『まとめ: 2025年版米国国家安全保障戦略(NSS)は、従来の「普遍的価値」重視から「主権優先・文明防衛」へ大きく転換したため、各国で賛否が分かれています。欧州は強い批判、日本は協力を求められ、中国は強く反発、という構図が鮮明です。
🌍 各国・地域の反応
🇪🇺 欧州
ドイツ首相メルツは「文明の消滅」という表現を批判し、米国の欧州民主主義への介入姿勢を拒否。「欧州は自ら安全保障を担うべき」と強調。
欧州全体では「反移民政党を支援する意図がある」と受け止められ、米国の内政干渉的姿勢に警戒感が広がっている。
一方で、ロシアや中国への対抗姿勢は理解できる部分もあるとされ、完全否定ではないが「欧州自立」を促す契機になっている。
🇯🇵 日本
NSSは「台湾有事の抑止」を最優先事項とし、日本や韓国に防衛費増額を強く要請。
日本政府は「台湾海峡の安定は死活的利益」として一定の支持を示すが、防衛負担増への国内議論が高まっている。
サプライチェーン再編や米中デカップリング方針も、日本経済に直接影響するため注視されている。
🇨🇳 中国
NSSが「インド太平洋は経済・地政学的戦場」と明記し、台湾防衛を強調したことに対し、中国は強く反発。
中国メディアは「米国が冷戦思考を復活させた」と批判し、台湾問題を「内政干渉」と位置づけている。
NSS発表直後から中国の反応は一層激化し、外交的緊張が高まっている。
🌎 その他地域
ラテンアメリカ:麻薬カルテル撲滅や中国影響排除を掲げたため、アルゼンチンなどは支援を歓迎する一方、米国の「西半球重視」シフトに懸念も。
ロシア:直接的な反応は限定的だが、ウクライナ戦争への米国の関与縮小を示唆する部分があり、ロシアに有利に働く可能性が指摘されている。
⚖️ 評価のポイント
欧州:文化・移民問題への言及が「文明論的・人種的」と批判され、米国との距離感拡大。
日本・同盟国:台湾防衛と防衛費増額要求が現実的課題として突き付けられた。
中国:台湾・南シナ海に関する記述を「挑発」とみなし、米中対立がさらに深刻化。
全体像:米国の役割は「世界の警察」から「自国利益優先」へ再定義され、国際秩序の分断を加速させる戦略と受け止められている。』
『ニューズウィーク日本版
独首相が米安保戦略批判、欧州の自立促進呼びかけ
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2025/12/581147.php
JBpress
ドナルド・トランプの米国と欧州との文明の衝突――ギデオン …
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/92165
FNNプライムオンライン
第2次トランプ政権「国家安全保障戦略」発表 日本などの同盟国に …
https://www.fnn.jp/articles/-/970917
ニューズウィーク日本版
米、台湾・南シナ海での衝突回避に同盟国に負担増要請 安保戦略
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2025/12/580826.php
The Liberty
トランプ政権が従来の常識を覆す「国家安全保障戦略」を発表し …
https://the-liberty.com/article/22556/
アゴラ 言論プラットフォーム
高市答弁への中国過剰反応の裏にある米国の25年版「国家安全 …
https://agora-web.jp/archives/251209211726.html
Note
【解説】2025年米国国家安全保障戦略(NSS) (2025.12.6)
https://note.com/takeokmt/n/n95646e99a209
Bloomberg
トランプ氏、内向き安保戦略-西半球軸足でインド太平洋重要 …