな…。韓国で、特筆すべきは、「回復者」数の少なさだ…。感染者が7513人もいるのに、「回復者」は、たった247人しかいない…。残りの7千数百人は、「闘病中」ということだ…。このうち、「重症者」がどれくらいなのかの内訳は、分からない…。しかし、相当に深刻な状況であることは、確かだろう…。

※ そういう状況であるにも関わらず、「政治闘争に明け暮れる」とか、オレには理解できんな…。