カテゴリー: 米国、関連
-
ウクライナはどうやって国境から660km離れた飛行場のバックファイアーを破壊したのか?
https://st2019.site/?p=21402『『Defense Express』の2023-8-21記事「Tu-22M3 Lost Because of All Airfield Security Personnel Sent to Frontline, russian Sources Say」。
ウクライナはどうやって国境から660km離れた飛行場のバックファイアーを破壊したのか?
ロシア国防省によれば、爆装マルチコプターが、飛行場のすぐ近くから飛ばされたらしい。潜入挺進破壊作戦だ。
あるロシア人の軍事ブロガー氏いわく。前線に兵隊が動員されて、航空基地の警備が手薄になっていたので、防げなかった。 』
-
用兵見直しのケース (Marine Corps Gazette)
https://milterm.com/archives/3327『8月18日投稿の「機動戦を放棄する (Marine Corps Gazette)」に続いて、MCDP 1を見直すことへの意見を述べた記事を紹介する。
この論稿はmaneuver warfare全般、特に「Warfighting」の推進派と懐疑派の両方のインタビューにも触れており、米海兵隊員の意見が反映されたものになっている。(軍治)』
『用兵見直しのケース将来の部隊のためのドクトリンの近代化
The Case for Revising Warfighting
Modernize doctrine for the future force
by Col Brian Greene & Maj Robert Malcolm
Marine Corps Gazette ? September 2023
グリーン(Greene)米海兵隊大佐は歩兵将校であり、現在は米海兵隊戦術作戦グループの指揮官である。
マルコム(Malcolm)米海兵隊少佐は歩兵将校であり、現在第8海兵連隊第2大隊で作戦将校を務めている。彼は以前、米海兵隊戦術作戦グループの先進機動戦課程を担当する将校を務めていた。
「技術的、社会的、地政学的な変化の圧力の下で、戦いの性質が常にそうであるように進化し続ける中で、我々は、我々の用兵哲学を形成したときに当然と考えることができた前提を再検討し、我々の「共通言語(common language)」が時代に合ったものであり続けるように、軍団全体でそれらの考えを明確かつ包括的に伝達する必要に迫られるかもしれない」[1]
第38代米海兵隊総司令官 デビッド・バーガー(David Berger)米海兵隊大将
2022年、米海兵隊戦術作戦グループは、公式ポッドキャスト用に機動戦(maneuver warfare)をテーマとしたいくつかのインタビューを収録した。これらのインタビューのゲストには、機動戦(maneuver warfare)全般、特に「用兵(Warfighting)」の推進派と懐疑派の両方が含まれていた。
これらのインタビューで「用兵(Warfighting)」に向けられた批判の中で、本稿の目的上、注目に値するものがいくつかある。
懸念される問題のひとつは、機動戦(maneuver warfare)と消耗戦(attrition warfare)を表現する言葉である。「用兵(Warfighting)」は、あらゆる状況において機動戦(maneuver warfare)を道徳的に必須である(ひいては消耗戦(attrition warfare)を道徳的に欠陥がある)と提唱しているように解釈されやすい。
「用兵(Warfighting)」は、「純粋な消耗戦(attrition warfare)は実際には存在しない」「火力と消耗は機動に不可欠な要素である」と述べているが、その一方で、機動戦論者(maneuverist)と消耗戦論者(attritionist)という用語も紹介している。後者が前者より劣っていることは明らかだ[2]。こうして機動戦(maneuver warfare)と消耗戦(attrition warfare)に付けられた意味合いは、「用兵(Warfighting)」の最も明白で永続的な遺産の一つである。
もうひとつの懸念は、「用兵(Warfighting)」では、「敵が対処できないような激動的で急速に悪化する状況を作り出す、迅速かつ集中的で予想外のさまざまな行動を通じて、敵の結束を打ち砕くことを目指す」[3]べき時期やレベルを区別していないことだ。
敵のシステムを崩壊させることは、いつでもどこでも達成できるわけではない。しかも、ある部隊、ある場所、ある時間に敵のシステムを崩壊させることは、実際には上層部の意図を達成することにはならないかもしれない。実際、あるレベルでそうすることが、より大きな作戦の狙いや戦略的到達目標にとって、かえって有害であった歴史上の例がある[4]。
「用兵(Warfighting)」の著者であるジョン・シュミット(John Schmitt)も、こうした批判に同意していた。実際、我々の会話で最も驚いたのは、彼が多くの批判者が思っているようなこと、つまり、単に正しい決定的な脆弱性(critical vulnerability)を見つけ出してそれを突けば、システミックな崩壊は簡単に達成できるということを、彼はまったく信じていないということだった。
それどころか、シュミット(Schmitt)は重心(center of gravity)や決定的な脆弱性(critical vulnerability)を 「正しく(correct)」理解することは不可能だと考えている。重心分析の価値は、正確な正解を得ることではなく、議論から導き出されるシステムとしての敵の共有された理解にある。
シュミット(Schmitt)は、システミック・ディスラプション(システミック崩壊(systemic collapse)よりも彼が好むレッテル)という敗北メカニズムは、ほとんどの場合達成できない可能性が高い、熱望的な目標であると述べている[5]。 彼はまた、敗北メカニズムの概念に関する議論を含めることで、「用兵(Warfighting)」を改善できると信じていると過去に述べている[6]。
興味深いことに、批評家も賛成派も一致していたのは、米海兵隊は「用兵(Warfighting)」の改訂に慎重を期すべきだということだった。批判はあっても、ゲストは皆、この本が自分たちの人生やキャリアにどれほど大きな影響を与えたかをすぐに指摘し、大方の評価では成功した定式化に手を加えないよう忠告した。シュミット(Schmitt)が言うように、「FMFM1は瓶の中の稲妻を捕まえたのだ。また同じことができると期待するのは非現実的だ」
米海兵隊の用兵哲学は技術に左右されるものではないが、過去30年間の技術の進歩を無視することはできない。Hero-400は、米海兵隊が特定のミッションセットに組み込み始めている徘徊弾薬ドローン(loitering munition drone)。
(写真:ダニエル・チャイルズ(Daniel Childs)米海兵隊上等兵)
とはいえ、いくつかの理由から、今こそ我々の基本ドクトリンの出版物を更新する時だと感じている。
明白なことは、前回の改訂から25年の間に多くのことが起こったということである。
「用兵(Warfighting)」に代表されるようなドクトリンは、天候ではなく気候とともに変化すべきであると我々は考えているが、世界的な対テロ戦争の時代、それに続く大国間競争の復活、そして「フォース・デザイン2030(Force Design 2030)」で想定されている変化は、かなりの気候の変化を意味しているように思われる。
現在の戦略的文脈は、1989 年や 1997 年のそれとは大きく異なっている。「用兵(Warfighting)」では、海軍(naval)や統合(joint)という用語は顕著に見られなくなったが、今日の状況では、適切な存在であるためには、統合部隊と一体化し、統合部隊に価値を提供しなければならないという認識が軍種全体に広がっている。
ドクトリンも進化した。1997年以降、統合ドクトリンには宇宙とサイバースペースの2つのドメインが追加され、米海兵隊のドクトリンには3つ目の「情報(information)」が追加された。
最後に、我々の用兵哲学(Warfighting philosophy)はテクノロジーに左右されるものではないが、過去30年間の軍事テクノロジーの進歩を無視することはできない。ほんの一例を挙げれば、1997年当時、優先的なインテリジェンス要件の大半は、地上偵察・監視部隊によって対処されていた。
今日、優先的なインテリジェンス要件の大半は、空中インテリジェンス・監視・偵察プラットフォームが担っている。しかし、おそらく改訂の最大の理由は、何が起こったかではなく、誰が米海兵隊を構成しているかということにある。
MCDP 1はおろか、FMFM 1が出版された当時に米海兵隊に所属していた現役米海兵隊員の割合はごくわずかである。したがって、大多数の米海兵隊員は、機動戦の採用(adoption of maneuver warfare)と「用兵(Warfighting)」の出版につながった1980年代と90年代の議論の背景を知らず、その結果、それに関連する問題を抱えることになるかもしれない。
「用兵(Warfighting)」の改訂は必要であるが、我々はシュミット(Schmitt)やその他の人々の懸念を真摯に受け止めている。そのため、基本的なドクトリンを改訂・更新する際には、いくつかの原則を述べ、それを遵守することが重要だと考えている。
何よりもまず、単に変更のための変更があってはならない。「用兵(Warfighting)」の絶対に変更する必要のない部分は、たとえ改訂を任された著者らが原文の文言を改善できると考えていたとしても、そのままにしておくべきである。
第二に、「用兵(Warfighting)」への追加は短くすべきである。到達目標は、出版物のサイズを大幅に増やすことなく、価値のあるコンテンツを追加することである。
第三に、後述するように、改訂はニュアンスを加えつつも明瞭さを増すことを目指すべきである。見下すことなく、初級米海兵隊員にも理解しやすい表現にしなければならない。「用兵(Warfighting)」の魅力の一つは、すべての米海兵隊員が理解できるような直接的な表現であると同時に、思考を促すのに十分な洗練された表現である。
最後に、改訂が様々な利益団体を満足させるための訓練になってはならない。「用兵(Warfighting)」がこれほど首尾一貫し、読みやすく、説得力のあるものであるのは、アル・グレイ(Al Gray)元帥がその著者を一人の人物に託し、彼の指導の下で作らせたからである。マイケル・ワイリー(Michael Wyly)米海兵隊大佐が痛烈な批評の中で書いているように、「委員会によって作られた(done by committee)」という特徴をすべて備えていたためである[7]。
では、このような原則のもと、「用兵(Warfighting)」新版ではどのような点に変化をもたらすべきだろうか。第一に、消耗(attrition)と機動(maneuver)の議論における美徳と悪徳の特徴(virtue-vice characterization)を抑制することである。シュミット(Schmitt)が「用兵(Warfighting)」第1版を執筆したベトナム戦争後の状況を理解すれば、彼がなぜ2つの対立する戦いのスタイル(styles of warfare)として議論を組み立てたのかがわかる。
彼が反対していたのは、火力で敵を撃破しようとすること自体ではなく、敵は単なる数であり、死体の数がすべてであり、すべての死体が平等に扱われるような闘いへのアプローチ(approach to fighting)であった。我々は、否定的な用語として投げかけられるものは消耗戦(attrition warfare)ではなく、敵をシステムとして考えず、そのシステムの重要な部分に意図的に焦点を当てない、意図しない消耗戦(unintentional attrition warfare)であると主張する。
一方、意図的な消耗のアプローチ(intentional attrition approach)とは、敵対者と比較して自軍の戦闘力を評価し、自軍が火力で優位に立ち、死傷者を吸収する能力が高いと結論づけるものである。これはまさに、ユリシーズ・グラント(Ulysses Grant)のオーバーランド方面戦役(Overland Campaign)のビジョンを支えた計算であり、アメリカ史上最も輝かしいもののひとつである。
「戦いの火力‐消耗アプローチ(firepower-attrition approach)」が米海兵隊に適さないのは、機動のアプローチ(maneuver approach)に比べ客観的に劣っているからではなく、米海兵隊が米国の対等な敵対者に対し、数でも火力でも優位性を持つことは、あるとしてもめったにないからである。従って、米海兵隊は、「敵に対して最大の決定的効果を、自らにかかる最小のコストで生み出すための哲学」を採用しなければならない[8]。
第二に、改訂された「用兵(Warfighting)」は、システミックな崩壊は願望的なものであり、いつでもどこでも、すべての部隊階層で追求されるべきものではないことを明確にする必要がある。敵の結束を打ち砕くという願望は、単一の会戦(single battle)に対する評価とバランスを取らなければならない。
上位司令部の戦闘空間の枠組み(battlespace framework)における自分たちの役割を念頭に置いておかなければ、ある行動範囲の敵システムを崩壊させることで、上位司令部がより大きな敵システムに敗北を与えることができなくなるという事態に遭遇しかねない。
同様に、ある部隊階層で敵のシステムを完全に崩壊させることが、戦略目標の達成に逆行する場合もある。たとえば、限定目標の戦争では、和平合意を交渉する相手がいないため、国の指揮権限レベルで敵システムを崩壊させることは有益ではない。重要なのは、この熱望的な到達目標を達成することではなく(達成することはほとんどない)、/熱望することによって、意図性のない消耗的なアプローチに逆戻りすることを防ぐことである。
第三に、「用兵(Warfighting)」の読者に、米海兵隊が統合部隊の不可欠な一部であることを理解してもらう必要がある。1986年にゴールドウォーター・ニコルズ法(Goldwater-Nichols Act)が成立するはるか以前から、米海兵隊には自立の文化があった。
それは多くの点で我々に有益だったが、米海兵隊は対等な競争者に対して重要な能力を統合部隊の残りの部隊に依存していることを理解した上で、節度を持たなければならない。コインの反対側では、米海兵隊は、関連性を維持するためには、統合部隊の他の部隊が望むものを提供しなければならない。
我々の固有の提供物は、時代とともに変化してきたし、これからも変化し続けるだろう。歴史的な例としては、先進海軍基地の掌握、小規模戦争、危機対応などがある。「用兵(Warfighting)」は具体的な内容に踏み込むべきでなく、単に米海兵隊は単独では行動せず、独自のものをもたらす責任があることを伝える必要がある。
最後に、「紛争のスペクトル(spectrum of conflict)」を説明する際に使用される表現は、MCDP 1-4「競争(Competing)」と整合させるために修正する必要がある。紛争のスペクトルは、後者の出版物と「一体化した戦役のための統合コンセプト(Joint Concept for Integrated Campaigning)」に記載されている「競争の連続体(competition continuum)」に置き換えられるべきであり、戦争や小規模な戦争以外の軍事作戦のラベルが削除されるべきである。
米軍の考え方は、戦争と平和という白黒の二分法から、武力紛争の閾値の上でも下でも競争するという理論へと移行している。さらに、「フォース・デザイン(Force Design)」は、統合部隊に対する海兵隊の価値が、紛争と同様に競争においても発揮されることを想定している。我々の基礎となるドクトリン上の出版物は、こうした動きを反映したものでなければならない。
我々は特定の年数を重要視していない。25年経過したからといって、「用兵(Warfighting)」の改訂時期が到来したわけではない。むしろ、戦争の性質(character of war)の変化と、それに伴う海兵隊内部の変化によって、我々は、より強く、より機敏に、そして統合部隊にとってより価値のある存在となるために、改訂が正当化される段階に来ている。
しかし、原文の良さを失うことなく、必要な更新を行うよう注意しなければならない。編集や追加は、意図的、集中的、かつ簡潔でなければならない。執筆者には明確な任務が与えられ、干渉されないように保護されなければならない。ジョン・シュミット(John Schmitt)がそうであったように、彼らは司令官だけに答えなければならない。このような条件の下でのみ、「用兵(Warfighting)」というタイトルにふさわしい最新のドクトリン上の基礎を提供することができるのである。
著者注:「戦術と作戦(Tactics and Operations)」は海兵隊戦術作戦グループの公式ポッドキャストである。この記事に影響を与えた議論をお聞きになりたい方は、以下のエピソードをご覧いただきたい。
? 「ジョン・マクスナー(John Meixner)米海兵隊中佐と機動戦を批判する」。
? 「タッド・ドレイク(Tad Drake)米海兵隊中佐とのMCDP1のファンタジー」
? 「ジョン・シュミット(John Schmitt)と「敗北メカニズム(Defeat Mechanisms)」と機動戦」
? 「戦術と作戦(Tactics and Operations)」はこちらhttps://open.spotify.com/show/65qyMOctQ78NOXr7Y7fi1s
ノート[1] Headquarters Marine Corps, Training and Education 2030, (Washington, DC: 2022).
[2] Headquarters Marine Corps, MCDP 1, Warfighting, (Washington, DC: 1997).
[3] Ibid.
[4] Thaddeus Drake, “The Fantasy of MCDP 1,” Marine Corps Gazette 104, No. 10 (2020).
[5] Marinus, “On Defeat Mechanisms,” Marine Corps Gazette 105, No. 7 (2021).
[6] Damien O’Connell, “John Schmitt,” Controversy and Clarity (podcast), April 15, 2021, https://podcasters.spotify.com/pod/show/damien-oconnell/episodes/10?John-Schmitteuoegn/a-a57jmmo.
[7] Michael Wyly, “Review: Operational Handbook 6-1 Ground Combat Operations,” Marine Corps Gazette 72, No. 7 (1988).
[8] MCDP 1.
カテゴリー
用兵思想、米海兵隊動向用兵思想
前の記事
機動戦を放棄する (Marine Corps Gazette)新着!!
2023年8月18日
最近の投稿
用兵見直しのケース (Marine Corps Gazette)
2023年8月18日
機動戦を放棄する (Marine Corps Gazette)
2023年8月18日
アフリカにおけるワグネル・グループと米国の安全保障部隊支援の変化と挑戦的な力学 (Military Review)
2023年8月8日
ミッション・コマンドが繁栄するための条件の設定 (Military Review)
2023年8月7日
将来の紛争のための自動化 (Marine Corps Gazette)
2023年8月4日
ゲラシモフの防衛戦略 (mickryan.substack.com)
2023年7月28日
戦略的変曲点 (Joint Force Quarterly)
2023年7月13日
ウクライナと将来の軍のリーダーのための教訓 (mickryan.substack.com)
2023年7月6日
米海兵隊歩兵のための致死性のエコシステム (Marine Corps Gazette)
2023年6月27日
部隊の維持を強化する機械学習 (Marine Corps Gazette)
2023年6月27日Copyright c Milterm軍事情報ウォッチ All Rights Reserved.
Powered by WordPress & Lightning Theme by Vektor,Inc. technology. 』
-
クラスター砲弾の到着で戦場の様子が変化、ロシア軍の火力支援量が低下
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-arrival-of-cluster-shells-changed-the-battlefield-reducing-the-amount-of-russian-fire-support/『ニューヨーク・タイムズ紙は20日「ウクライナ軍は膨大な死傷者と装備の損失を被ったが、約1,000kmに及ぶ前線の大部分で前進を続けており、特にクラスター砲弾がロシア軍の装甲部隊と砲兵部隊を破壊するのに効果的だと証明された」と報じている。
参考:On the Front Line, Ukrainian Commanders Are Buoyed to Be on the Offensive
クラスター砲弾がロシア軍の消耗を加速、砲兵の火力支援が低下していた兆候ニューヨーク・タイムズ紙は「ウクライナ軍の反攻作戦は密度の高い地雷原や圧倒的な火力の前に最小限の結果しか残せておらず、まだまだ戦いが続くという見方が広まるにつれて楽観論も消えつつあるが、この数週間の間に取材した指揮官達の認識に変化が出てきた。何十億ドルもの援助で部隊の練度も装備も向上し、新兵の訓練方法にも改善が加えられたお陰で兵士の補充も容易になり、殆ど部隊で専門性が高まり規模が拡大している」と指摘。
出典:Сухопутні війська ЗС України
複数のウクライナ人指揮官達は「我々の射程圏内に侵入するのをロシア人は躊躇し始めている。敵は他の武器=航空攻撃やミサイル攻撃に頼り始めている」と、第128独立山岳強襲旅団のドミトロ・リシウク大佐も「7月に到着したクラスター砲弾を効果的に使用している。これで敵の大砲を数多く破壊することができ、以前の敵部隊は20門の大砲から火力支援を受けていたものの現在では2門~4門だ」と明かしており、砲兵部隊による火力投射でウクライナ軍が優位性を手に入れ始めているらしい。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャック・ワトリング氏も「集中的に敵の対砲兵レーダーを破壊したことで戦場の優位性は徐々にウクライナ軍側に傾いてきた」と指摘したことがある。
ロシア軍は多くの対砲兵レーダーを失ったため「発砲するウクライナ軍砲兵部隊の位置」を特定するのが困難になり、ワトリング氏は「この戦争で初めてウクライナ軍は敵陣地に対する持続的な砲撃が可能になった」と指摘、要するに敵の対砲兵レーダーが機能している戦場では射撃と射点変更を繰り返す必要があるが、これが減少もしくは消滅したため「射点に留まれる時間が増えた=1回あたりの投射火力量が増加した」という意味だ。
砲兵戦で優位性を失ったロシア軍の砲兵部隊は効果的な火力支援が出来なくなり、地雷原や側面攻撃で車輌を破壊しても「降車したウクライナ軍兵士の生存性」が向上、その影響で陣地を巡る戦いでも優位性を失いかけているため戦車や歩兵戦闘車を前に出すしかなく、これをウクライナ軍に大砲やドローンで破壊され消耗を強いられているらしい。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
さらに興味深いのは別の指揮官や経験豊富な兵士達も「クラスター砲弾のお陰でロシア軍の消耗が著しくウクライナ軍よりも状態が悪い。侵攻初期と比較してロシア軍の装備も人員も残念な状況になっている」と述べている点で、戦線を支えるロシア軍部隊の戦力劣化が進んでいる可能性がある。
因みに第128独立山岳強襲旅団は12月に大損害を被って指揮官が戦死、この旅団の再建を託されたのがリシウク大佐で「旅団は1週間後に再び機能を取り戻した」と述べ、補充兵の供給が以前よりも円滑に行われていることを示唆している。
関連記事:ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がロボーティネ集落内を南下中
関連記事:侵攻541日目、ウクライナ軍はザポリージャ、南ドネツク、バフムートで優勢
関連記事:ウクライナ南部を舞台にした反攻作戦、両軍が繰り広げる消耗戦の中身※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
シェアする
ツイートする
Twitter で Follow grandfleet_infoTweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 28 』
-
ロシア、ドローン攻撃で爆撃機炎上か 「テロ」と非難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB220OU0S3A820C2000000/『ロシアの独立系メディアは20日、北西部ノブゴロド州で19日にドローン攻撃があり、核兵器を搭載可能なTU22M3爆撃機が炎上したとみられると報道した。ロシア国防省は発生時、ウクライナの「テロ」と主張した上で「軍用機1機が損傷を受けた」と認めていた。
この独立系メディアは、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の陣営が創設した「シレナ(サイレン)」。掲載された写真は読者から提供されたもので、シレナは「撮影場所を正確に確認できない」としながらも、TU22M3が配備されるノブゴロド州ソリツイ空軍基地の可能性が高いと伝えた。
国防省は19日、「ウクライナが回転翼を持つドローンでテロ攻撃を行った」と発表。ただ、首都キーウ(キエフ)からソリツイ空軍基地までは直線距離で約850キロあり、ウクライナ領内からの攻撃かどうかには不明な点もある。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は最近、「ロシア国内に効果的な(破壊工作員)ネットワークを有している」と述べ、ロシア領内から攻撃を仕掛けるケースがあると示唆している。
ウクライナは昨年12月、今回と別のロシア本土の空軍基地2カ所を航続距離約1000キロのドローンで攻撃したとされ、TU22M3が損傷を受けている。(時事)
【関連記事】
・ウクライナ侵攻1年半 プーチン氏の戦略なき戦闘継続 ・オランダ、ウクライナにF16供与を表明 デンマークと 』
-
ニジェールのクーデターで危機に瀕する米仏のアフリカ政策
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/31166『米ワシントン・ポスト紙の7月29日付け社説‘Why the Niger coup matters — and what the U.S. should do about it’は、ニジェールのクーデターを認めてはならず、大統領が復権しなければ、欧米は対イスラム過激派と戦うための軍事支援や開発援助などを停止すべきである、と主張している。要旨は次の通り。
タチアニ将軍の支持者が呼びかけた行進に参加する(写真:picture alliance/アフロ)
ニジェールのバズム大統領は現在、大統領官邸に監禁されており、その警護隊長であったチアニ将軍が、自ら新たな国家元首であると宣言した。この非道な権力奪取を許すことはできず、ブリンケン国務長官がバズムへの揺るぎない支持を表明し、この違法な政権奪取を非難したことは正しい。
米国は、無人機基地を含む約1100人の部隊をニジェールに駐留させており、同国軍がイスラム武装勢力と戦うのを支援している。米国はまた、非軍事的な対外援助として数億ドルを提供している。クーデターの首謀者は、バズムが大統領の座に返り咲かない限り、米国の支援が打ち切られることを知る必要がある。
ニジェールはウラン資源に恵まれているが、世界で最も貧しい国の1つだ。同国は、他の周辺国と同様に軍による政治介入の歴史がある。近隣のマリやブルキナファソでも最近、クーデターによって民主的な政権が倒された。その表向きの理由は、ニジェールのケースと同様で、文民指導者がイスラム主義反乱分子を厳しく取り締まることができず、住民に安全をもたらすことができないためとされる。
ニジェール人の多くがこのクーデターを支持しているとの報道は憂慮すべきだ。さらに懸念されるのは、一部のクーデター支持派がロシアの国旗を掲げ、マリで活動しているワグネルの支援を求めているという報道だ。ワグネルはマリでフランス軍に取って代わり、非戦闘員の虐殺を含む人権侵害で非難されており、ニジェールは同じ運命を避けるべきである。
政権を掌握したと主張する将軍たちが直ちに兵舎に引き揚げ、民主的に選ばれたバズムが全権を取り戻さなければ、米国とニジェールのパートナーシップやこの国にとってのあらゆる利益が今や危機に瀕することになる。欧州連合(EU)はすでにニジェールへの資金援助と安全保障援助を停止しており、ブリンケンは米国も同様の措置を取ると警告している。
米国は、民主的指導者を武力で追放することはできないという原則を守るべきである。バズムが完全な支配権を取り戻すまでは、ニジェールとの関係はこれまで通りという訳にはいかない。
* * *
ニジェールは、米国にとり、サヘル地域でのイスラム過激派と戦うためのいわば最後の砦だ。フランスにとっては、加えて原子力発電用のウランの供給地であり対アフリカ政策の戦略上の重要拠点ともいうべき国だ。今回のクーデターは、両国のアフリカ政策にとって危機的な状況である。
マリやブルキナファソのように、米軍、仏軍が撤退した後にワグネルが入り込み影響力を拡大することになれば、イスラム過激派対策への不安が生じる。また、ロシアがこの地域を牛耳ることになるので、フランスやEU諸国へのウランの供給に支障が出る恐れもある。』
『ニジェールではクーデター支持派の住民がロシア国旗を打ち振る画像がニュースで何度も放映され、この地域へのロシアの影響力拡大を認識させた。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報官は、クーデターの背後にロシアが関与した兆候は見られないとの見解を述べたが、疑問である。
マリにおいてもワグネルによるSNSなどによる事前の情報操作により反仏感情を高めたことが仏軍の追放につながったとされる。
ニジェールでは、既にこのクーデター以前にも、フランスがニジェールの富を搾取しているとか仏軍はイスラム過激派対策に役に立たないなど、やや不自然なまでに反仏的国民感情が煽られており、マリから撤退したフランス軍の受け入れを決めたバズム大統領に対し、4月には市民団体を名乗るグループが物価の上昇や大統領の統治能力の欠如と合わせて反政府抗議活動を繰り広げていた状況があった。
西アフリカ地域15カ国で構成する地域機関の西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、緊急首脳会議を開き、一週間以内にバズム大統領の権力が回復されなければ武力の行使を含む必要な措置をとると声明した。これに対し、クーデター政権は応ずる構えはなく、また、マリとブルキナファソの共同声明ではニジェールへの軍事介入は両国に対する宣戦布告とみなされると警告した。クーデター勢力とマリ、ブルキナファソの間には連携があるようだ。また、ワグネルはクーデターを歓迎しているという。
ひとまず様子見の米国
米国としては、民主主義を守る立場から譲れないところであるが、矛先はフランスに向いていること、空軍基地の維持の問題もあり、援助の停止や経済制裁を行えば、ますますニジェールをロシア側に追いやるだけであるので、前面に出ずにECOWASの圧力にクーデター勢力がどう反応するのかをとりあえず見守っているのであろう。
ニジェール軍内部の動向は分からないが、クーデター勢力がバズム大統領の復権に応じない可能性は高く、他方、ECOWASが全面的に軍事介入するかは疑問である。米国が、単に軍事援助と政府開発援助(ODA)を停止し、更には経済制裁を行えば、軍事政権はロシアに頼り、ロシアの影響力が増すという悪循環が繰り返される可能性が高い。
米国としては、ECOWASの努力を支援するとともに、単に没交渉ではなく軍事政権と何らかの形で対話を続け近い将来の民政移行をコミットさせ、そのプロセスをECOWASと共に監視しつつ、人道援助などは継続するといった選択も考えなければならないのではないか。』
-
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:モスクワで8月18日未明、ドローンによる攻撃https://nappi11.livedoor.blog/archives/5458860.html
『ロシア首都モスクワで2023年8月18日未明、ドローン(無人機)による攻撃があり、中心部の施設に被害が出た。ロシア国防省は、ウクライナによる攻撃と指摘した。ドローンは航空機型で、ビジネス街には大きな爆発音が鳴り響いたという。記録映像
国防省とソビャニン・モスクワ市長によると、防空システムがドローンを妨害電波などを使ったロシア軍の「電子戦」で撃墜し、その残骸が「エクスポセンター」のビルに落下したが、死傷者は出ていないと説明した。
エクスポセンターはクレムリン(大統領府)から5キロメートル弱の場所にあり、大規模な展示会などに利用される巨大な施設。西部のブヌコボ空港で一時的に離発着が停止した。参照記事
eyJ0eXAiOiJKV1QiLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9.screenshot(21)モスクワのソビャーニン市長は20日未明、空軍がモスクワ南部でドローン(無人航空機)による攻撃を阻止したとSNSに投稿した。
ロシア国営ノーボスチ通信によると、モスクワ南西部のブヌコボ空港 、南郊外のドモジェドボ空港 Moscow’s Vnukovo and Domodedovo airportsでは午前3時半から発着に2時間の遅れが出て、一部の到着便は北郊外のシェレメチェボ空港shuremetyevo airportに代替着陸した。参照記事 、、、
ドローン撃墜の為の妨害電波の為に起きたとみられる。また、18日以降も、ウクライナのドローン攻撃が在ったとも想像できる。右図のモスクワ南東部の2か所は空軍基地。』
-
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ウクライナ軍、鹵獲したTOS-1A燃料気化爆弾を露軍に発射
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5458700.html

『ウクライナ軍は2023年7月、ロシア軍から鹵獲(ろかく)した自走式多連装ロケットシステム「TOS–1A」を使用して、非常に殺傷力の強い燃料気化爆弾を露陣地に撃ち返す事で返却した。残酷な兵器で、高温な圧力波で肺を破裂させると言われている。 映像
screenshot(20)ウクライナ軍第67機械化旅団ダ・ヴィンチ・ウルブズ大隊の兵士は数日前、ロシア軍から鹵獲したTOS-1A自走式多連装ロケットシステムを使ってロシア軍の陣地を攻撃したと伝えられている。
車体には「ダヴィンチ」と記されており、これは戦死した大隊司令官ドミトロ・コチウバイロ氏のコードネームである「ダヴィンチ」にちなんで付けられた。使用場所は明かされていないが、頭上から800度の高温と爆風が広範囲に降り注ぐ為、塹壕や戦車内の兵士も逃げ切れないと言われ、映像からは東部戦線の様だ。
扱いが難しい兵器とされ、ロシアは前線へ送り込んだが、経験未熟な兵士は、使用も爆破も出来なかったのだろうか?どこかの国が放出した可能性もあるだろう。
ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、学校や病院、住宅地への爆撃や原発への攻撃に対し「国際法違反だ」との批判が相次いでいる。民間人や非軍事目標への無差別攻撃は「戦時国際法」と呼ばれるルールで禁じられているからだ。参照記事 参考映像記事:ロシア軍激しすぎる損失!800以上もの兵器が鹵獲されてしまう…ウクラ軍は鹵獲兵器で大増強!:
』 -
宇軍に撃墜された「カモフ52」のパイロットは、その高性能な機体にふさわしいスキルを持っていなかった
https://st2019.site/?p=21395『Kaitlin Lewis 記者による2023-8-18記事「This Indicator Shows Russia Is ‘Really Weak,’ According to Ex-U.S. General」。
在欧の米陸軍を指揮していた退役大将、ベン・ホッジズは、証拠ビデオを視て、批評した。
宇軍に撃墜された「カモフ52」のパイロットは、その高性能な機体にふさわしいスキルを持っていなかった、と。
これは、ロシアがいかに弱くなったかを示している。もはや、適切な教育訓練がないのだ。ヘリパイ用の人材も涸渇しているのだろう。
呆れたよ。あまりに高く飛行しているのでね。
戦闘飛行中のヘリコプターにとっては、死刑宣告さ。ウクライナ軍は、露軍にもっとプレッシャーをかけることをためらってはいけない。そういう時が来ていると思う――と大将。』
-
ケルチ橋の第一回爆破(22-10-8)は、トラック特攻であったとの公式解説。
https://st2019.site/?p=21395『 2022-8-19記事「SSU Head shares details of the Kerch Bridge bombing in October 2022」。
ウクライナの対外工作機関SSUは2022春から、ケルチ橋を吹き飛ばす方法を検討し始めたという。
さいしょは、鉄道の貨車に爆薬を載せてやることを考えた。しかし露軍はその工作を警戒して、ケルチ橋を通る貨物列車には軍需品以外の民間の荷を許可しない。※鉄道が使えるなら、「特攻ドライバーの生還を如何にして期すか」の難問は、ハナから無いわけである。
そこでSSUは、トラックに石油のドラム缶を満載してケルチ橋を走らせようと考えた。その中味を、石油ではなく爆薬にするのだ。
金属シリンダー(どうみてもドラム缶より細い)には、猛性爆薬であるRDXを詰めた。トータルで、TNTに換算すれば21トンの威力。その金属筒を、工業包装用の透明な樹脂フィルムでぐるぐる巻きにする。こうすると、外見では、樹脂フィルムのロールを大量に運搬しているように偽装できる。ボビンの芯部がどうなっているのかは、検問所のロシア兵の目では見抜けない。また、スキャナーもこれでごまかせるのだという。そのためにはフィルムをどのくらい厚く巻けばよいのか、事前に計算した。
※ロールの天地端面を見ると、ちゃんと芯まで透明ビニールがぐるぐる巻かれているだけのように造り上げている。巧みな工作。
ウクライナ領内で仕立てた爆装トラックを、どうやってケルチ橋のたもとまで運んだか、その移動ルートについては、SSUはひきつづいて秘密にしている。
ただし、第三国機関の助けは借りなかった、とSSUは強調する。
ぼやかした表現だが、どうやら、SSUは、トラックを自動操縦(無人)で、ケルチ橋を走らせたようだ。その場合、露軍のGPSスプーフィングの影響を受けないようにしなくてはならないが、そこは、うまくやったという。
ケルチ爆破の直後、ロシア官憲は22人のロシア人をテロリスト容疑で収獄しているが、じつのところ、これらのロシア人は、ありふれた「密輸業者」だという。
※最後の検問所から再出発する直前にドライバーが、後続の別な有人運転車両にでも、ちゃっかりと乗り移ってしまったのか? 20トン積みクラスの巨大トラックなら、ノロノロと走っていても、怪しまれないだろうからね。キャビンの窓の位置が高いから、その中にドライバーが見えなくても、角度の問題だろう、と、皆、思ってくれる。』