ソシオパス二人の指導者で、アメリカの孤立主義が際立つ。
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『20253月24
ゴールが見えていても、物事には手順というものがあります。恐らく、アメリカが、今のまま超大国としてすべてに関わるのは、維持できるだけの耐久力が切れようとしているという見立ては、正しいのです。今の立場を背景にして、借りれるだけの借金を海外から調達して、色々と理由を付けて、公金から支出するのにも限界が来ています。なので、アメリカは、金に金を生ませるのではなく、実業に戻って、足腰を鍛えないと、そう遠く無い将来に、多くを手放す事になるのは、ほぼ確定です。イギリスという先例があり、アメリカは法律で、借金の上限を決めていますが、その規律を、毎年のように繋ぎ予算という名前のゴールポストずらしをして、借金を増やしてきました。既に、それをやらないと、政府職員の給料も支払えない段階まで来ています。
結局のところ、世界中に植民地を持ったイギリスは、維持する費用と、盛り上がる民族自立運動に耐えかねて、ほぼすべてを手放し、今は国家運営も危うい財政難に襲われています。イギリスの強みは、階級社会のどこに所属していても、国が用意した一流の資料に接触できる事でした。美術館でも、博物館でも、図書館でも、無料で一級資料に触れる事ができます。パンと水で食事を済ますような貧乏人でも、それは変わりません。よって、浮浪者のような生活をしていた人物が、そういう施設に通うだけで、一流の仕事を成し遂げる例が少なくありません。特に、作家や思想家は、窮乏生活の中でも、大英図書館に通って、好きなだけ知識を漁り、後に大著を記述したケースが多いです。しかし、この大英帝国の残滓と言える特長も、財政難に勝てず、最近では有料化する傾向が出ています。
きっかけは、二度の世界大戦に、中心として参加し、財政出動をやりまくったせいで、ポンドの価値が下落したからですね。アメリカは、その時にイギリスに貸した金を、一部、踏み倒されているので、後の没落具合と合わせて、わざわざ国家予算における借金の比率に制限を設けたわけです。しかし、判っていても、制御できないのが経済です。結局、当時のイギリスと比べても、目も眩むような額の借金を抱える事になりました。しかも、価値を創造する製造業は弱体化しているのは、全国の資材の運搬量のグラフを見れば、一目瞭然です。国内で製造しない国家になってしまっています。設計はしても、作っているのは、外国の工場や企業ばかり。その方が、安くつくれるので、アメリカ国内では、いわゆる製造技術と経験を持った中間管理職が絶対的に足りなくなりました。
それを、正す為に、トランプ大統領は、関税の引き上げで、海外からの製品の流入を止めて、国内投資を奨励し、イーロン・マスク氏は、公金支出の蛇口を捻って、止める役を請け負ったのですが、二人ともやり方が余りにも雑なんですよね。トランプ氏は、自分が育った実業界の荒っぽい方法で、外交ではなくディールを始めた為、相手国のナショナリズムを焚き付けて、報復をくらうという状況になっています。トランプ氏の、やり方は、とにかく最初に殴っておいてから、相手の反応を見て、条件を変えるという、やり方が実業家です。相手が企業の場合は、思い入れがあるのは、創業者一族か役員くらいまでで、後は給料を貰って勤めている社員ですから、ディールで構わないのかも知れません。しかし、反発をくらうような事を外交でやれば、理屈抜きでナショナリズムという反発を喰らいます。この感情は、こっちが損しても、相手が傷つけばOKみたいな、不条理な行動で、政治家も、国民感情に乗って、支持を伸ばせるので、簡単に先導に付きます。結果を急いでも、国内の投資が芽吹くのは、少なくても数年後になるので、外交のやり方としては、悪手ですよね。
イーロン・マスク氏も同じで、自分の存在意義を、自己申告しろみたいな要求を出して、快く応じる職員なんて、よほど上司の目を伺う人間しかいませんよ。そして、失業すれば、自分の生活が追い詰められるし、公職から大量の失業者を出せば、経済にも影響が出ないはずも無いわけです。そして、その受け皿があるかと言えば、改革の初期ですので、まったくありません。トランプ大統領の関税政策は、どう考えてもインフレを引き起こすので、将来の事はともかく、低所得者には、生活が厳しくなります。しかも、後に改善する未来が確定しているわけでもありません。いつも、ここで言っているように、インフレは、退治するのが極めて難しい経済課題です。一度、動き始めると、止めるだけで、相当に厳しいです。
今のままで、株価も高いのだし、良いじゃないかという声もあるかも知れませんが、金融で立国しても、足腰が弱体化して、点滴(財政出動)で、国の経済を支える形になるだけです。そして、海外の出来事で、まともに影響を受ける脆弱な体になります。実際、借金やりまくりが手法として、通ったから、何とか経済の好調を維持してきましたが、いわゆる上澄みの優良企業の話であり、アメリカ全体の経済構造からしたら、実業がスカスカになり、屋台骨が傾いでいるのは、明白です。つまり、長くは持たないという事です。それを、剛腕で何とかしようとしているのが、トランプ大統領なのですが、最初に殴るので、相手が怒って、まったく外交としてチグハグです。目的達成には、程遠いですね。
まぁ、話し合いで決めようとすると、特にEUは、人権とか思想とか持ち出してきて、話が一向に進まず、悪い言い方をすれば、アメリカの財力にタダ乗りしようとするので、そういう時間は無いという事なのでしょうが、何も説明しないで、命令すれば、反発しない人間の方が稀です。特に、相手の後ろには、国民が控えているわけですから、退けないものは退けないわけです。相手にも立場があり、国家指導者という意味では、上下の関係じゃないですからね。この感情が入り混じった混乱が、長期化すると、そもそも目指していたゴールにたどり着く前に、失速する確率が高いです。アメリカ国民自体の耐久力も、そんなに高く無いので、内部からも不満で突き上げられるでしょう。今、家族や自分を養う責任を負っている人から見ると、確定的でもない数年後の未来の話より、まさに今が大事ですからね。
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