https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150604/283893/?P=2
引き続き、記述を傾聴しよう。
『このような「内海化」のもう一つの側面として重要になるのが、海上交通路(SLOCs:スロックスと読む)とチョークポイント(choke points)の確保である。
英国がシーパワーとして世界の海を管理できたのは、この海上交通路やチョークポイントにおいて覇権を握っていたことが大きい。日本も日露戦争でこの恩恵を受けた。ロシアのバルチック艦隊が日本に向かうのを、スエズ運河のようなチョークポイントや海上交通路で英国が妨害をしてくれたおかげで、日本海海戦(1905年)に快勝することができた。
米国も同様に、海上交通路やチョークポイントの確保に熱心だ。前述した米西戦争が起きた原因の一端は、カリブ海の海上交通路の確保にあった。米国は1914年、フランスが着工していた工事を譲り受けて、チョークポイントの典型であるパナマ運河を完成させている(ちなみにマハンはこの年に亡くなった)。
後に2つの世界大戦に参戦した米国は、まさに英国の海上交通路とチョークポイントを引き継ぐことで世界覇権を握ったことを忘れてはならない。
現在の主な海上交通路とチョークポイントは、米国が管理しており、それには当然ながらこの南シナ海も含まれる。ヒラリー・クリントン前国務長官が2010年のASEAN地域会合で「米国は航行の自由を守る」と宣言したのは、世界最大のシーパワー国家として、海上交通路(とチョークポイント)の覇権を確保する覚悟の表れであったと言える。』
ポイントは、以下のようなことだ。
1、7つの海を支配した英国は、チョークポイントを支配したことで覇権を握った。
2、その覇権を継いだ米国は、英国のチョークポイント支配を受け継いだ。
3、そして、現在も主なチョークポイントは、米国が管理している。
4、中国としては、米国の覇権に挑戦するためには、このチョークポイントの管理・支配に挑戦せざるを得ない、という話しになる。
世界の代表的なチョークポイントは、以下のようなものだ。
スエズ運河
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%82%BA%E9%81%8B%E6%B2%B3

パナマ運河
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%8A%E3%83%9E%E9%81%8B%E6%B2%B3


バシー海峡
https://maps.weblio.jp/content/%E3%83%90%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%B5%B7%E5%B3%A1

ここで重要なのは、「米国の管理」と言うが、別にその地点が米国の領土になっている訳ではない、という点だ。それぞれの地点は、それぞれ各国の領土となっている。
だからこそ、それらの地点が領土となっている国、さらにはその周辺国への影響力が重要になってくる、と言う話しになる。
スエズ運河におけるエジプト、イスラエル(さらには、その隣接国のレバノン、シリア、ヨルダン、サウジアラビアなんか)への影響力が重要だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/イスラエル

パナマにおける中南米の周辺国…。

バシー海峡における台湾、フィリピンとの関係…。逆に、中国とすれば、台湾を取らない限り、ここを封鎖される危険性がついて回るという話になる…。それで、必死でドゥテルテを取り込んだり、南沙を軍事拠点化したりしてる訳だ…。
マラッカ海峡におけるインドネシア、マレーシア、シンガポールとの関係…。
それで日本もせっせと「海上保安政策過程」なんかやってる訳だよ…。(海上保安政策過程)
ホルムズ海峡におけるオマーン、アラブ首長国連邦との関係…。しかし、ここは対岸に「イラン」が控えている。中東の石油を好きなように運搬したい勢力からは、目の上のたんこぶだろうな…、って話しだ。
バブエルマンデブ海峡においては、ジブチ共和国とイエメンだ。さらには、周辺国であるスーダン、エリトリア、エチオピア、ソマリア、南スーダンへの影響力と治安の確保が重要になる…。
そういう視点で眺めると、今まで見えていなかったものが見えてくるし、いろんな事の繋がりも見えてくる、って話しだよ…。




“『中国がかわしたい米国の“海峡封鎖”』 (その2)”. への1件のコメント
[…] 『中国がかわしたい米国の“海峡封鎖”』 (その2)https://http476386114.com/2018/09/01/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%8c%e3%81%8b%e3%82%8f%e3%81%97%e3%81%9f… […]
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