中国国有大手4行、資本増強10兆円 不動産リスクを抑制
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302IQ0Q5A330C2000000/
『2025年3月30日 22:02 (2025年3月30日 22:51更新) [会員限定記事]
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西村友作柯 隆
【北京=塩崎健太郎】中国建設銀行や中国銀行など中国の国有大手4行は30日、資本増強計画を発表した。増資額は最大5200億元(約10兆7000億円)で、政府が新たに発行する特別国債で調達した資金などを活用する。
習近平(シー・ジンピン)指導部は大手行への資本注入を通じて不動産不況が金融リスクに波及するのを防ぐ。
2行に加えて交通銀行と中国郵政貯蓄銀行が計画を公表した。建設銀行は最大1050億元、中…
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西村友作
中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授
ひとこと解説 中国の銀行の収益性は大きく低下しています。
銀行収益の核心といえる利ザヤは、コロナ前の2019年には2.2%ありましたが、足元では1.5%まで下がっています。景気低迷を背景に、中国人民銀行は利下げを続けてきましたが、預金金利の低下以上に、貸出金利が大きく低下していることが主要因です。
これは銀行間の過当競争によるものです。有効需要が低下する中、規模の拡大を是とする銀行間で貸し出し競争をしています。去年話題となったのが「手工補息」と呼ばれる、預金金利の上限金利を超えて利息を補填する手法で、大手行を中心に多くの預金を集めていました。
中国の銀行経営は大きな転換点を迎えているようです。
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