新「鉄のカーテン」下りた ロ外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070100271&g=int
『【モスクワAFP時事】ロシアのラブロフ外相は30日、ロシア軍のウクライナ侵攻後、新たな「鉄のカーテン」が欧米との間に既に下りていると述べた。ベラルーシのマケイ外相と会談後、記者団に語った。』
新「鉄のカーテン」下りた ロ外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070100271&g=int
『【モスクワAFP時事】ロシアのラブロフ外相は30日、ロシア軍のウクライナ侵攻後、新たな「鉄のカーテン」が欧米との間に既に下りていると述べた。ベラルーシのマケイ外相と会談後、記者団に語った。』
[FT]中南米を目指す「デジタルノマド」のロシア人
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB304N90Q2A630C2000000/
『南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのカフェテラス。スペイン語の広母音が飛び交う中で、子音の多いロシア語の話し声が耳になじむようになった。いま中南米が引きつけている新たな移住者たちの存在のしるしだ。
ロシアのウクライナ侵攻以来、ブエノスアイレスにはロシア系住民の姿が目立つようになった=ロイター
マックス・アルトゥシェンコフさん(39)は妻と生後3カ月の息子を連れて移住した。電子商取引(EC)のスタートアップ企業を経営している。「ブエノスアイレスでロシア人を見つけるのは難しいことじゃない」という。
ロシアがウクライナ侵攻を開始した2月以降に来た人たちについては、「たいていIT(情報技術)の仕事をする人か起業家だ。ビジネスを国際展開し始めた矢先にロシア国内で困難に直面した人が多い」という。ロシアに制裁措置が科され、銀行口座の開設から資金調達まで様々な面で事業活動に制約が生じた。
この数カ月の間に中南米へ移住したロシア人は数百人に上るとみられる。入国制限が緩和されたうえ、西側の制裁に一方的には賛同しない国民感情もあって、中南米がロシア人の移住先として魅力を増している。
ロシアからの移住者の数を正確につかむのは難しい。南米諸国のほとんどの移民統計でロシアは個別に扱われておらず、ロシア人は一般的に「その他の国々」に分類されているためだ。この件で、地域内のいくつかのロシア大使館にコメントを求めたが、返答はなかった。
だが、コロンビア西部カリにあるイセシ大学のウラジーミル・ルービンスキー教授によると、現地の状況を見れば、この移住の「新たな波」は否定するべくもないという。
航空券を買ってすんなり入れる唯一の大陸
同教授によれば、中南米は「ロシア人が航空券を買ってすんなり入れる唯一の大陸」で、現在カリ市内に100人程度のロシア人が在住しているとみられる。自身もロシア出身でコロンビア在住歴20年以上になるが、最初にロシアからの移住者の増加に気づいたのは2020年だという。ロシアでプーチン大統領の任期延長と警察による抗議デモ弾圧の強化を認める法律が矢継ぎ早に成立した後のことだった。
ロシア人が査証(ビザ)なしで入国できるのはメキシコと南米の全12カ国。大半の国では、90日とされる滞在期間は容易に延長できる。また、ロシア人は総じて中南米社会を自由で多様性に富み、民主的だと捉えている。
他の多くの発展途上地域と同様に、中南米のロシアのウクライナ侵攻に対する受け止め方は、米欧に比べて賛否が入り交じっている。中南米の一部指導者は、広範な経済制裁がロシアの国民に不当な苦境をもたらしていると批判している。
キューバとベネズエラでは、かつて米国が体制変更を後押しするために課した禁輸措置で国内に痛手が広がった。この件が中南米の人たちの心に重くのしかかっている。この地域の指導者たちは、ロシアとウクライナの紛争を解決する手段として多国間協議を支持している。
また、ロシアは、アルゼンチンやブラジルなど南米の農業大国への肥料の重要な供給元でもある。ウクライナ侵攻の直前にアルゼンチンの大統領はロシアに対し、南米で地歩を拡大するための「入り口」として活用してほしいと公然と申し出た。
歴史を振り返れば先例もある。19世紀末には、アルゼンチンは中南米への最初のロシア移民の一部を積極的に受け入れた。1945年の第2次世界大戦終結後、そして91年のソ連崩壊後にも移民の波が到来した。
高いIT技術者のニーズ
昨今の移住者は医師やソフトウエア技術者、(デジタル機器を使って様々な場所で働く)デジタルノマド、建設労働者など「非常に多様」だとルービンスキー教授は言う。大半はロシアの大都市から来る。「旅慣れた人たちだ。オリガルヒ(新興財閥)や富裕層ではなく、ほとんど二重国籍を持っていない」
コロンビアの首都ボゴタでは、2月にモスクワを離れた30歳の女性(匿名希望)の話を聞いた。写真関係の仕事を探しているという。その北のメキシコシティで取材したコンスタンティン・ロドチェンコさん(42)は、7週間前に移ってきたが、市中心部のメインストリート、レフォルマ通り沿いにあるシェアオフィスですでに30人ほどのロシア人に出会ったと語った。
スタートアップ企業にとっては「中南米は信じられないほど魅力的だ」と、ソフトウエア・コンサルティング会社ロイヤルミーを経営するロドチェンコさんは言う。「粗削りで将来が見通せない状況が、私たちが本国(ロシア)でなじんだ環境に似ている。ビジネスチャンスがある」。技術開発のレベルはロシアより数年遅れているため、エンジニアは引く手あまただという。中南米はソフトウエアの大市場であり、ソーシャルメディアの普及率も高い。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで投資会社を経営するアレクセイ・ソロビヨフ氏は3月以降、南米への移転や事業進出を考えるロシア人起業家たちから40件の出資要請を受けているという。
「これから起業しようとする人たちではない。すでに事業が軌道に乗り、持続可能な状態にある企業の経営者たちが、中南米に商機を見て出資を求めている」とモスクワ出身のソロビヨフ氏は話した。「ロシアのIT拠点がここに生まれつつあることがわかる」
By Lucinda Elliott
(2022年6月25日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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ロシア、北欧のNATO加盟に反発 プーチン氏誤算か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR297T10Z20C22A6000000/
1『【マドリード=白石透冴】フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟する見通しになった。ロシアのリャブコフ外務次官は29日「拡大はNATO自らの安全保障の強化をもたらさず事態を不安定化する」と反発を示した。
メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は28日、ロシア紙に対し「バルト海地域の非核化の地位は過去のものとなる」と述べた。軍事専門家らは、ロシアがバルト海に面した飛び地カリーニングラードやベラルーシに核兵器を配備する可能性を指摘している。
北大西洋条約は集団的自衛権を定め、加盟国に攻撃があればNATO全体で対応する。ロシアは自国への脅威と見なし、東方拡大を常にけん制してきた。
プーチン大統領はウクライナ侵攻開始当日の2月24日、テレビ演説で「NATOの継続的な拡大はロシアの生死にかかわる脅威だ」と述べた。5月にはニーニスト・フィンランド大統領との電話協議で同国の加盟方針は「誤りだ」と直接伝えていた。
だが、侵攻が北欧2カ国に歴史ある中立政策からの転換を決断させた。プーチン氏にとっては誤算だった可能性がある。
機能不全が指摘されたNATOも、危機意識の高まりで抑止力強化に向けた結束が一段と強まっている。』
ロシアはもう敗れている イアン・ブレマー氏
米ユーラシア・グループ社長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD094MB0Z00C22A6000000/
『ロシアはウクライナ、特に東部ドンバス地方で前進し続けている。ゼレンスキー政権を倒して全土を制圧できるほどロシア軍は強くないが、ウクライナ側にロシアの支配地域から軍を追い出す力はないと確信し、侵攻に伴う世界の食料や燃料の高騰が、ウクライナ支援を続ける西側諸国の決意を試すことになるとも認識している。
Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。52歳。ツイッター@ianbremmer
だが長期的に見てロシアは既にこの戦争に負けている。プーチン氏の侵略の判断は、大国の首脳が犯したここ数十年で最大の失敗の一つとして記憶されるだろう。
プーチン氏はこの侵攻で何を達成したかったのか。
侵攻の目的はウクライナの「非ナチ化と非武装化」だと主張する。非ナチ化でロシアより欧州との関係強化を目指すウクライナの政権排除を狙い、非軍事化でウクライナが将来ロシアの支配に対抗する力を奪おうとした。
野望はウクライナだけにとどまらなかった。ロシアは大国として扱われなくてはならないと欧米に思い知らせようとし、西側の主要国が一枚岩でないとあらわにしたかった。2014年のクリミア併合時のように、ロシア国内での支持率上昇も狙っていた。
では実際に何を達成したのか。
ロシアは武力とその動機についてウソを重ねて、国境線を引き直そうとする、妄想に満ちた危険な大国であることをさらけ出した。ウクライナ市民が戦いをいとわない理由や、露骨な大規模侵略への西側の反応をプーチン氏が全く理解していないことも示した。
自国軍にも数十年に及ぶ打撃を与えた。侵攻開始から100日間のロシア兵の戦死者は、10年に及んだアフガニスタン侵攻での旧ソ連軍の死者数を上回り、戦車などの重火器を大量に失い、砲弾の供給も減った。米国の重要部材の対ロ輸出規制で、補給は一段と悪化するだろう。粗悪な装備で作戦が思うようにいかず、部隊の士気にも大きなダメージを与えた。
プーチン氏は欧米に冷戦終結以降にはなかった共通の目的意識を持たせ、多くの欧州市民に米国の支援の重要性を認識させ、彼らが西側の価値観を守るためなら犠牲も辞さないと米国民に示した。さらにフィンランドとスウェーデンに北大西洋条約機構(NATO)の中にいる方が安全だと思わせてロシアとNATOの境界線を2倍に延ばした。欧州連合(EU)に懐疑的なデンマークでさえ、今や有権者の3分の2がEUとの防衛関係強化に賛成票を投じている。
プーチン氏は自国経済に制裁を負わせ、それはプーチン氏が権力の座にある限り解除されないだろう。ロシアの製造業には予備部品が長期間不足する事態も引き起こした。迫る国際社会での孤立への国民の不満や、プーチン氏が指揮を誤ったと感じている批判に我が身をさらした。
EUにはロシアからのエネルギー輸入の大幅削減もやむなしと思わせ、欧州各国の首脳に防衛費を大幅に増やす必要性も示した。大量のロシア産エネルギーを欧州からアジアに転じるには、多くの時間と費用がかかるだろう。しかもロシアのエネルギーや農産品の積極的な買い手は減っており、安く売らざるをえない。
これら全てと引き換えに、プーチン氏はドンバス地方とクリミアとがつながる黒海沿岸地域を制圧できるかもしれない。
もちろん、ロシアは完全には孤立しない。米国の方が世界の平和と繁栄への脅威だとの考えは、世界各地にある。安いロシアの農産品やエネルギー、武器を買い続ける政府も少なくないだろう。
だがロシアにとって最悪なのは、この自業自得の状況が少なくともプーチン氏が政権にとどまる限り続く点だ。戦争は長期化の可能性があるが、プーチン氏は既に負けているのだ。
大きい侵攻の代償
モスクワでは撤退した米マクドナルドの事業を継いだロシアのハンバーガーチェーン店が開店し、大繁盛しているという。通貨ルーブルはウクライナ侵攻直後に暴落したものの、政府の通貨防衛策が効き、侵攻前の水準を回復した。プーチン大統領は先のサンクトペテルブルクでの国際経済フォーラムで「我々は一歩ずつ、経済を正常化している」と豪語した。
日米欧が次々と厳しい対ロ制裁を発動し、西側の主要企業が相次ぎ撤退・事業縮小しているのに、一見するとロシア経済にさしたる打撃を与えていないような印象を受ける。だが、かつてロシアの輸出の約半分を占めていた欧州との関係悪化、とりわけロシア産エネルギーの大幅な調達削減の影響はじわじわと広がってくるだろう。
安全保障面でもロシアと長い国境を接するフィンランド、軍事強国のスウェーデンがNATOに加盟すれば、ロシアが受ける脅威は格段に増す。ブレマー氏が指摘する様々な「自業自得の状況」がプーチン政権下で続けば、ウクライナ侵攻の代償は限りなく大きくなる。(編集委員 池田元博)』
[FT]NATO、ロシア抑止で冷戦期のドクトリン復活
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010X40R00C22A7000000/
『ロシアの本格的なウクライナ侵攻を受け、欧州の防衛を支える基盤は北大西洋条約機構(NATO)であることが再確認され、NATO首脳は冷戦期のドクトリンが復活する今、ロシアにいかに立ち向かうか再考を迫られた。
6月29日、マドリードのプラド美術館での夕食会に出席したNATO加盟国首脳ら=ロイター
NATO首脳会議で発表された宣言は4つのポイントからなる。①有事の際に即応できる部隊の7倍への増員を目指す②NATOの東方前線で初めて米軍の常設司令部を設ける③フィンランドとスウェーデンの加盟を認める④今後10年の指針となる新「戦略概念」ではロシアとの連携という幻想を捨てる。NATOで重視すべき点が本質的に絞り込まれた格好だ。
NATO首脳宣言は、「我々は共同軍事訓練を強化して高強度のマルチドメイン(多領域横断)作戦への準備を整えるとともに、短期間での加盟国への増援体制を強化する」と表明した。「これにより、敵の目的遂行を阻みNATOの領土への侵攻を食い止める」という。
一方、NATOは2014年のロシアによるクリミア半島併合後に「トリップワイヤ」(仕掛け線)と呼ばれる戦略を採用し、ロシアを刺激せずに小規模戦隊をNATOの東方前線に事前設置し、NATO軍の本格参戦の導火線とする方針を取っていたが、これは破棄された。
英国王立防衛安全保障研究所のマルコム・チャルマーズ副所長は、NATOが「冷戦時代の任務に戻り」、最大の目的として「ロシアの抑止力となること」を掲げていると語った。
エストニアのカラス首相は先週、NATOが東欧の新規加盟国の防衛を大幅に増強しない限り、エストニアはロシアの攻撃を受けて「地図から抹消される」と述べ、新たに浮上している防衛上の課題を生々しく訴えていた。
「すぐさま準備開始を」
同氏は6月29日、スペインのマドリードで開かれていたNATO首脳会議を受け、 防衛体制の「抜本的な変更」を称賛し、ツイッターに現地から「我々はNATOの新たな前線防衛体制について合意した。これにより、敵にいかなる侵攻の機会も与えなくする」と投稿した。「この政治的総意を現実のものにすべく、すぐさま準備を始めなければならない」
NATO元事務次長のローズ・ゴッテモラー 氏は、NATOが「有事の際の即応体制を大幅に刷新」することで合意したと語った。
「ロシアを抑止するために、より効率的で効果の高い方法が必要だ。それは領土を守る準備と戦力を初動から備えることに他ならない」
事前配置する戦闘部隊の増強も1つの手段だ。米国はルーマニアに5000人、英国はエストニアに1000人の兵士を追加派遣すると表明している。だが、ゴッテモラー氏によると、最大の変化はNATOが即応部隊の大幅増員を約束したことだという。各国部隊を適した地点、適した任務に配備するプランニングが進んでいることにもそれが表れている。
6月30日、円卓会議に出席したストルテンベルグNATO事務総長(前列左)=ロイター
有事の際に30日以内に出動できる即応部隊を30万人に増員する計画は冷戦時代のドクトリン復活を意味し、軍司令官は特定地域で敵から受けた攻撃を想定し、具体的にどの部隊や兵器を使って応戦していくか詳細な計画を用意する必要がある。そうした即応体制を支援するのは米国がポーランドに設置する常設司令部であり、NATOが加盟国から部隊派遣の約束を取りまとめたうえで23年に設置される予定だ。
歴代の米政権に対し部隊の国内常設を求め続けていたポーランド政府にとって、常設司令部の設置は見事な作戦だ。
ポーランドのドゥダ大統領は「このニュースを長年待ちわびていた。今日の厳しい状況にあって、わが国の安全保障が大幅に強化される」と歓迎した。
ポーランドやバルト諸国では長年、NATOは東欧の防衛強化でさらなる努力が必要との意見が根強く、今回の軍司令部新設はそうした声を強めると専門家はみる。
米シンクタンク大西洋評議会のシニアフェロー、レイチェル・リゾ氏は「米国は欧州の同盟国とともに、NATOの東欧加盟国の懸念を払拭する方策を懸命に探り当てようとしている。同時に、東欧における前線配備と抑止策を強固にしてプーチン(ロシア大統領)を十分かつ確実に思いとどまらせようともしている」と話す。
30万人の即応部隊を実現させるうえで、大規模な戦闘部隊を配備するよりも、永続的にプランニング、訓練、命令指揮機能を与える米国の常設司令部が重要になるとゴッテモラー氏は言う。
米高官はこうした理由から、NATOとロシアが1997年に旧共産圏の国々に常設部隊を設置しないとした合意の違反にはならないと述べた。同様に、米国および同盟国がルーマニアやバルト諸国に設置する部隊は巡回式であり常設部隊ではないという。
米国はスペイン南部ロタの海軍基地に駆逐艦2隻を追加配備して地中海でのプレゼンスを強化するほか、戦闘機F35の飛行隊2部隊を英国に追加派遣して欧州北部の哨戒、防衛、抑止に当たらせる計画だ。
在欧米陸軍司令官だったベン・ホッジ氏はバイデン米大統領の6月29日の発表を受け、欧州の駐留米軍は10万~12万人規模になると述べた。
第2次世界大戦後、欧州の駐留米軍の規模が最大になったのは約30万人を記録した冷戦時代だ。
欧州駐留米軍、大幅増強に
ホッジ氏は「冷戦時代に必要だった規模は不要だが、コミットメントの姿勢を示すことと実際に能力を備えることが重要だ。特に防空・ミサイル防衛体制、軍司令部、兵たんといった能力は非常に重要になる」と言う。「これは大幅な兵力増強だ、しかも強力な武器になる」
ウォレス英国防相は米国の派兵は「トリップワイヤからもっと的を絞った防衛体制に移行しても、引き続き同盟国に安心してもらうために欧州駐留米軍を増強する」意志が米国にあることを示していると述べた。
しかしNATOが今週、首脳会議に合わせて即応部隊の30万人への増強を大々的に発表したとはいえ、NATO高官は増強計画がまだ概念的なものにすぎず、実際の構成や規模は加盟国が軍隊派遣を正式に約束するまで不透明なままだと認めた。
NATOの欧州連合軍最高司令官がロシア抑止やロシアの侵攻に対する応戦を念頭に計画を作成し、各国の軍事資産を配分するのは、加盟国が正式に合意してからのことになる。
英国王立防衛安全保障研究所のチャルマーズ氏は、各加盟国政府が部隊派遣と予算拠出を実行することが必要になると指摘し、「全面的に即応可能な部隊ができるまで数年かかるだろう」と述べた。
ゴッテモラー氏はロシアがクリミアに侵攻した14年にNATOが即応体制を確立し、東方前線に軍を早期配備できたことに言及し、NATOは必要に迫られれば迅速に動くと述べた。
「今やNATOは火をたきつけられている」
By Ben Hall, Henry Foy and Felicia Schwartz
(2022年6月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
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集合住宅にミサイル、10人死亡 ウクライナ南部
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB012VR0R00C22A7000000/
『ウクライナ南部の港湾都市オデッサで1日、9階建ての集合住宅にロシア軍のミサイルが着弾し、地元当局者は通信アプリ「テレグラム」への投稿で「少なくとも10人が死亡した」と明らかにした。ただ、ロイター通信は正確な犠牲者数を確認していない。
同当局者は国営テレビに、攻撃によって建物の1区画が破壊され、子供3人を含む7人が負傷したと語った。数人が依然としてがれきの下敷きになっており、救助活動が続いているという。これとは別に研修施設にもミサイルが撃ち込まれ、数人が負傷した。
ウクライナでは6月27日、中部クレメンチュクの大型商業施設にもロシア軍がミサイル攻撃を加え、多数の死傷者が出た。ゼレンスキー大統領は「意図的なテロ攻撃」だと非難したが、ロシアは商業施設に隣接する武器貯蔵庫を攻撃したと反論。ウクライナ側の主張を否定している。(ロイター時事)』
多国間軍事演習「リムパック」開始 台湾は不参加
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300CH0Q2A630C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米海軍主催の多国間海上訓練「環太平洋合同演習(リムパック)」が29日、ハワイ沖などで始まった。8月4日までの予定。日本やオーストラリア、英国など26カ国が参加し、米国は各国と連携して中国の脅威に対処する姿勢を打ち出す。台湾は参加しない。
米海軍によると、日米豪英やインド、フィリピン、タイ、トンガなど26カ国から38隻の艦船や170機以上の航空機が参加し、約2万5000人が訓練する。リムパックは2年に1度開く。2020年は新型コロナウイルスの影響で10カ国、5300人の参加にとどまった。
米議会は22会計年度(21年10月~22年9月)の国防権限法でバイデン政権に対し、台湾をリムパックに招待するよう促していた。だが、見送った可能性が高い。準備期間が短く参加は難しいとの見方が当初から多かった。米国は台湾が参加すれば中国との対立を懸念する東南アジア諸国などが参加を見送る公算も考慮したとみられる。
リムパックでは実戦を想定し、対潜水艦や防空、砲撃、ミサイル発射などの訓練を実施する。海軍は声明で「シーレーン(海上交通路)の安全や世界でつながる海の安全保障の確保に向けて重要な協調関係を育成し、維持するための独特な訓練の機会を提供する」と説明した。
米海軍協会によると、豪州はフリゲート艦「ワラムンガ」、日本は護衛艦「いずも」、カナダはフリゲート艦「バンクーバー」などをそれぞれ派遣する。
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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN300CH0Q2A630C2000000&n_cid=DSPRM1AR08 』
トルコ、北欧2国NATO加盟で実利 米はF16配備支援も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR302200Q2A630C2000000/
『北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で6月29日、合意したスウェーデン、フィンランドの新規加盟を巡っては、最後に賛成に転じたトルコの動きが鍵となった。5月に2国が加盟の意向を表明するとメンバー国としての拒否権をてこに、加盟実現を急ぎたい両国に加え、米国からもF16戦闘機売却などの実利をたくみに引き出した。
「マドリードの勝利」。トルコの親政権紙サバハはスペインのマドリードで北欧2国と結んだ合意をこう評した。北欧2国の新規加盟で合意したNATO首脳会議に先立ち、トルコと2国が28日に結んだ覚書では、2国によるトルコへの武器輸出制限の解除、トルコがテロ組織として敵視するクルド系組織への支援停止のほか、合意の履行状況を監視する枠組みの設立など同国の要求が盛り込まれた。
2国のNATOへの新規加盟にはすべてのメンバー国の同意が必要で、エルドアン大統領はこの拒否権をちらつかせて関係国から最大限の実利を引き出す戦略を立てていたようだ。「前向きに考えていない」。エルドアン氏は5月13日、2国が表明した加盟申請に対して突如、異論を唱えた。
フィンランドのニーニスト大統領によると、4月時点の電話協議ではエルドアン氏も加盟支持を口にしていたといい、欧米諸国は慌てた。その後6週間の交渉で、欧米諸国はトルコへの譲歩を繰り返した。
バイデン米大統領は自身の就任前、「独裁者」と批判したこともあるエルドアン氏との対話に消極的で、これまで互いの訪問はなく、国際会議の場での首脳会談や電話も数えるほどだった。それがマドリード合意直前にはエルドアン氏に電話して北欧2国との妥協を促し、現地での米トルコ首脳会談の開催で合意した。
NATO首脳会議の直前から米政府はバイデン氏とエルドアン氏が直接話すタイミングを探っていたフシがある。米政府高官は、バイデン氏が28日にスペインを訪れる直前までスウェーデン、フィンランドのNATO加盟問題でトルコを含む3カ国と「積極的に関わり続けている」と語っていた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)やブリンケン国務長官らもトルコ高官と水面下で断続的に協議し、29日の会談につながった。米高官は「(米国は)トルコに譲歩しなかった」と話すが、バイデン氏は30日のNATO首脳会議後の記者会見で、F16戦闘機について「売却すべきだ」と述べた。
バイデン氏は米議会の承認が必要だとしたうえで「(承認は)得られるだろう」と述べた。伝統的にトルコ不信が強い米議会からも「支持する」(共和党のリンゼー・グラム上院議員)との声が上がった。
トルコのシンクタンク、EDAMのシナン・ユルゲン氏は「バイデン氏とエルドアン氏との会談が実現したこと自体が収穫だった」と説明する。
北欧2国の加盟を巡る駆け引きはいったん決着したが、火種はなおくすぶる。トルコのボズダー法相は29日、33人のクルド系活動家らを引き渡すよう改めて主張した。
人権国家を掲げる北欧2国にとって、司法の運用が不透明なトルコに活動家らを引き渡すのは要求事項の中でももっともハードルが高い。スウェーデンのアンデション首相は29日、「我々は当然スウェーデン法と国際法に従う。テロ活動に従事していない人が(引き渡しを)心配する必要はない」と述べた。
2国の加盟の実現には今後、詳細を定めた文書に全加盟国が批准する必要がある。トルコは2国に引き渡しを求めて圧力をかけ続けるとみられ、批准の段階で再び問題化する可能性は残る。(木寺もも子)
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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGR302200Q2A630C2000000&n_cid=DSPRM1AR08 』
米政権「50年脱炭素」に打撃 発電所規制、司法が制限
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28E6U0Y2A620C2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】発電所の温暖化ガス排出を巡り、米連邦最高裁が連邦政府の規制権限を抑制した判断は、脱炭素を国内外に公約したバイデン政権に打撃となる。2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標は、発電部門の排出削減が前提だからだ。与野党の対立が激しい議会で、規制強化の機運は乏しい。
最高裁では「大気浄化法」を使って、政府が発電所の排出規制を進められるかが争われた。同法が成立した1970年当時の焦点は大気汚染だ。最高裁の判断は地球温暖化が大きな問題になった現代にあわせて、新たな法律をつくるよう促す意味がある。
連邦政府の規制権限を巡っては長年、議論が続いてきた。民主党のオバマ政権は15年、大気浄化法のもと火力発電所の温暖化ガス排出を減らす「クリーンパワープラン」を策定し、各州に二酸化炭素(CO2)の排出計画を出すことなどを要請。最高裁は16年、一時差し止めの判断を示した。
今回、ロバーツ最高裁長官は意見書で、火力発電所の排出を減らす規制をかけるためには議会が法律をつくるか、政府に規制権限を明確に与える必要があると指摘した。
だが実現のハードルは極めて高い。共和党地盤の州は石炭など化石燃料の産業に依存しているところが多く、規制強化に否定的だからだ。
脱炭素に積極的な民主党ですら意見統一は難しい。政権は21年、脱炭素や子育て支援が柱の大型歳出法案で、石炭や天然ガスから再生可能エネルギーへの移行に取り組む電力会社を資金支援し、そうでない電力会社に罰金を科す「アメとムチ」の制度を検討した。
だが石炭産地の南部ウェストバージニア州出身のマンチン上院議員(民主)が反対し、政権の制度が法案から削られた。同州は今回の訴訟の原告でもある。法案には再生エネ投資への税額控除など他の脱炭素政策は残ったが、現在では宙に浮いたままだ。
バイデン政権は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰し、50年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げた。35年までに発電部門の実質ゼロをめざすが、規制が進まなければ目標達成は一段と難しくなる。米国の指導力低下は避けられない。
米国では温暖化ガス排出量の25%を発電部門が占める。米エネルギー情報局(EIA)によると、21年の発電量のうち22%を石炭、38%を天然ガスに頼っている。気候変動対策を進めるには化石燃料を使う発電所の見直しが欠かせない。
ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が上昇するなか、米国も一時的に化石燃料の活用にカジを切っており、脱炭素政策を進めにくくなっている。最高裁の判断を受けて、米国の温暖化ガス排出削減への道のりはさらに険しくなる。
保守派の判事が多数派を占める現在の最高裁は、リベラル派が推す中絶権利の保護や、銃規制の強化などの政策に相次いで否定的な判断を示している。』
米国、ロシア財閥の信託凍結 1360億円資産隠し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN010B90R00C22A7000000/
『【ワシントン=共同】米財務省は6月30日、米国の制裁対象となっているロシア新興財閥オリガルヒのスレイマン・ケリモフ氏の資産を隠しているとして、東部デラウェア州に拠点がある信託会社の保有財産10億ドル(約1360億円)超相当を凍結したと発表した。
ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領を支えるオリガルヒへの制裁の一環。親族や米国内外の会社を絡めた不透明な資産運用が発覚したとしている。
イエレン米財務長官は声明で「ロシアの戦争に資金を提供し、その恩恵を受ける人々に対する制裁を積極的に実行していく」と強調した。』