ウクライナは条件付き停戦を受け入れ、米国は軍事援助と情報提供を即時再開

ウクライナは条件付き停戦を受け入れ、米国は軍事援助と情報提供を即時再開
https://grandfleet.info/us-related/ukraine-accepts-conditional-ceasefire-us-immediately-resumes-military-and-intelligence-assistance/

『2025.03.12

トランプ政権はホワイトハウスでの口論を理由にウクライナ支援(軍事援助・情報提供)を停止したが、両国はサウジアラビアで会談後「30日間の停戦受け入れと引き換えに軍事援助・情報提供を再開することで合意した」と発表、ひとまず「ウクライナの継戦能力に対する不安」は解消された格好だ。

参考:Ukraine ready to accept ceasefire proposal, US to resume intelligence sharing
参考:Ukraine agrees to 30-day ceasefire if Russia abides by it, Kyiv says
参考:US to ‘immediately’ resume security assistance, intelligence sharing to Ukraine

仮にロシアが提案を蹴っても「我々は停戦を受け入れる用意があったのに」という政治的スタンスを取れる

トランプ政権はホワイトハウスでの口論を理由にウクライナ支援(軍事援助・情報提供)の停止を今月3日に発表、NBC NEWSは当局者の話を引用して「鉱物資源協定への署名だけでは支援再開には不十分」「トランプ大統領は和平交渉に対するウクライナ側の変化=領土譲渡などの譲歩が必要だと考えている」と報じていたが、両国はサウジアラビアで会談後「30日間の停戦受け入れと引き換えに軍事援助・情報提供を再開することで合意した」と発表した。

出典:Президент Укра?ни

この会談でウクライナ側は「ミサイル、爆弾、無人機を使用した攻撃停止」「海上での攻撃停止」「プロセスの信頼を確立する第1段措置としての捕虜解放」を提案したが、米国は「双方の合意により延長可能な30日間の完全な停戦」を提案し、両国は「30日間の停戦受け入れと引き換えに軍事援助・情報提供の再開」で合意、ウクライナはロシアが停戦条件(陸海空での戦闘停止)を遵守する場合のみ「停戦措置」を応じる用意があり、ルビオ国務長官は会談後「ロシアに停戦を提案するつもりだ」「ボールはモスクワ側にある」と述べている。

今回の合意は「戦争集結に向けたファーストステップ=30日間の停戦にロシアが応じるまでウクライナ支援を続ける」というメッセージとなり、ロシア側が素直に提案を受け入れるとも思えないため、今後も戦場での戦いが続く可能性が高い。

出典:The White House

ウクライナは今回の会談で軍事援助・情報提供の再開を引き出すことに成功し、仮にロシアが提案を蹴っても「我々は停戦を受け入れる用意があったのに」という政治的スタンスを取れるため「トランプ政権の矛先」を暫くロシアに向けることが出来るかもしれないが、もしロシアが停戦に応じて「戦争集結に向けた次の段階」に移行すると「4州割譲、中立、軍事力制限といった条件」で譲歩するよう求められ、この段階でも米国は支援停止による圧力を行使してくるのは目に見えている。

それでも「ウクライナの継戦能力に対する不安」は解消されたため、東部戦線で大規模な前線崩壊が起こる可能性は一先ず回避された格好だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Президент Укра?ни』