『アメリカと国連海洋法条約(UNCLOS)の間には、「条約に加盟(批准)していないにもかかわらず、そのルールを誰よりも強く支持し、他国に守らせようとしている」という、非常にねじれた複雑な関係があります。 [1, 2]
大きく分けて、以下の3つのポイントで説明できます。
1. なぜアメリカはUNCLOSを「批准」していないのか?
アメリカは1982年の条約採択時から現在に至るまで、UNCLOSを批准していません。
歴代の大統領(オバマ氏やバイデン氏など)や米軍は「批准すべきだ」と主張してきましたが、議会上院の強い反対によって阻まれてきました。 [1, 2, 3, 4]
主な理由は「深海底(しんかいてい)の開発ルール」への反発です。 [2, 5]
- 社会主義的であるという不満: 条約には、どの国にも属さない深海底の鉱物資源を「人類の共同遺産」とし、国際機関が管理して途上国に利益を分配する仕組みがあります。 [2, 6]
- 自国企業の不利益: アメリカの保守派や産業界は、「アメリカの優れた技術や資本で得た利益を、なぜ見ず知らずの国や国際機関に分け与えなければならないのか」「民間企業の自由競争を阻害する」として猛反発しました。 [2, 5]
- 主権の侵害への警戒: 国際機関に規制されたり、国際裁判所に決定権を握られたりすることを嫌う、アメリカ伝統の「孤立主義・主権至上主義」も背景にあります。 [3, 7]
2. 未批准なのに「ルール」は守っている?
批准はしていませんが、アメリカはUNCLOSの内容を「慣習国際法(国際社会の一般的な共通ルール)」として受け入れ、実質的には遵守しています。
アメリカ自身も、条約に沿って「12海里の領海」や「200海里の排他的経済水域(EEZ)」を国内法で設定しています。 [1, 2, 4, 8]
つまり、「条約という組織には入らないが、そこで決まったマナー(航行の自由など)は自分たちも守るし、他国にも守らせる」というスタンスをとっています。 [1, 9, 10]
3. 国際政治における「ジレンマ」と批判
このねじれた関係は、特に南シナ海などで覇権を強める中国との対立において、アメリカの弱点(ジレンマ)になっています。
- 中国からの反論: アメリカが「中国は国際法(UNCLOS)を守れ」と批判すると、中国側から「そもそもお前たちは条約に入っていない(批准していない)くせに、偉そうに言うな」と言い返される口実を与えています。 [1, 5, 11]
- 「航行の自由作戦」での強行: アメリカは条約に縛られない独自の手段として、軍艦を南シナ海などに派遣する航行の自由作戦(FONOP)を頻繁に行い、「ここは国際法上、誰もが自由に通れる海だ」と実力でルールを証明し続けています。 [9, 12]
現在もアメリカ議会では批准を求める決議案(S.Res.331など)が定期的に提出されていますが、政治的な対立から批准の目処は立っていません。 [3, 13]
アメリカのこうした姿勢や、南シナ海での中国との具体的な衝突(航行の自由作戦など)について、さらに掘り下げたい内容はありますか?
[1] https://x.com
[2] https://wedge.ismedia.jp
[3] https://www2.jiia.or.jp
[4] https://en.wikipedia.org
[5] https://news.yahoo.co.jp
[6] https://oceanfdn.org
[7] https://www.y-history.net
[8] https://www.congress.gov
[9] https://www.mod.go.jp
[10] https://www.jcgf.or.jp
[11] https://news.yahoo.co.jp
[12] https://www.mod.go.jp
[13] https://www.congress.gov
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