太平洋側で津波50センチ観測、最大3メートル予想 カムチャツカM8.7地震
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD300PT0Q5A730C2000000/





『2025年7月30日 8:54 (2025年7月30日 12:15更新)
30日午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近でマグニチュード(M)8.7の地震が発生した。気象庁は太平洋側の広い範囲で津波警報と津波注意報を出した。予想される津波の高さは最大3メートルで、同日正午までに宮城県石巻市で50センチ、茨城県大洗町や北海道広尾町で40センチの津波を観測した。
このほか青森県八戸市や仙台市などで40センチ、岩手県大船渡市、北海道根室市花咲、釧路市などで30センチ。また宮城県金華山沖でも津波を観測しており、沿岸部に津波が到達していると推定されるため警戒を呼びかけている。
気象庁は同日午前10時すぎから記者会見し、沿岸部や川沿いにいる場合はすぐに高いところに避難するよう求め「津波は長い時間繰り返し襲ってくる。第1波よりも後に来る波の方が大きいこともあり、警報などが解除されるまで避難を続けてほしい」と強調した。
海外の遠方で起きた地震に伴って津波警報が発令されるのは、2010年にチリで発生した地震以来15年ぶり。海外で発生した地震による警報は長引く傾向があるとして、解除までに半日から1日ほどかかるとの見通しを示した。
最大3メートルの津波が予想されるのは、北海道太平洋沿岸、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、伊豆諸島、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、三重県南部、和歌山県。
この地震で北海道釧路市などで震度2を観測した。
石破茂首相は同日午前、津波警報の発令に関し「政府として対応に万全を期す」と述べ、現時点で人的・物的被害は確認中と説明した。首相官邸に設けた情報連絡室を官邸連絡室に改組し、被害情報の把握にあたっていると話した。
国土交通省のライブカメラが撮影した那珂川(30日午前、茨城県大洗町)
東京電力は午前9時5分に福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を停止したと発表した。
JR東日本とJR東海のホームページによると、津波警報の影響で、東北や関東地方周辺、東海地方の沿岸部の在来線でそれぞれ運転を見合わせた。
北海道ではJR線の運転見合わせや道路の通行止めが起きた。宮城県の仙台空港は全ての滑走路の使用を中止し、航空機の発着を見合わせた。東日本高速道路によると、北海道や宮城県内の高速道路で通行止めや出口封鎖を実施した。 』





