ワシントンで会談終了、ゼレンスキー大統領も欧州首脳も会談結果を称賛

ワシントンで会談終了、ゼレンスキー大統領も欧州首脳も会談結果を称賛
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『2025.08.19

トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談結果は予想を裏切るものとなり、ウクライナに領土交換を強制せず、NATO第5条に類似した安全保障への米国参加を表明し、ゼレンスキー大統領は「本当に最高の会談だった」と、欧州首脳らも「和平合意を確保する突破口になった」と絶賛した。

参考:Trump tells Zelensky to give up Crimea and never join NATO ahead of White House talks
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参考:Гарантії безпеки: Зеленський розкрив деталі запиту до США та Європи

この唐突で予想外の結果にどのような評価を与えるのかまだ定まっていない

戦争の行方を大きく左右するトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談、トランプ大統領と欧州首脳=フォンデアライエン委員長、ルッテ事務総長、スターマー首相、マクロン大統領、メルツ首相、メローニ首相、ストゥブ大統領との会談、欧州首脳による多国間会合を終え、この結果は事前の予想を大きく裏切るものとなった。

出典:The White House

ウクライナと欧州は「条件付きの停戦には応じない」「停戦後の和平交渉で条件に関する協議を行う」「条件は前線に基づいたもの」を、ロシアは「領土交換と安全保障の条件受け入れが停戦の条件」を要求し、今回の会談は「トランプ大統領がロシアの要求に同意するようゼレンスキー大統領を説得するためのもの」と言われ、状況的にはウクライナが妥協や譲歩を強いられている格好だったが、トランプ大統領は「停戦からの和平協議」というアプローチ自体をすっ飛ばして「いきなり和平協議を開始する」というアプローチを採用。

トランプ大統領は領土交換をウクライナに強制せず「ゼレンスキー大統領とプーチン大統領が直接交渉するもの」とし、ワシントンの会談で主要議題になったのは「ウクライナに提供されるNATOが関与しないNATO第5条に類似した安全保障の中身」で、トランプ大統領も「この安全保障に(米国も)参加する意思がある」に申し出たため膠着していた安全保障問題の突破口になり、ゼレンスキー大統領も「本当に最高の会談だった。これ以上の最高が将来にあるかもしれないが、本当にトランプ大統領との会談は最高だった」と、欧州首脳らも「安全保障に米国が参加することで和平合意を確保する突破口になった」と絶賛。

出典:The White House

最終的に今回の会談は「トランプ大統領とプーチン大統領の電話会談」という予定ないイベントも含め6時間以上という長いものになり、トランプ大統領は「私はプーチン大統領に電話をかけて、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の直接会談に関する準備を始めた」「この会談は私も参加する三ヶ国会談になる」「ウクライナとロシアの和平に関する可能性について誰もが非常に喜んでいる」と述べ、この唐突で予想外の結果にどのような評価を与えるのかまだ定まっていない。

因みにFinancial Timesは19日「ウクライナは戦後の安全保障に対する米国の保証を得るため、欧州の資金援助で1,000億ドル=約14.7兆円相当の米国製兵器購入を約束する」「ウクライナは米国が欲しがっているドローン技術についても両国間で500億ドル=約7.3兆円規模のドローン生産契約を締結する」「これはウクライナへの関与が米防衛産業の恩恵に繋がることを訴えるものだ」と報じており、これが事実なら戦後のウクライナ軍は大幅な近代化を果たすことになる。

追記:ゼレンスキー大統領は会談終了後の会見で「ウクライナが米国と欧州に要請する安全保障のビジョンを提示した」「この内容はパートナーらと調整中で10日以内に正式化されるだろう」と述べ、主な内容について「安全保障を実現するための資金調達」「約900億ドル相当の米国製兵器購入パッケージ」「ドローン輸出を解禁した際に米国がウクライナ製ドローンを購入する合意」を上げ、Financial Timesの報道内容が事実であると裏付けられた。

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※アイキャッチ画像の出典:The White House 』