大国が衛星国を守らないのであれば、核が拡散するだろう。
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/36287535.html
『20253月1
どうやら、ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談は、白熱した口論になり、ほぼ合意されていたとされるウクライナの鉱物資源の取引についても、先行きが不安になってきました。合意文書への署名も保留になったようです。このまま、合意されずに終わるかどうか判りませんが、ウクライナ側に切れるカードが無いので、両大統領の不和とは別に、この交渉は進むかも知れません。
ウクライナ侵攻で明確になったのは、ロシアもアメリカも、都合が悪い時には、安全保障が、まったくアテにならないという事を、自らの行いで証明してしまった事です。ロシアは、自ら仕掛けた戦争に忙しくて、その間に起きた調停中のナゴルノ・カラバフ紛争において、約束した軍事支援を行えず、アルメニアがアゼルバイジャンに敗北する形で、領土を獲られました。これにより、アルメニアは、ロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)を離脱し、EUへ加盟申請を出すという事態になっています。
ウクライナに関して言えば、ロシア・イギリス・アメリカが、核兵器の廃棄と引き換えに、国家の安全保障を与えるとする覚書を締結したにも関わらず、ロシアが攻めてきて、アメリカが政権交代で手を引くという結果になっています。ブダペスト覚書ですね。結果的には、核兵器を手放すべきではなかったという事になります。ただ、核兵器というのは、非常に維持費もかかるので、ソ連崩壊で独立したウクライナに維持できる体力があったかと言えば、非常に怪しく、持っていたら財政的に負担が大きすぎたという実情もあります。
この結果、今後の世界では、「核兵器は、持てるなら持つべき。そして、何を言われても手放してはいけない。大国の言う事など、信じるな」という事が、常識になる可能性が高いです。ここまで、中国が出てきていませんが、表沙汰になっていないだけで、裏では、相当にやらかしていると思います。北朝鮮の金正恩氏が、「中国人は嘘つき」「在韓米軍は中国牽制に必要」などいう言葉を口にしていたと、ポンペオ氏の回顧録で記述されています。実際、北朝鮮の中国離れは急速に進んでいて、その代わりとしてロシアに接近しています。何かしらの「事」が両者の間にあったのでしょうね。
トランプ氏が欧州の損切りムーブに出た事で、フランスの核兵器をドイツに配備する話も出ています。威嚇しておかないと、ロシアが何を約束しても、守るとは信じていない証ですね。というわけで、大国は身軽になる代わりに、その技術がある国にとっては、安全保障の最優先事項として、核保有が選択肢に上る事になります。原子炉が発電施設として、多くの国で導入されているので、原料のプルトニウムは、比較的簡単に手に入るのですよね。問題は、濃縮と兵器に安全に組み込んで爆発させる技術になります。ロケット技術も必要なんですね。なので、北朝鮮でも必死に実験を繰り返しています。良く簡単に作れるような事を言われる事がありますが、兵器として実用性を持たせるには、それなりの開発期間が必要です。また、自国に放射能汚染を出さずに安全に維持・保管するだけで、かなりの費用が必要です。核兵器って、金食い虫なんですよ。
何を約束しても、その時の状況で反故にされるのであれば、可能な限り自分で守るしかなく、それには強力な武器を持つしかないというのは、当然ながら、たどり着く結論です。小型の戦術核兵器であったとしても、それが戦場で示す破壊力は、絶大です。今回の件で明らかなように、戦争になれば、平気で民間人の住む市街地へミサイルを打ち込んできます。約束・協定など言葉は意味を持ちません。
毎回、日本の首相がアメリカの大統領と会談する度に、儀式のように領土の安全保障の確認が行われますが、今回の事で判るように、その時にアメリカが約束を履行してくれるとは限らないという事です。その時のアメリカの都合もありますが、その大国としての能力を、アメリカが保有しているとは限らないという事もあります。毎回、尖閣諸島のような領土の保全を、アメリカが安全保障に含めるかどうかの確認がされて、中国が噛みつくという外交劇が繰り広げられていますが、それが茶番と化す前哨戦がウクライナ侵攻かも知れません。』