カテゴリー: サイエンス
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『AI による概要 量子物理学においてトポロジー的に飛び飛び(離散的)な量が出てくるのは、系の波動関数が持つ「位相」の性質が、ループや閉じた空間といった系の「トポロジー(幾何学的性質)」によって制限されるためです。
この制限は、物理量が整数値しか取れないという「量子化」を引き起こします。
量子化の理由:
境界条件と位相 量子力学では、粒子は波動関数として記述されます。
この波動関数は、物理的に意味を持つためには特定の数学的要件、特に「境界条件」を満たす必要があります。
1. 波動関数の連続性と一価性
波動関数は、空間内で滑らかに連続しており、かつ一点で一つの値しか持たない「一価関数」でなければなりません。
空間内を一周して元の場所に戻ってきたとき、波動関数の「位相」(波のどの位置にいるかを示す角度)は、元の位相と一致している必要があります。
- トポロジー的な「ねじれ」
通常の空間では、この条件は自明に満たされます。
しかし、トポロジカルな系では、電子が運動する空間や、運動量空間と呼ばれる抽象的な空間が「ループ」や「穴」を持った構造をしている場合があります。
具体例としての磁場中の電子:
外部磁場中の電子を考えた場合(量子ホール効果など)、電子の波動関数は、磁場によって通常の空間とは異なる「位相のねじれ」の影響を受けます。
このねじれの度合いがトポロジカルな量に対応します。
- 整数量子化の必然性
一価性の条件を満たすためには、この「位相のねじれ」は、(2\pi )(360度)の整数倍でなければなりません。
ちょうど、輪ゴムを指に巻き付ける回数が整数回でなければならないのと同じ論理です。
この整数の巻き数のような性質が、トポロジカル不変量(チェルン数など)と呼ばれます。
この不変量は、系の詳細な形状や不純物といった微小な変化に対して非常に頑強(ロバスト)であり、連続的に変化することはありません。
変化するためには、エネルギーギャップを閉じるような劇的な変化(相転移)が必要です。
したがって、トポロジカルな量は「整数」という飛び飛びの値しか取ることができず、これが観測される物理量(例えば、ホール伝導度など)の正確な量子化として現れるのです。
Have physicists figured out the reason that quantization is so …2023/03/19 — It’s more about functional analysis and how PDEs e…Reddit
非エルミート性に由来する新たな端状態を提案 – 工学系研究科 – 東京大学2020/11/11 — 例外点(赤色の点)の間の部分が糊付けさ れたように接着され、外乱や不純物によっては簡単には引きはがせ…東京大学大学院工学系研究科超伝導体のための新しい系統的トポロジカル不変量 – 京都大学トポロジカル不変量とは,ギャップを閉じないHkの連続変形(つまり断熱変形)で変化しな いような整数値のこと.京都大学サンプル・ 波動関数は考えている空間で「 一価連続で滑らか」でなければならない。さくらインターネットSt研 量子ホール効果とトポロジー – 名古屋大学このように,量子ホール効果はトポロジカル不変量として表現されることは,単なる式の書き換えに留まるものではなく,現象の本質…St研Have physicists figured out the reason that quantization is so …2023/03/19 — It’s more about functional analysis and how PDEs e…Reddit非エルミート性に由来する新たな端状態を提案 – 工学系研究科 – 東京大学2020/11/11 — 例外点(赤色の点)の間の部分が糊付けさ れたように接着され、外乱や不純物によっては簡単には引きはがせ…東京大学大学院工学系研究科超伝導体のための新しい系統的トポロジカル不変量 – 京都大学トポロジカル不変量とは,ギャップを閉じないHkの連続変形(つまり断熱変形)で変化しな いような整数値のこと.京都大学すべて表示
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conservation
https://www.google.com/search?q=conservation&sourceid=chrome&ie=UTF-8『保全』
研究社 新英和中辞典での「conservation」の意味
https://ejje.weblio.jp/content/conservationconservation
音節con・ser・va・tion 発音記号・読み方/kὰnsɚvéɪʃən|k`ɔnsə‐/発音を聞く
名詞不可算名詞
1a〔資源などの〕保存,維持 〔of〕.
conservation of the rain forests 熱帯雨林の保護.
b〔国家などによる自然環境の〕保護,管理 〔of〕.
2【物理学】 保存 〔of〕《反応の前後で不変に保たれる物理量にいう》.
conservation of energy エネルギー保存. -
『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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カテゴリ 物理学
エネルギー保存の法則(エネルギーほぞんのほうそく、英: law of the conservation of energy)とは、「孤立系のエネルギーの総量は変化しない」という物理学における保存則の一つである。エネルギー保存則とも呼ばれる。概要
→「熱力学第一法則」も参照
任意の異なる二つの状態について、それらのエネルギー総量の差がゼロであることをいう。例えば、取り得る状態が全て分かっているとして、全部で 3 つの状態があったとき、それらの状態のエネルギーを A, B, C と表す。
エネルギー保存の法則が成り立つことは、それらの差について、
A − B = 0, B − C = 0, C − A = 0
が成り立っていることをいう。時間が導入されている場合には、任意の時刻でエネルギー総量の時間変化量がゼロであることをいい、時間微分を用いて表現される。
エネルギー保存の法則は、物理学の様々な分野で扱われる。特に、熱力学におけるエネルギー保存の法則は熱力学第一法則 (英: first law of thermodynamics) と呼ばれ、熱力学の基本的な法則となっている。
熱力学第一法則は、熱力学において基本的な要請として認められるものであり、あるいは熱力学理論を構築する上で成立すべき定理の一つである。第一法則の成立を前提とする根拠は、一連の実験や観測事実のみに基づいており、この意味で第一法則はいわゆる経験則であるといえる。
一方でニュートン力学や量子力学など一般の力学において、エネルギー保存の法則は必ずしも前提とされない。
歴史
→詳細は「熱力学・統計力学の年表」および「熱の仕事当量」を参照
概要この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: “エネルギー保存の法則” – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2012年12月)
ルネ・デカルトやゴットフリート・ライプニッツが、それぞれの仕方でこれを主張し、それぞれの支持者によって議論が長年に渡り行われた。19世紀の中ごろ、ユリウス・ロベルト・フォン・マイヤー、ジェームズ・プレスコット・ジュール、ヘルマン・フォン・ヘルムホルツらによって、「力学的・熱・化学・電気・光などのエネルギーは、それぞれの形態に移り変わるが、エネルギーの総和は変化しない(保存される)」と主張された[1]。
20世紀にアルベルト・アインシュタインによって、質量とエネルギーの等価性という考え方が提唱され、別の形での保存が主張されたが、その有効性や有効範囲については、疑問視されることも多かった。
現在ではエネルギー保存の法則は、しばしば「最も基本的な物理法則の一つ」と考えられている。多くの物理学者が、自然はこの法則にしたがっているはずだ、と信じているのである。
活力論争
ルネ・デカルトは、1644年に出版した自身の著作『哲学の原理』(Principia Philosophiæ ) で[2]、宇宙においてquantitas motus(運動の量)の総和が保たれている、と主張した。Deum esse primariam motus causam: et eandem semper motus quantitatem in niverso conservare.
— Principia philosophiae, Pars secunda, 36(デカルト『哲学の原理』第二章 36)
デカルトが主張した quantitas motus(quantity of motion, 運動の量)という概念は、現代の運動量とある程度似てはいるが、厳密には異なる概念である[3]。デカルトは「質量」という概念を持っていなかったし、デカルトは速度の大きさだけを重視し、向きが変わることについては考慮していなかった[3]。したがって、デカルトの quantitas motus を現代の運動量に対応する量と見なすことはできない。ゴットフリート・ライプニッツは、運動の量というのを初めて数式で表現してみようと試みたが、デカルトとは異なって mv2 の総和が保存されている、と主張した。ライプニッツはこの量を vis viva(living force, 活力)と呼んだ。この vis viva という概念は、釣り合いなどの場面で想定される動きとしては見えない vis mortua(dead force, 潜在的な力)と対比しつつ置かれた概念である。
デカルトの考え方を支持する人々と、ライプニッツの考え方を支持する人々で議論が起こるようになった。これを「活力論争 (vis viva controversy)」という。議論は長年に渡って続いた。18世紀半ばになって、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュやジャン・ル・ロン・ダランベールらが、両概念の明確化を試み、それらを区別したことによって、ようやく論争は沈静化した。
「エネルギー」の定義
1807年にトマス・ヤングは、vis viva という用語で表されていた運動の概念を、”energy” と呼んだ。energy はギリシア語の ἐνέργεια(羅: energeia, エネルゲイア)という語を基にした造語である。ギリシャ語のἐνέργεια (energeia ) というのは語の構成としては εν + εργον (en +ergon ) であり、εργον (ergon ) は「仕事」、εν— (en —) は「~の状態」という意味である。よって「仕事をしている状態」といったような意味である。アリストテレスの哲学において ἐνέργεια は、ものが持つ「可能態」の中から現実化された「現実態」を意味する。つまり、energy という用語を用いている背景には、眼には見えない「活力」が具体的な「仕事」に変化したのだ、という発想がある。ヤングが energy という用語を用いたからといって、それが人々にすぐに用いられるようになったわけでもなく、人々の間に定着するようになったのは、あくまで後のことである。vis viva 相当の概念は、19世紀半ばでもしばしば、英語圏では “force” と呼ばれていたし、ドイツ語圏では „Kraft” と呼ばれていた。
現代的な意味で energy の語が用いられるようになったのは、ヤングより後のことで、1850年頃にウィリアム・トムソンによって kinetic energy(運動エネルギー)、1853年にウィリアム・ランキンによって potential energy(位置エネルギー)の語が定義された[4]。
19世紀前半のドイツ自然哲学
19世紀前半のドイツの自然哲学では、「破壊されることもなく、形態が様々に変換する根源的な何か」を „Kraft”(力)と呼んでいた。この自然哲学の概念は、現在の「エネルギー保存の法則」という概念の成立に大きな影響を与えている。力学的仕事と熱に関する保存則の発見
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: “エネルギー保存の法則” – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2015年8月)
19世紀の中ごろ、ロベルト・マイヤー、ジェームズ・プレスコット・ジュール、ヘルマン・フォン・ヘルムホルツらが、それぞれ独立して「エネルギー保存の法則」という考え方に辿りついた[1]。マイヤーは、ドイツの医者で、船医としてジャワ島に行った時に熱量とエネルギーとの関係を考察するようになった。船が熱帯を航海すると水夫らの静脈の血液の赤みが増すことに気付き、気温が上昇したことで体温維持のために酸素が使われる量が減るのだ、と解釈した。
そして1842年、「熱」と「仕事」の関係に関する論文 „Bemerkung über die Kräfte der unbelebten Natur”[注 1]を発表した[5]。
ジュールは1843年に熱の仕事当量の測定を行い、その後も様々な方法で熱の仕事当量を計測した。
ヘルムホルツは、サディ・カルノーやエミール・クラペイロン、ジュールらの仕事について整理し、1847年に著した „Über die Erhaltung der Kraft”[注 2]で様々な状況でエネルギー保存の法則が成り立つことを示した[6]。
マイヤーやジュールが熱の仕事当量に関する考察をした頃は、1798年のベンジャミン・トンプソン(ランフォード伯)による指摘などがあったものの、アントワーヌ・ラヴォアジエとピエール=シモン・ラプラスに始まるカロリック説が有力であり、熱は物質であると見なされ、熱は単独で保存されると考えられていた。そのため、熱が仕事に変わり得ることの発見とその事実の定量的評価をすることは、熱力学第一法則を構成する上で重要な仕事だった。
1850年、ルドルフ・クラウジウスは論文 „Über die bewegende Kraft der Wärme”[注 3]の中で熱力学第一法則について完全な形で述べた[7][8]。
ジュール (1818 – 1889) は、重りをある高さまで持ち上げて落とすことで上記の装置 (今日 Joule’s Apparatus と呼ばれる)の撹拌翼を回転させ、水に摩擦熱を与えることによる温度変化を調べた。その結果、仕事と熱は等価なものであると考えられるようになり、エネルギー保存の法則の成立へと繋がった。
質量とエネルギーの等価性
1905年にアルベルト・アインシュタインは、Annus Mirabilis papers の一つの „Ist die Trägheit eines Körpers von seinem Energieinhalt abhängig?”[注 4]において、質量とエネルギーが交換可能なのではないか、という提案を行った[9][10]。これをきっかけとして、物理学が大きく変容していくことになった。「エネルギー」や「物質」という概念自体が大きく変わっていくことになったのである。特殊相対性理論において、質量はエネルギーの一形態であり、E=mc² という式の関係が成り立っている。したがって相対論の立場では、エネルギー保存の法則は「質量を含めたエネルギーの総和が保存されている」という主張になる。
他の物理学の様々な主張同様に、このアインシュタインの主張も最初は受け入れられなかったり疑問視されたが、原子核反応や電子対生成などの実験において成立していることが確認されると、アインシュタインの考えが次第に受け入れられるようになっていった。
なおそれに伴って、「質量保存の法則は(厳密に言えば)成り立っていない」と考えられるようになった。特に、原子核反応を扱う場合においては、質量のエネルギーへの変換は無視できないほど大きく、質量は保存されていない、として計算するようになっている[注 5]。
ただし、この法則を一応受け入れるとしても、一体どの程度まで受け入れてよいのかということについて見解はバラバラであった。例えばニールス・ボーアは、ベータ崩壊をエネルギー保存の法則が成立していない事例だと考えていた[11]。
ただしそのような状況の中で、1932年にヴォルフガング・パウリとエンリコ・フェルミが、ベータ崩壊の事例でも、仮にエネルギー保存の法則が成立していると仮定して計算したところ、中性の粒子が存在しているだろう、と予想することができた。彼らはその粒子の存在を主張したものの具体的な物証は無く、長らく認められなかったが、1956年になり実験によってその粒子(ニュートリノ)が確認された。この出来事によって、有効範囲については疑問視されることも多かったものの、エネルギー保存の法則が成り立つと仮定してみることが、科学的発見につながるひとつの指針にもなり得ることが知られるようになった。
対称性
1918年、エミー・ネーターは論文 „Invariante Variationsprobleme”[注 6]を出版した[12][13]。この論文の中で、ネーターが1915年に得た、今日ネーターの定理と呼ばれる定理の証明が与えられた。ネーターの定理から、作用積分が不変であるような無限小変換が存在する場合、系はその変換に対して対称であるという。このとき系の対称性に対応した量が保存する。特にエネルギー保存の法則は、時間の並進対称性に対応していることが知られる[14]。各分野において
熱力学
→詳細は「熱力学第一法則」を参照
熱力学におけるエネルギー保存の法則は、熱力学第一法則である。熱力学第一法則は次のように表現される。d
U
δ
Q
−
δ
W
.
{\displaystyle dU=\delta Q-\delta W.}
ここで dU は系の内部エネルギー U の変化量、δQ は系に与えられた熱量、δW は系から取り出された仕事を表す(d は完全微分を、δ は不完全微分(英語版)を表す)。仕事は熱力学的系に繋がっている力学的系へのエネルギーの移動を表し、熱はそれ以外の熱力学的系へのエネルギーの移動を表している。熱力学第一法則は、エネルギーがひとりでに消えたり生じたりすることはない、という経験的事実を法則化したものであり、上述の定式化では、エネルギーの変化が熱と仕事の和として与えられることで表現されている。
熱力学において第一法則は、上式を満たす状態量(すなわち系に対する操作の方法や途中経過に依存しない量[15]) U が存在することを主張する法則とみなされている[16]。
古典力学
古典力学におけるエネルギー保存の法則は、力学的エネルギー保存の法則と呼ばれる。力学的エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーに分類され、それらの和が一定であることをいう[17]。一粒子系での力学的エネルギー保存の法則
以下に一粒子系の場合についての力学的エネルギー保存の法則を述べる。一粒子の運動について、粒子に働く力
F
(
r
(
t
)
,
t
)
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}({\boldsymbol {r}}(t),t)} がポテンシャル
V
(
r
(
t
)
)
{\displaystyle V({\boldsymbol {r}}(t))} を用いて、F
(
r
(
t
)
,
t)
−
∇
V
(
r
(
t
)
)
+
f
(
t
)
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}({\boldsymbol {r}}(t),t)=-\nabla V({\boldsymbol {r}}(t))+{\boldsymbol {f}}(t)}
と表される場合について、ニュートン力学の運動の第2法則、m
d
2
r
d
t
2
(
t)
F
(
r
(
t
)
,
t
)
{\displaystyle m{\frac {d^{2}{\boldsymbol {r}}}{dt^{2}}}(t)={\boldsymbol {F}}({\boldsymbol {r}}(t),t)}
より次の運動方程式が得られる。m
d
2
r
d
t
2
(
t)
−
∇
V
(
r
(
t
)
)
+
f
(
t
)
.
{\displaystyle m{\frac {d^{2}{\boldsymbol {r}}}{dt^{2}}}(t)=-\nabla V({\boldsymbol {r}}(t))+{\boldsymbol {f}}(t).}
ここで、
m
{\displaystyle m} は質量、
r
{\displaystyle {\boldsymbol {r}}} は粒子の位置、
t
{\displaystyle t} は時刻をそれぞれ表し、ナブラ
∇
{\displaystyle \nabla } とポテンシャル
V
{\displaystyle V} の積
∇
V
{\displaystyle \nabla V} はポテンシャルの勾配を意味する。∇
V
(
r
(
t
))
(
∂
∂
x
V
(
r
(
t
)
)
,
∂
∂
y
V
(
r
(
t
)
)
,
∂
∂
z
V
(
r
(
t
)
)
)
T
.
{\displaystyle \nabla V({\boldsymbol {r}}(t))=\left({\frac {\partial }{\partial x}}V({\boldsymbol {r}}(t)),{\frac {\partial }{\partial y}}V({\boldsymbol {r}}(t)),{\frac {\partial }{\partial z}}V({\boldsymbol {r}}(t))\right)^{T}.}
このとき仕事は、W
(
t
1
,
t
2)
∫
t
1
t
2
F
(
r
(
t
)
,
t
)
⋅
d
r
(
t)
∫
t
1
t
2
{
−
∇
V
(
r
(
t
)
)
+
f
(
t
)
}
⋅
d
r
(
t
)
{\displaystyle {\begin{aligned}W(t_{1},t_{2})&=\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {F}}({\boldsymbol {r}}(t),t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\&=\int {t{1}}^{t_{2}}\left{-\nabla V({\boldsymbol {r}}(t))+{\boldsymbol {f}}(t)\right}\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\end{aligned}}}
と
r
(
t
)
{\displaystyle {\boldsymbol {r}}(t)} についての線積分で表される。ここで中黒 ‘・’ はベクトル空間の内積[注 7]を意味する。線積分を時間についての積分に直せば、W
(
t
1
,
t
2)
−
∫
t
1
t
2
∇
V
(
r
(
t
)
)
⋅
d
r
(
t
)
+
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t)
−
∫
t
1
t
2
{
∂
V
(
r
(
t
)
)
∂
x
d
x
(
t
)
d
t
+
∂
V
(
r
(
t
)
)
∂
y
d
y
(
t
)
d
t
+
∂
V
(
r
(
t
)
)
∂
z
d
z
(
t
)
d
t
}
d
t
+
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t
)
,
{\displaystyle {\begin{aligned}W(t_{1},t_{2})&=-\int {t{1}}^{t_{2}}\nabla V({\boldsymbol {r}}(t))\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)+\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\&=-\int {t{1}}^{t_{2}}\left{{\frac {\partial V({\boldsymbol {r}}(t))}{\partial x}}{\frac {dx(t)}{dt}}+{\frac {\partial V({\boldsymbol {r}}(t))}{\partial y}}{\frac {dy(t)}{dt}}+{\frac {\partial V({\boldsymbol {r}}(t))}{\partial z}}{\frac {dz(t)}{dt}}\right}dt+\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t),\end{aligned}}}
となるので、ポテンシャルの時間についての全微分、d
V
d
t
(
r
(
t
))
{
d
x
(
t
)
d
t
∂
∂
x
+
d
y
(
t
)
d
t
∂
∂
y
+
d
z
(
t
)
d
t
∂
∂
z
}
V
(
r
(
t
)
)
{\displaystyle {\frac {dV}{dt}}({\boldsymbol {r}}(t))=\left{{\frac {dx(t)}{dt}}{\frac {\partial }{\partial x}}+{\frac {dy(t)}{dt}}{\frac {\partial }{\partial y}}+{\frac {dz(t)}{dt}}{\frac {\partial }{\partial z}}\right}V({\boldsymbol {r}}(t))}
を用いて、W
(
t
1
,
t
2)
−
∫
t
1
t
2
d
V
(
r
(
t
)
)
d
t
d
t
+
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t)
−
{
V
(
r
(
t
2
)
)
−
V
(
r
(
t
1
)
)
}
+
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t
)
{\displaystyle {\begin{aligned}W(t_{1},t_{2})&=-\int {t{1}}^{t_{2}}{\frac {dV({\boldsymbol {r}}(t))}{dt}}dt+\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\&=-\left{V({\boldsymbol {r}}(t_{2}))-V({\boldsymbol {r}}(t_{1}))\right}+\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\end{aligned}}}
と書ける。もし、粒子が受ける力がポテンシャルのみによる場合、
f
(
t
)
{\displaystyle {\boldsymbol {f}}(t)} は存在しないので、粒子に与えられた仕事
W
(
t
1
,
t
2
)
{\displaystyle W(t_{1},t_{2})} はポテンシャルの差
−
{
V
(
r
(
t
2
)
)
−
V
(
r
(
t
1
)
)
}
{\displaystyle -\left{V({\boldsymbol {r}}(t_{2}))-V({\boldsymbol {r}}(t_{1}))\right}} に等しい。このときポテンシャル
V
(
r
(
t
)
)
{\displaystyle V({\boldsymbol {r}}(t))} は位置エネルギー[注 8]と呼ばれる。再び仕事の定義に戻ると、粒子の運動方程式より、次のように書き換えられる。
W
(
t
1
,
t
2)
∫
t
1
t
2
F
(
r
(
t
)
,
t
)
⋅
d
r
(
t)
∫
t
1
t
2
m
d
2
d
t
2
r
(
t
)
⋅
d
r
(
t)
m
∫
t
1
t
2
d
2
d
t
2
r
(
t
)
⋅
d
r
(
t
)
d
t
d
t
{\displaystyle {\begin{aligned}W(t_{1},t_{2})&=\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {F}}({\boldsymbol {r}}(t),t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\&=\int {t{1}}^{t_{2}}m{\frac {d^{2}}{dt^{2}}}{\boldsymbol {r}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)\&=m\int {t{1}}^{t_{2}}{\frac {d^{2}}{dt^{2}}}{\boldsymbol {r}}(t)\cdot {\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}dt\end{aligned}}}
ここで、ベクトルの内積の微分について、d
d
t
(
u
(
t
)
⋅
v
(
t
))
∑
α
x
,
y
,
z
d
d
t
(
u
α
(
t
)
v
α
(
t
))
∑
α
x
,
y
,
z
(
d
u
α
(
t
)
d
t
v
α
(
t
)
+
u
α
(
t
)
d
v
α
(
t
)
d
t)
d
u
(
t
)
d
t
⋅
v
(
t
)
+
u
(
t
)
⋅
d
v
(
t
)
d
t
{\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {d}{dt}}\left({\boldsymbol {u}}(t)\cdot {\boldsymbol {v}}(t)\right)&=\sum {\alpha =x,y,z}{\frac {d}{dt}}\left(u{\alpha }(t)v_{\alpha }(t)\right)\&=\sum {\alpha =x,y,z}\left({\frac {du{\alpha }(t)}{dt}}v_{\alpha }(t)+u_{\alpha }(t){\frac {dv_{\alpha }(t)}{dt}}\right)\&={\frac {d{\boldsymbol {u}}(t)}{dt}}\cdot {\boldsymbol {v}}(t)+{\boldsymbol {u}}(t)\cdot {\frac {d{\boldsymbol {v}}(t)}{dt}}\end{aligned}}}
という公式が成り立つので、W
(
t
1
,
t
2)
m
∫
t
1
t
2
d
2
d
t
2
r
(
t
)
⋅
d
r
(
t
)
d
t
dt
m
∫
t
1
t
2
{
d
d
t
(
d
r
(
t
)
d
t
⋅
d
r
(
t
)
d
t
)
−
d
r
(
t
)
d
t
⋅
d
2
r
(
t
)
d
t
2
}
dt
1
2
m
∫
t
1
t
2
d
d
t
(
d
r
(
t
)
d
t
⋅
d
r
(
t
)
d
t
)
dt
1
2
m
|
d
r
(
t
2
)
d
t
|
2
−
1
2
m
|
d
r
(
t
1
)
d
t
|
2
{\displaystyle {\begin{aligned}W(t_{1},t_{2})&=m\int {t{1}}^{t_{2}}{\frac {d^{2}}{dt^{2}}}{\boldsymbol {r}}(t)\cdot {\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}dt\&=m\int {t{1}}^{t_{2}}\left{{\frac {d}{dt}}\left({\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\cdot {\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\right)-{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\cdot {\frac {d^{2}{\boldsymbol {r}}(t)}{dt^{2}}}\right}dt\&={\frac {1}{2}}m\int {t{1}}^{t_{2}}{\frac {d}{dt}}\left({\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\cdot {\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\right)dt\&={\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{2})}{dt}}\right|^{2}-{\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{1})}{dt}}\right|^{2}\end{aligned}}}
が得られる。ここで得られた関数
1
2
m
|
d
r
(
t
)
d
t
|
2
{\displaystyle {\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t)}{dt}}\right|^{2}} は粒子の運動エネルギーと呼ばれ、この差分は粒子になされた仕事を表す。ポテンシャルと仕事、運動エネルギーと仕事の関係をそれぞれ見比べると、
−
{
V
(
r
(
t
2
)
)
−
V
(
r
(
t
1
)
)
}
+
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t)
1
2
m
|
d
r
(
t
2
)
d
t
|
2
−
1
2
m
|
d
r
(
t
1
)
d
t
|
2
∫
t
1
t
2
f
(
t
)
⋅
d
r
(
t)
{
1
2
m
|
d
r
(
t
2
)
d
t
|
2
+
V
(
r
(
t
2
)
)
}
−
{
1
2
m
|
d
r
(
t
1
)
d
t
|
2
+
V
(
r
(
t
1
)
)
}
{\displaystyle {\begin{aligned}-\left{V({\boldsymbol {r}}(t_{2}))-V({\boldsymbol {r}}(t_{1}))\right}+\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)&={\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{2})}{dt}}\right|^{2}-{\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{1})}{dt}}\right|^{2}\\int {t{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}(t)&=\left{{\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{2})}{dt}}\right|^{2}+V({\boldsymbol {r}}(t_{2}))\right}-\left{{\frac {1}{2}}m\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}(t_{1})}{dt}}\right|^{2}+V({\boldsymbol {r}}(t_{1}))\right}\end{aligned}}}
という等式が得られる。
f
(
t
)
{\displaystyle {\boldsymbol {f}}(t)} を粒子に対する力学的な操作によって生じる力だとすれば、それがなす仕事は操作の前後での粒子の力学的エネルギー、すなわち粒子の位置エネルギーと運動エネルギーの和、の差に等しい。特に、外部から力学的操作を行わない場合には、粒子にはポテンシャルによる力しか働かないので、系の力学的エネルギーは保存されることになる。また、操作の前後で粒子の速度を変えないようにすれば[注 9]、操作の前後では粒子の運動エネルギーが変化しないので、外部から与えられた仕事は粒子のポテンシャルの差に等しくなる。こうして得られた等式が成り立つことを、力学的エネルギー保存の法則と呼ぶ。保存則が成り立っているかどうかは系の設定により、外界の力学的エネルギーを考慮しない場合には、保存則は成り立たないが、外界の力学的エネルギーを考慮するのであれば、外界への仕事を付け加える形で、保存則が成立する。
外界に及ぼされる力は
−
f
(
t
)
{\displaystyle -{\boldsymbol {f}}(t)} で表され、摩擦などによる抗力を考える場合には、粒子の速度の関数になる。多粒子系での力学的エネルギー保存の法則
以上のことは多粒子系の場合にも成り立つ。一粒子系の場合との変更点は、各粒子に対して力と運動方程式が与えられることと、ポテンシャルがすべての粒子の位置の関数になることである。以下にN 個の粒子がある場合について示す。力:
F
i
(
{
r
(
t
)
}
,
t)
−
∇
i
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
+
f
i
(
t
)
(i
1
,
…
,
N
)
.
{\displaystyle {\boldsymbol {F}}{i}({{\boldsymbol {r}}(t)},t)=-\nabla {i}V({{\boldsymbol {r}}{i}(t)})+{\boldsymbol {f}}{i}(t)\quad (i=1,\dots ,N).}
運動方程式:m
i
d
2
r
i
d
t
2
(
t)
F
i
(
{
r
(
t
)
}
,
t
)
(i
1
,
…
,
N
)
.
{\displaystyle m_{i}{\frac {d^{2}{\boldsymbol {r}}{i}}{dt^{2}}}(t)={\boldsymbol {F}}{i}({{\boldsymbol {r}}(t)},t)\quad (i=1,\dots ,N).}
ナブラ
∇
i
{\displaystyle \nabla _{i}} は、粒子
i
{\displaystyle i} の位置に対する偏微分を表し、ポテンシャルの勾配は次のように変更される。∇
i
V
(
{
r
i
(
t
)
})
(
∂
∂
x
i
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
,
∂
∂
y
i
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
,
∂
∂
z
i
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
)
T
(i
1
,
…
,
N
)
.
{\displaystyle \nabla {i}V({{\boldsymbol {r}}{i}(t)})=\left({\frac {\partial }{\partial x_{i}}}V({{\boldsymbol {r}}{i}(t)}),{\frac {\partial }{\partial y{i}}}V({{\boldsymbol {r}}{i}(t)}),{\frac {\partial }{\partial z{i}}}V({{\boldsymbol {r}}_{i}(t)})\right)^{T}\quad (i=1,\dots ,N).}
また、ポテンシャルの時間微分は、それぞれの粒子の速度と粒子が感じるポテンシャルの勾配の内積をすべて足しあわせたものになる。d
V
d
t
(
{
r
i
(
t
)
})
∑
i
1
N
d
r
i
(
t
)
d
t
⋅
∇
i
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
.
{\displaystyle {\frac {dV}{dt}}({{\boldsymbol {r}}{i}(t)})=\sum {i=1}^{N}{\frac {d{\boldsymbol {r}}{i}(t)}{dt}}\cdot \nabla {i}V({{\boldsymbol {r}}_{i}(t)}).}
系になされる仕事は、各粒子に対する仕事の和になる。W
(
t
1
,
t
2)
∑
i
1
N
∫
t
1
t
2
F
i
(
{
r
i
(
t
)
}
,
t
)
⋅
d
r
i
(
t
)
.
{\displaystyle W(t_{1},t_{2})=\sum {i=1}^{N}\int {t_{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {F}}{i}({{\boldsymbol {r}}{i}(t)},t)\cdot d{\boldsymbol {r}}_{i}(t).}
以上のことから、力学的エネルギー保存の法則は次のように表される。∑
i
1
N
∫
t
1
t
2
f
i
(
t
)
⋅
d
r
i
(
t)
{
V
(
{
r
i
(
t
2
)
}
)
+
∑i
1
N
(
1
2
m
i
|
d
r
i
(
t
2
)
d
t
|
2
)
}
−
{
V
(
{
r
i
(
t
1
)
}
)
+
∑i
1
N
(
1
2
m
i
|
d
r
i
(
t
1
)
d
t
|
2
)
}
.
{\displaystyle \sum {i=1}^{N}\int {t_{1}}^{t_{2}}{\boldsymbol {f}}{i}(t)\cdot d{\boldsymbol {r}}{i}(t)=\left{V({{\boldsymbol {r}}{i}(t{2})})+\sum {i=1}^{N}\left({\frac {1}{2}}m{i}\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}{i}(t{2})}{dt}}\right|^{2}\right)\right}-\left{V({{\boldsymbol {r}}{i}(t{1})})+\sum {i=1}^{N}\left({\frac {1}{2}}m{i}\left|{\frac {d{\boldsymbol {r}}{i}(t{1})}{dt}}\right|^{2}\right)\right}.}
一粒子の場合と異なり、各粒子の運動エネルギーの総和と系のポテンシャルの和が系の力学的エネルギーの役割を果たしている[注 10]。量子力学
量子力学においてもエネルギー保存の法則は厳密に成立する。量子力学において、あらゆる物理量はそれに対応するエミルート作用素として定義される[注 11]。閉じた系のエネルギーを与える作用素は、古典力学のハミルトニアンに対応する作用素
H
^
{\displaystyle {\hat {H}}} である[注 12]。物理量
O
^
{\displaystyle {\hat {O}}} の期待値の時間微分を計算すると、d
d
t
⟨
ψ
|
O
^
|
ψ⟩
(
∂
∂
t
|
ψ
⟩
∗
)
O
^
|
ψ
⟩
+
|
ψ
⟩
∗
∂
∂
t
O
^
|
ψ⟩
i
ℏ
(
−
ℏ
i
∂
∂
t
|
ψ
⟩
)
∗
O
^
|
ψ
⟩
+
|
ψ
⟩
∗
i
ℏ
ℏ
i
∂
∂
t
O
^
|
ψ⟩
i
ℏ
{
(
H
^
|
ψ
⟩
)
∗
O
^
|
ψ
⟩
+
|
ψ
⟩
∗
ℏ
i
(
∂
O
^
∂
t
+
O
^
∂
∂
t
)
|
ψ
⟩}
i
ℏ
{
|
ψ
⟩
∗
H
^
∗
O
^
|
ψ
⟩
+
|
ψ
⟩
∗
(
ℏ
i
∂
O
^
∂
t
−
O
^
H
^
)
|
ψ
⟩}
⟨
ψ
|
(
∂
O
^
∂
t
+
i
ℏ
{
H
^
O
^
−
O
^
H
^
}
)
|
ψ
⟩
{\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {d}{dt}}\left\langle \psi \right\vert {\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle &=\left({\frac {\partial }{\partial t}}\left\vert \psi \right\rangle ^{}\right){\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle +\left\vert \psi \right\rangle ^{}{\frac {\partial }{\partial t}}{\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle \&={\frac {i}{\hbar }}\left(-{\frac {\hbar }{i}}{\frac {\partial }{\partial t}}\left\vert \psi \right\rangle \right)^{}{\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle +\left\vert \psi \right\rangle ^{}{\frac {i}{\hbar }}{\frac {\hbar }{i}}{\frac {\partial }{\partial t}}{\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle \&={\frac {i}{\hbar }}\left{\left({\hat {H}}\left\vert \psi \right\rangle \right)^{}{\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle +\left\vert \psi \right\rangle ^{}{\frac {\hbar }{i}}\left({\frac {\partial {\hat {O}}}{\partial t}}+{\hat {O}}{\frac {\partial }{\partial t}}\right)\left\vert \psi \right\rangle \right}\&={\frac {i}{\hbar }}\left{\left\vert \psi \right\rangle ^{}{\hat {H}}^{}{\hat {O}}\left\vert \psi \right\rangle +\left\vert \psi \right\rangle ^{*}\left({\frac {\hbar }{i}}{\frac {\partial {\hat {O}}}{\partial t}}-{\hat {O}}{\hat {H}}\right)\left\vert \psi \right\rangle \right}\&=\left\langle \psi \right\vert \left({\frac {\partial {\hat {O}}}{\partial t}}+{\frac {i}{\hbar }}\left{{\hat {H}}{\hat {O}}-{\hat {O}}{\hat {H}}\right}\right)\left\vert \psi \right\rangle \end{aligned}}}
となり、
O
^
{\displaystyle {\hat {O}}} の時間発展を記述する作用素が得られる。ここでシュレーディンガー方程式、H
^
|
ψ
(
t
)⟩
−
ℏ
i
∂
∂
t
|
ψ
(
t
)
⟩
{\displaystyle {\hat {H}}\left\vert \psi (t)\right\rangle =-{\frac {\hbar }{i}}{\frac {\partial }{\partial t}}\left\vert \psi (t)\right\rangle }
を用い時間微分作用素をハミルトニアンに書き換えた。またハミルトニアンが自己共役であることを用いた。
O
^
{\displaystyle {\hat {O}}} がハミルトニアンであるなら、交換子の項はゼロになる。[
H
^
,
O
^
]
:=
H
^
O
^
−
O
^
H^
H
^
H
^
−
H
^
H^
0.
{\displaystyle \left[{\hat {H}},{\hat {O}}\right]:={\hat {H}}{\hat {O}}-{\hat {O}}{\hat {H}}={\hat {H}}{\hat {H}}-{\hat {H}}{\hat {H}}=0.}
このとき期待値の時間微分は以下のようになる。d
d
t
⟨
ψ
|
H
^
|
ψ⟩
⟨
ψ
|
∂
H
^
∂
t
|
ψ
⟩
.
{\displaystyle {\frac {d}{dt}}\left\langle \psi \right\vert {\hat {H}}\left\vert \psi \right\rangle =\left\langle \psi \right\vert {\frac {\partial {\hat {H}}}{\partial t}}\left\vert \psi \right\rangle .}
外部系との相互作用がない孤立系を考えると、ハミルトニアン
H
^
{\displaystyle {\hat {H}}} にはあらわな時間依存性がないので、エネルギー保存の法則が成り立っている。∂
H
^
∂t
0
⇒
d
d
t
⟨
ψ
|
H
^
|
ψ⟩
0.
{\displaystyle {\frac {\partial {\hat {H}}}{\partial t}}=0~\Rightarrow ~{\frac {d}{dt}}\left\langle \psi \right\vert {\hat {H}}\left\vert \psi \right\rangle =0.}
時間とエネルギーの不確定性関係のために短時間ではエネルギー保存則が破れるという記述もあるが、それは摂動論における自由ハミルトニアン部分の保存則の破れにすぎず、相互作用項まで加えた全エネルギーは常に厳密に保存する(詳しくは不確定性原理のページを参照)。注意
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出典検索?: “エネルギー保存の法則” – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2012年11月)
「《エネルギー保存の法則》が成り立つ」ということは「(有用な)エネルギーはいくら使ってもなくならない」という意味ではない(第二種永久機関の否定)。エネルギー保存の法則は、エネルギー問題においては直接的には第一種永久機関の否定という面でかかわりを持つ。脚注
[脚注の使い方]
注釈
^ Remark upon the Forces of the Inanimate Nature, 無生物界の力についての所見。
^ On the Conservation of the Force.
^ On the Moving Force of the Heat.
^ このドイツ語を英語に翻訳すると、”Does the inertia of a body depend upon its energy-content? ” となる。
^ 厳密には成立していないが、ごく平凡な古典力学的な状況設定や、ごく平凡な化学反応においては、質量の増減は無視できるほど小さく、成立しているとして扱っても問題ないので、現在でも“質量保存則”は様々な計算をするための簡便な近似として用いられている。
^ Invariant Variation Problems.
^ 一般の内積と区別して、しばしばドット積(点乗積)と呼ばれる。
^ ポテンシャル・エネルギーとも書かれる。
^ 方程式から明らかなように、操作の途中においては粒子の運動エネルギーを変化させてよい。
^ ポテンシャル
V
(
{
r
i
(
t
)
}
)
{\displaystyle \scriptstyle V({{\boldsymbol {r}}_{i}(t)})} は一つの多粒子系に対して与えられることに注意。
^ 物理学の文献では自己共役作用素はエルミート演算子、作用素の自己共役性は演算子のエルミート性 と呼ばれることも多い。物理量の測定値が実数であること(固有値が実数であること)、その固有状態が完全系をなすなどの理由から、物理量に対応する作用素には自己共役性が課される。
^ こちらの作用素もハミルトニアンと呼ぶ。区別する場合には、「古典力学のハミルトニアン」、「量子力学のハミルトニアン」と呼ぶが、単にハミルトニアンという場合には量子力学における作用素を指すことが多い。
出典
^ a b 朝永振一郎『物理学読本』(第2)みすず書房、1981年、78頁。ISBN 4-622-02503-5。
^ ウィキソース出典 Renatus Cartesius (ラテン語), Principia philosophiae, ウィキソースより閲覧。
^ a b Daniel Garber (1992). “Descartes’ Physics”. In John Cottingham. The Cambridge Companion to Descartes. Cambridge University Press. pp. 310–319. ISBN 0-521-36696-8
^ William John Macquorn Rankine C.E.F.R.S.E.F.R.S.S.A. (1853), “On the general Law of the Transformation of Energy”, Philosophical Magazine, 4 5 (30): 106-117, doi:10.1080/14786445308647205
^ J. R. Mayer (1842), Justus Liebig (Editor), “Bemerkung über die Kräfte der unbelebten Natur”, Annalen der Chemie und Pharmacie 42: 233-240.
^ Hermann von Helmholtz (1847), Über die Erhaltung der Kraft, G. Reimer Berlin.
^ R. Clausius (1850), “Über die bewegende Kraft der Wärme , Part I, Part II”, Annalen der Physik 79: 368–397, 500–524.
^ R. Clausius (1851), “On the Moving Force of Heat, and the Laws regarding the Nature of Heat itself which are deducible therefrom”, Phil. Mag., 4 2: 1–21, 102–119. Google Books. Clausius 1850 の英訳版。
^ A. Einstein, Ist die Trägheit eines Körpers von seinem Energieinhalt abhängig?, Annalen der Physik 18: pp.639–641, 1905.
^ A. Einstein, Does the Inertia of a Body depend upon its Energy-Content?, 1905. John Walker (fourmilab.ch) による英訳版 (pdf)。
^ 武谷 三男, 豊田 利幸, 中村 誠太郎『現代物理学(原子核)』 第八巻、岩波書店〈岩波講座〉、1959年、197–201頁。
^ E. Nöther (1918), “Invariante Variationsprobleme”, Nachrichten von der königliche Geselschaft der Wissenschaften zu Göttingen: 235-257.
^ E. Noether (1918), Invariant Variation Problems. M. A. Tavel による英訳。
^ 須藤靖『解析力学・量子論』(初)東京大学出版会、2008年、39-41頁。ISBN 978-4-13-062610-1。
^ 田崎晴明『熱力学 現代的な視点から』培風館、2000年、59頁。ISBN 4-563-02432-5。
^ 久保亮五 編『大学演習 熱学・統計力学』(修訂)裳華房、1998年、5頁。ISBN 4-7853-8032-2。
^ 朝永振一郎『物理学読本』(第2)みすず書房、1981年、74頁。ISBN 4-622-02503-5。
関連項目
物理学の法則
熱力学第零法則
熱力学第二法則
熱力学第三法則
質量保存の法則
ヘスの法則
物理学に関係する人物
ベンジャミン・トンプソン(ラムフォード伯)
ニコラ・レオナール・サディ・カルノー
エミール・クラペイロン
ユリウス・ロベルト・フォン・マイヤー
ジェームズ・プレスコット・ジュール
ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ
ウィリアム・トムソン(ケルビン卿)
外部リンク
『エネルギー保存の法則』 – コトバンク
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-
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図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学 …
【東大院生が解説】エントロピーって結局何?~やたら抽象的 …
図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学 …
図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学 …
図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学 …
Untitled
すべて表示エントロピーが運動の「質」まで把握できるようになった、とは、単なる「乱雑さ」の度合いだけでなく、熱や運動の持つエネルギーがどれだけ利用可能な仕事(エネルギーの質)に変換できるかを評価できるようになったことを指します。
エントロピー増大の法則により、系が自然に放置されるとエネルギーは質が低い状態(エントロピーが高い状態)へと向かう傾向にあると理解され、この性質を通じてエネルギーの変換効率や状態の変化を、より本質的に捉えられるようになったのです。
具体的な意味合い
古典的なエントロピーから「エネルギーの質」へ
当初、エントロピーは熱力学で「無秩序さの度合い」として定義されました。
例えば、部屋が散らかっている状態(高エントロピー)と片付いている状態(低エントロピー)のようなイメージです。
しかし、この概念は、熱エネルギーがどれだけ有用な仕事に変換できるか、つまりエネルギーの「質」を評価するのにも応用できるようになりました。
エネルギーの質とエントロピーの関係
高エントロピー:のエネルギーは、質の低いエネルギーです。
たとえば、熱が広範囲に拡散した状態は熱運動が激しく(高温で)乱雑なためエントロピーが高く、仕事への変換効率も低くなります。
逆に、低エントロピーのエネルギーは、質の高いエネルギーであり、構造化されたエネルギーで、より有用な仕事に変換することが可能です。
「エントロピー増大の法則」による示唆
エントロピー増大の法則は、外部からの仕事が加えられない限り、系は常にエントロピーが増大する方向へ進むというものです。
これは、エネルギーが自然に質が低く、乱雑な状態へと移行していく傾向があることを示しています。
つまり、運動の「質」は自然に低下していく、と捉えることができるのです。
このように、エントロピーの概念は、単に「乱雑さ」を指すだけでなく、エネルギーの持つ質や、エネルギーの変換効率といったより深い側面を理解するための重要な指標となったのです。
1分子1分子の乱雑さからエントロピー変化を定量する
2024/05/31 — 発表内容 蒸機機関の効率化に端を発した熱力学研究成果の金字塔が、クラウジウスが1854年に提案したエ…東京大学 大学院理学系研究科・理学部
熱運動の原理と産業・医療への応用 – 下西技研工業株式会社
原子や分子の熱運動が激しいほど、エントロピーは高くなります。 逆に、温度が低くなるほど、熱運動は小さくなりエントロピーは…下西技研工業
レポート ・ エントロピー増大の法則
エントロピーという言葉を使って表現すれば、すべての事物は、「それを自然のままにほっておくと、そのエントロピーは常に増大し…
ワシモ(WaShimo)のホームページすべて表示
AI モードでさらに詳しくAI の回答には間違いが含まれている場合があります。 詳細 』
-
『物理学・化学
「エントロピー」という概念がよくわかりません。部屋は汚くなるが、キレイにはならない、みたいな例えをたまに聞きますが。。。良ければこの概念を理解するために有益そうなことを教えて頂きたいです。』https://mond.how/ja/topics/25cvmio3xol00zd/t242v2yde410hdy
『白石直人
匿名フォロー
東京大学総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系准教授。専門は理論物理、特に非平衡統計力学。 アウトリーチ活動にも関心あり。過去には仮面ライダービルドの物理学アドバイザーも務める。 人文・社会科学系含めて読書は幅広く行っており、別冊文藝春秋にてブックガイド記事を連載中。「エントロピー」が何であるのか理解しづらいのは、エントロピーが複数の分野で異なる対象に対して異なる方法で定義されているからです。
勿論異なる定義の量が同じ「エントロピー」という名前で呼ばれているのは、それらに似ている側面が少なくないからですが、しかし基本的設定や定義が異なることは意識しておくとよいでしょう。
熱力学は、「マクロな平衡状態の系の遷移」を扱う分野です。
平衡状態というのは、大雑把に言えば、完全に緩和が終わった後の、流れもなく一様な状態のことです。例えば一様な水とか気体とかはその例です。
熱力学における「エントロピー」は、断熱操作で状態が移り変われるかを特徴づける量として定義できます。
断熱操作というのは、イメージとしては「絶対熱が逃げない魔法瓶」の中にあるような状況です。外とのエネルギーのやり取りは、ピストンを押したり引いたりすることによってのみ可能です。
このような断熱操作で、ある状態Xが別の状態Yに移り変われるには、XのエントロピーS(X)がYのエントロピーS(Y)よりも小さい必要があります。
言い換えれば、エントロピーは減ることがなく、常に増えていくということです。
これは「エントロピー増大則」と呼ばれています。熱力学のエントロピーは、変化の不可逆性を特徴づけている、ともしばしばいわれます。
平衡統計力学は、「対象とする物体のミクロな知識から、マクロな性質(エントロピーなどの量)を導く」ことを行う分野です。
平衡統計力学でもエントロピーが定義されており、これは「ボルツマンエントロピー」とも呼ばれます。
ある物体のあるマクロな平衡状態におけるボルツマンエントロピーは、対象となる物体がそのマクロな平衡状態であるような「とりうるミクロな状態の総数」の対数で定義されます。
例えばマクロな平衡状態がエネルギーE、体積V、粒子の数Nで指定されているのならば、「とりうる状態の総数」というのは、体積Vの容器中にN個の粒子を配置する方法で、エネルギーがEであるような方法の総数のことです。
とりうるミクロな状態の数が多ければ多いほど、ボルツマンエントロピーは大きくなります。
平衡統計力学のボルツマンエントロピーは、とりうる状態の広さを特徴づけている、とも言われます。
そして、ミクロな方法で定義されたボルツマンエントロピーは、マクロな状態の変化可能性を用いて定義された熱力学のエントロピーと一致します。これは「ボルツマンの原理」と呼ばれているものです。
エントロピーは、物理だけでなく情報理論でも用いられています。
情報理論における「シャノンエントロピー」は、確率的に生じる事象に対して定義されており、そこで生じる事象がどれくらい不確かなのか(予測しづらいか)を定量化しています。
何が起きるのかを予測しやすい場合(例えば、(重りを仕込んでいるので)高い確率で6の目が出るサイコロを振る)にはシャノンエントロピーは小さい値をとり、何が起きるのかを予測しづらい場合(例えば、均等なサイコロを振る)にはシャノンエントロピーは大きな値をとります。
情報理論のシャノンエントロピーは、乱雑さを特徴づけている、とも言われます。
シャノンエントロピーとボルツマンエントロピーにもつながりがあります。
あるマクロな平衡状態に対応するミクロな状態がすべて等確率で出現するとします。
すると、この状態出現に対するシャノンエントロピーは、ボルツマンエントロピーに一致することが示せます。
ただし、両者は異なる対象に対して定義されていることは意識しておく必要があります。
サイコロに対してはシャノンエントロピーは定義可能ですが、ボルツマンエントロピーは定義されていません。注意しておきたいのは、熱力学のエントロピーも、平衡統計力学のボルツマンエントロピーも、マクロな平衡状態に対して定義されている量だということです。
マクロな平衡状態ではない対象、例えばあなたの部屋、に対しては、これらの量はどちらも定義されていません。
また、シャノンエントロピーは確率的に生じる出来事に対して定義されている量です。
もしあなたの部屋の状況が、サイコロを振った際の出目のように「何か確率的に事象が起きる」とみなせるのならば、あなたの部屋のシャノンエントロピーは定義できます。
しかしそうでないならば、あなたの部屋のシャノンエントロピーという量は定義されません。
世間で用いられる「エントロピー」の少なくない場合は、これらのエントロピーがどれも定義されていない対象に対して、ただアナロジーとして用いられています。
』 -
『熱力学においてエントロピーを考える計算上のメリットは、系が自然に変化する方向や究極の状態を判断する尺度となることです。エントロピー増大の法則により、エントロピーが増加する方向への自発的な変化は計算可能になり、エントロピーが最大値に達すると平衡状態に達することがわかります。これにより、エネルギーの流れや仕事の変換効率など、現実世界の熱力学現象の予測や分析を容易にします。
具体的なメリット
自発的プロセスの予測と判断
: 自然に起こるプロセスはエントロピーが増加する方向へ進みます。エントロピーという概念を導入することで、あるプロセスが自発的に進行するかどうか、またその進行方向を定量的に判断する基準が得られます。平衡状態の判定
: 系が非平衡から平衡状態へと向かうとき、エントロピーは最大値に達します。エントロピーの増大という視点から計算することで、系が最終的にどのような平衡状態に落ち着くかを予測できます。エネルギー変換効率の限界の理解
: 熱機関の効率など、エネルギーの変換プロセスにおけるエントロピーの増大を追跡することで、実現可能な最大効率の限界を計算的に理解し、評価することができます。マクロな現象のミクロな視点からの説明
: 統計力学的な観点からエントロピーは、多数の分子の配置の「場合の数」の多さ、すなわちミクロな状態の多様性に対応します。このミクロな視点を取り入れることで、マクロな状態変化(不可逆過程)がなぜ起こるのかを計算的に説明できるようになります。エントロピー – Wikipedia
エントロピー(英: entropy)は、熱力学や統計力学、情報理論などにおいて定義される示量性の状態量のひとつである。 エントロピーはエネルギーを温度で割った次元を持ち、国際単位系における単位はジュール毎ケルビン(記号: J/K)である。 エントロピーと同じ次元を持つ量として熱容量がある。
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Wikipedia【東大院生が解説】エントロピーって結局何?~やたら抽象的な概念を …
Jun 22, 2025 — この統計力学的な解釈は、熱力学の「エントロピー増大の法則」にミクロな視点からの裏付けを与えました。 つまり、自然は、より「確率の高い」状態、すなわち「場合の数が多い」状態へと自発的に移り変わっていく。 これが、エントロピーが増大する本当の理由だったのです。
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note熱力学の基礎入門~数学的な基本原理から熱力学を学ぶ~|マスログ
Oct 3, 2021 — が最大になるとき,その場合に限り複合系は平衡状態になります. その時の複合系のエントロピーは\hat{S} の最大値になります.
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『熱力学におけるエントロピーは、「システムの乱雑さ(無秩序度)の度合い」を示す物理量であり、エントロピーが増加する方向に自然現象が進行することを示す「熱力学第二法則」の中心的な概念です。
具体的には、熱力学系が吸収した熱量をそのときの絶対温度で割った値として定義され、不可逆なプロセス、つまり元に戻れない自然現象(例:水に垂らしたインクが広がる)でエントロピーは増大します。
エントロピーの主な特徴
乱雑さの指標:
秩序がある状態(例:氷の結晶)はエントロピーが低く、乱雑な状態(例:水になって動き回る分子)はエントロピーが高いとされます。不可逆性の表現:
熱は高温から低温へ流れるように、自然界の多くの変化はエントロピーが増加する方向に進みます。例えば、広がったインクは自然に元の1滴に戻ることはありません。計算方法:
熱力学的なエントロピー変化は、可逆的な過程で系に吸収された熱量(δQ)をその時点の絶対温度(T)で割った値(δQ/T)を積分することで得られます。熱力学第二法則:
孤立した系では、エントロピーは常に増大するか、変化が全くない場合でも一定に保たれます。これは自然に起こりうるすべての現象がこの法則に従うことを意味します。例による理解
インクが広がる現象:
水にインクを1滴落とすと、インク分子は水の中で広がり、全体に拡散します。この拡散した状態は、もとの1滴の状態よりも分子が乱雑であるため、エントロピーが増大した状態と言えます。氷が溶ける現象:
氷が溶けて水になると、氷の結晶構造に固定されていた水分子が自由に動き回るようになります。これにより分子の動きがより自由で乱雑になるため、エントロピーが増加します。エントロピー – Wikipedia
エントロピーはエネルギーを温度で割った次元を持ち、国際単位系における単位はジュール毎ケルビン(記号: J/K)である。 …Wikipedia
「エントロピー」って何? 複雑な定義を身近な事例でわかり …
2024/04/23 — 熱力学における重要な概念 エントロピーは、物理学の一分野である「熱力学」に登場する概念です。 熱力学…HugKum
図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学の …
2021/04/28 — 1. エントロピーとは?(簡単な説明) エントロピーとは簡単にいうと「無秩序な状態の度合い(=乱雑さ…jp.dreamscope.me
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アデノシン三リン酸(wiki)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%87%E3%83%8E%E3%82%B7%E3%83%B3%E4%B8%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8


『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アデノシン三リン酸{{{画像alt1}}}
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IUPAC名[表示]識別情報
CAS登録番号
56-65-5
ECHA InfoCard 100.000.258 ウィキデータを編集
KEGG
C00002
CompTox Dashboard (EPA)
DTXSID6022559 ウィキデータを編集
特性
化学式 C10H16N5O13P3
モル質量 507.181 g/mol
酸解離定数 pKa 6.5
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。アデノシン三リン酸(アデノシンさんリンさん、英: adenosine triphosphate)とは、アデノシンのリボースに3分子のリン酸が付き、2個の高エネルギーリン酸結合を持つヌクレオチドである。
リボースの5位の炭素に、リン酸が結合しているため、アデノシン 5′-三リン酸などとも書かれる。
しばしば「adenosine triphosphate」から取ったアルファベットを並べて「ATP(エー・ティー・ピー)」と呼称される。本稿では以後、ATPと略記する。
所在
ATPは真核生物や真正細菌など、既知の地球生物の全ての細胞が利用している解糖系でも産生される物質であるため、地球上の生物の体内に広く分布する。
生体内では、リン酸1分子、または、リン酸2分子が離れたり結合したりする事で、エネルギーの放出・貯蔵を行う[1]。
なお例えば、糖に限らず、真核生物が脂肪酸やアミノ酸などをエネルギーとして利用する際も、例えば、一部はGTPに変換されて、そのままGTPが別の用途に用いられる場合など例外はあるものの、主にATPに変換してからエネルギーとして利用し、色々な用途に活用している。
これらの理由のため、既知の地球生物の各細胞には普遍的にATPが存在する。
なお、しばしば地球生物の細胞は、ATPを経由して物質のエネルギーを利用しているため、ATPは「生体のエネルギー通貨」とも形容される。
構造とエネルギー
プリン塩基であるアデニンに、単糖のリボースがN-グリコシド結合により結合したアデノシンを基本構造として、リボースの 5′-ヒドロキシ基にリン酸エステル結合によりリン酸基が結合し、さらにリン酸が2分子連続して無水結合で結合した構造である。
この、リン酸基同士の結合(リン酸無水結合)は、エネルギー的に不安定であり、このリン酸基の加水分解による切断反応や、他の分子にリン酸基を転移させる反応(切断した両リン酸基の端に、反応により新たに生成する、より安定な化学結合の生成に伴って)で、エネルギーを放出する。
ATPのリン酸基の加水分解や転位反応は、正味の自由エネルギーの減少を伴うエネルギー放出反応であり、あたかもATPのリン酸基同士の結合の切断が生体内の化学反応の実質的な推進力であるかのように見えるため、この意味において、この結合は「高エネルギーリン酸結合」と呼ばれており、これはリン原子が3つ繋がった状態である[2]。
エネルギーの収支式を以下に示す(ΔG°’(標準自由エネルギー変化))。
ATP + H2O → ADP(アデノシン二リン酸) + Pi(リン酸)
ΔG°’ = −30.5 kJ/mol (−7.3 kcal/mol)
ATP + H2O → AMP(アデノシン一リン酸、アデニル酸) + PPi(ピロリン酸)ΔG°’ = −45.6 kJ/mol (−10.9 kcal/mol)
この標準自由エネルギー変化は、一般的なリン酸エステル化合物のリン酸エステル結合の加水分解の標準自由エネルギー変化(ΔG°’ = −3〜4 kcal/mol)などに比べ非常に大きいので、このようなリン酸エステル化合物が、ATPからのリン酸基の転移により生成する反応の標準自由エネルギー変化は、全体として負の値であり、この反応はATPからリン酸エステル化合物へのリン酸転移の方向に自発的に進む。
さらに細胞内では、ATP濃度はADPの10倍程高く、リン酸濃度も標準状態 (1.0 M) より、はるかに低い (1〜10 mM程度) ため、細胞内の環境ではATPの高エネルギーリン酸結合の加水分解に伴って実際に放出されるエネルギー(自由エネルギー変化 ΔG)は、より大きく、−10〜11 kcal/mol に達する。
生合成
ATPは主にATP合成酵素において酸化的リン酸化、光リン酸化によって生じる。
ADP + Pi → ATP
また、解糖系やクエン酸回路などでもATPは合成される。
→好気呼吸によるATPの収支式については「好気呼吸」を参照
GTP(グアノシン三リン酸)については、以下の反応式でATPと相互変換する。
GTP + ADP ⇔ GDP + ATP (ΔG°’ 〜0)
また、細胞内では、アデニル酸キナーゼの働きにより、ATP, ADP, AMPが次の反応による平衡混合物として存在し、ATPはADPからも一部再生される。
2 ADP ⇔ ATP + AMP (ΔG°’ 〜0)
ATPの役割
ATPはエネルギーを要する生物体の反応素過程には必ず使用されている。
例えば、哺乳類の骨格筋100 gあたりに、ATPは0.4 g程度存在する。反応・役割の例については、以下の物などが挙げられる。
解糖系 – グルコースのリン酸化など。
筋収縮 – アクチン・ミオシンの収縮。
能動輸送 – イオンポンプなど。
生合成 – 糖新生、還元的クエン酸回路、尿素回路など。
タンパク質の形状正常化 – タンパク質の安定化に関わる分子シャペロンもATPを利用する。
原料 – アデニル酸サイクラーゼによって、ATPはcAMPに変換される。また、RNA合成の前駆体などでもある。発光タンパク質 – ルシフェラーゼなど。
発電 – 電気ウナギに見られる筋肉性発電装置。
発熱 – 反応の余剰エネルギーなど。
なお、リン酸基の付加はリン酸基転移酵素(キナーゼ)によって行われる。
用途
有効成分としてATP-2Naを配合した内服薬
ATPは、医薬品としても利用されている。
日本では2011年現在、調節性眼精疲労の症状改善、消化管機能低下が起きている者の慢性胃炎の症状改善、心不全の症状改善、頭部外傷後遺症の症状改善に用いられる[3]。
この他、2017年現在、日本ではATPの顆粒製剤のみは、メニエール病や内耳障害を原因とするめまいの改善にも用いられる[4]。
なお、消化管機能低下が起きている者の慢性胃炎については軽症患者の自覚症状の改善に有効だったとされている[5]。
歴史
1929年 – Fiske、Subbarowら、そしてLoehmannによって独自に、不安定なリン酸結合を持つヌクレオチドとして発見された。
当初、ATPはエネルギー通貨ではなく、リン酸供与体の一部として認識されていた。
1931年 – Loehmann、Meyerhofによって解糖系にATPが用いられる事が明らかになった。
1939年 – Engelhardtらによって、筋収縮のタンパク質であるミオシンが、ATPを加水分解する活性を有する事が明らかになった。
同年、フリッツ・アルベルト・リップマンによってATPは代謝に中心的な役割を果たしている事が提唱された。
1941年 – セント=ジェルジ・アルベルトによってミオシンが、ATPによって収縮する事が明らかになった。
1942年 – セント=ジェルジによってアクチン、ミオシン、ATPが筋収縮の基本的な構成単位である事が明らかになった。
これらのハンガリー学派の筋収縮に関する一連の研究が「ATPは生体のエネルギー通貨」であるという認識を構築していった。
また、ATPが能動輸送に関係することが1957年、イェンス・スコウらによって明らかにされ(Na+, K+-ATPaseの発見)、ATP利用系のフォーマットが現在に至るまで構築されている。
ATP合成系の歴史については、以下の通りである。
1951年 – Lehningerによって呼吸鎖複合体の電子伝達およびATPの合成は共役しているという「酸化的リン酸化」が提唱された。
1961年 – Mitchellによってプロトンの電気化学ポテンシャルがATPの合成に寄与していると言う「化学浸透圧仮説」が提唱された。
1963年 – Avronによって葉緑体のチラコイド膜上に球状突起が見出され、この構造体がATP合成に関係した酵素であると推定された。
1966年 – Jagendorfらによって葉緑体でのpHジャンプによるATP合成系のモデルが提唱された。
1975年 – RackerとStoeckeniusによって、脂質二重層を用いたATP合成酵素およびバクテリオロドプシンの実験によって、ATP合成が電気化学的ポテンシャルによって行われる事を明らかにした。
1978年 – 化学浸透圧説を唱えたMitchellがノーベル化学賞を受賞した。
1981年 – BoyerがATP合成酵素の「回転触媒仮説」を提唱した。
1994年 – WalkerらによってウシATP合成酵素のF1サブユニットのX線結晶構造解析が行われ、その立体構造が明らかになった。
1997年 – Boyer、WalkerらがATP合成酵素の反応素過程を解明した業績で、ノーベル化学賞を受賞した。
2008年 – 岡山大学の森山芳則教授らの研究グループがATPのトランスポーターを特定し、3月25日『米国科学アカデミー紀要 (PNAS)』電子版に掲載・発表された論文において、これを「小胞型ヌクレオチド・トランスポーター (vesicular nucleotide transporter, VNUT)」と命名した[6][7]。
脚注・参考文献
^ デジタル大辞泉【アデノシン三リン酸】(アデノシンさんりんさん)
^ ただし、結合自体がエネルギーを持つわけではない:この化学結合の切断は、吸エネルギー反応である。
^ ATP腸溶錠(p.1)
^ ATP腸溶錠・ATP顆粒剤(p.11)
^ ATP腸溶錠・ATP顆粒剤(p.15)
^ Sawada, K.; Echigo, N.; Juge, N.; Miyaji, T.; Otsuka, M.; Omote, H.; Yamamoto, A.; and Yoshinori Moriyama (April 15, 2008) “Identification of a vesicular nucleotide transporter” Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2008 105: 5683-5686; doi:10.1073/pnas.0800141105
^ VNUTによって神経末端のシナプス小胞に運ばれたATPは貯蔵された後、外部に放出されて疼痛を発生させたり血管を収縮したりするため、VNUTが抑制できれば痛み・血管収縮を管理することが可能かもしれないと考えられている。
関連項目ウィキメディア・コモンズには、アデノシン三リン酸に関連するカテゴリがあります。
呼吸
解糖系
電子伝達系
ATP合成酵素(ATPシンターゼ)
アデノシン三リン酸フォスファターゼ(ATPアーゼ)
環状アデノシン一リン酸 (cAMP)
ATP測定法(ATP拭き取り検査)
表話編歴
核酸の構成要素
表話編歴
補因子
表話編歴
食品科学
表話編歴
代謝、異化、同化
表話編歴
代謝マップ
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カテゴリ: 代謝経路生体物質プリンヌクレオチド補酵素最終更新 2025年6月20日 (金) 08:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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