ゼレンスキー氏に引けぬ事情 米ウクライナ首脳会談決裂
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28C740Y5A220C2000000/
『2025年3月1日 6:37 (2025年3月1日 7:40更新) [会員限定記事]
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多様な観点からニュースを考える
渡部恒雄さんの投稿
渡部恒雄
【ウィーン=田中孝幸】トランプ米大統領は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領と予定していた資源権益に関する協定への署名を見送った。外交上極めて異例の決裂劇の背景には、弱い立場にいる交渉相手に過大な要求を突きつけて実利を得る自身の交渉術が奏功しなかったことへのいらだちがある。
ゼレンスキー氏にとっても、大国の圧力に屈する姿をみせれば次の大統領選での再選が難しくなる事情があった。両国の首脳間の対立…
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席フェロー
分析・考察 現実的に考えれば、金銭的にも軍事的にも、ウクライナの生殺与奪を握っている米国の大統領が、交渉において圧倒的に有利な状況にあります。トランプ氏はカメラの前で、ゼレンスキー氏に妥協をさせて、自身のディールの技術を国内外にアピールしたかったのでしょうが、コメディアン・役者・強い戦争指導者を経験してきたゼレンスキー氏は、そのような逆境と米国からの「脅し」への抵抗を、自国内だけでなく米国内と世界へのアピールの場に使おうと考えたのかもしれません。ウクライナにとって吉と出るのか、凶と出るのかはわかりませんが、第二次世界大戦後の世界秩序が大きく崩れている惨劇の一幕であることだけは間違いないでしょう。
トランプ政権 』