ゼレンスキーとトランプ政権の間で激しい口論、欧州諸国はウクライナ支持を表明

ゼレンスキーとトランプ政権の間で激しい口論、欧州諸国はウクライナ支持を表明
https://grandfleet.info/us-related/zelensky-and-trump-administration-spar-in-fierce-dispute-european-nations-back-ukraine/#comment_headline

『2025.03.1

ゼレンスキー大統領は鉱物資源に基づいた経済協定に署名するためワシントンを訪問したものの、米大統領執務室で記者会見を行っている最中に激しい口論が勃発し、両国の激しい衝突について欧州諸国はウクライナ支持を表明、ロシアは勝手に対立していく米国と欧州の様子に笑いが止まらない。

参考:Zelensky, Trump get into heated argument while speaking with journalists in Oval Office
参考:Trump may halt all military aid to Ukraine, administration official tells The Post
参考:FoX NEWS
参考:Durissimo scontro tra Trump e Zelensky, che va via. Il leader Usa: “Torni quando è pronto per pace”

この足並みの揃わなさは「本当に決めたことをウクライナに受け入れさせることが出来るのか」と交渉相手の米国に突きつけることができる
ゼレンスキー大統領は鉱物資源に基づいた経済協定に署名するためワシントンを訪問、米大統領執務室で記者会見を行っている最中、ヴァンス副大統領は「トランプ政権はロシアと連携しているのではないか」という記者の質問に「この戦争を終わらせるため前政権は外交手段で何もしなかった」「外交こそが平和の道、繁栄の道に繋がる」「米国が良い国なのは外交に取り組んでいることでトランプ大統領がやっていることだ」と回答すると、ゼレンスキー大統領はロシアの侵略は2014年のクリミア併合や東部侵攻で始まり「ロシアが仏独の外交努力で成立した停戦協定を2019年に破った」「どの外交のことをJDは話しているのか?」と指摘。ウクライナ関連グッズ戦争に関する書籍

要するに「トランプ政権は戦争を止める外交努力をしなかったバイデン政権とは違う」という主張に「この戦争は2014年から始まっていて1期目のトランプ前政権(2017年~2021年)も何もしなかったではないか」と遠回しに反論した格好で、これにヴァンス副大統領が「我々は貴方の国を破壊から救うための外交に話している」と反論して激しい口論が勃発、これにトランプ大統領や政権スタッフも加わり「カメラの前でウクライナと米国が本音をぶつけ合う」という地獄絵図が繰り広げたれた。

両者の激しいやり取りについてイーロン・マスク氏は「米国民の目から見てゼレンスキーは自らを破滅させた」と、共和党のグレアム上院議員も「トランプ大統領は戦争を終わらせたいと考えている」「ゼレンスキーは根本的に考え方を変えるか辞任するを迫られるだろう」とトランプ政権を擁護、民主党のシューマー上院議員は「トランプ政権はプーチンの汚れ仕事をしている」と、シャヒーン上院議員も「トランプとヴァンスの行動は恥ずべきもので非米国的だ」「またしても民主主義のウクライナではなく殺人鬼のプーチン側にたった」とトランプ政権を批判。

ポーランドのトゥスク首相も「ゼレンスキーやウクライナの友人たちは1人ではない」と、フランスのマクロン大統領も「ロシアは侵略者でウクライナは攻撃を受けている国」と、ドイツの首相候補のメルツ氏も「この恐ろしい戦争において加害者と被害者を混同してはならない」と、ベアボック外相も「ドイツは欧州の同盟国ともにウクライナの味方だ」と、チェコのパベル大統領も「我々はこれまで以上にウクライナを支持する」と、フィアラ首相も「我々はウクライナと共に自由世界の側にたつ」と表明。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長も「あなた方の尊厳はウクライナ人の勇敢さを称えるためのものだ。親愛なるゼレンスキー、あなたは決して1人ではない」と、EUのカラス外交安全保障上級代表も「現在の自由世界には新しいリーダーが必要で、この難題に挑戦するかどうかは我々次第だ」と述べ、スペイン、リトアニア、ラトビア、ノルウェー、オランダ、モルドバなどもウクライナ支持を確認する声明を発表した。

出典:Donald J. Trump

この口論の根本的な原因は「トランプ政権の偽善的で修正主義的な態度」にあり、ロシアがウクライナに侵攻したという認識を修正し、この戦争を誰が起こしたのかという責任をウクライナに押し付け、破滅的な戦争から救うためと言いながら「意味な不明な数字」を振りかざして選挙実施や不平等な経済協定を強要し、全世界が見守った会見中にトランプ大統領、ヴァンス副大統領、背後に控えていた政権スタッフが次々とゼレンスキー大統領を攻撃する様子は「大国が言いなりにならない小国を虐めている」としか映らず、米国でもトランプ支持者以外は会見内容や政権の態度に懐疑的だ。

ロシアからすれば「何も手を下していないのにトランプ政権とウクライナ・欧州が対立していく様子」に笑いが止まらず、米国と交渉でプーチン大統領の特使を務めるドミトリエフ氏は「ゼレンスキーとトランプの衝突は歴史的だった」と、メドベージェフ元大統領も「トランプはゼレンスキーに真実を告げた」「恩知らずの豚は豚小屋の主人から平手打ちを食らった」「これはロシアにとって非常に有益だったが十分ではない」「ウクライナへの軍事援助を止めなければならない」と述べている。

この足並みの揃わなさは「本当に決めたことをウクライナに受け入れさせることが出来るのか」と交渉相手の米国に突きつけることができ、ロシアからすれば「交渉を引き伸ばす好材料」となるはずで、イーロン・マスク氏は「米国民の目から見てゼレンスキーは自らを破滅させた」と指摘したが、本当に破滅したのは「自由世界における米国への信頼」だろう。

追記:Washington Postは28日「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助(バイデン政権が実行した軍事援助分)の停止を検討している」と報じ、最強の政治的カードを切ってきたトランプ政権にゼレンスキー大統領が屈するのか、欧州が支援を強化して事態を乗り切るのかが注目される。

追記:ゼレンスキー大統領は「米国の支援がなければ軍事作戦実施は難しくなるが、そのためにウクライナ国民は自らの価値観を犠牲にする用意はない」と述べた。

追記:イタリアのメローニ首相は「数時間以内に米国、欧州諸国、同盟国がウクライナ問題について話し合う緊急首脳会議を提案する予定だ」と述べた。

追記:今回の件についてオーストラリアのアルバニージー首相も「ゼレンスキー大統領はロシアの残忍かつ違法な侵略に直面する中、国民に対して象徴的な勇気とリーダーシップを発揮した」「オーストラリアは困難を経験しているウクライナ人の側にたつ」と表明した。

関連記事:米国を信頼できるか、米国製兵器が選択肢のデフォルトでなくなる可能性
関連記事:フランスが欧州に核抑止を提供、核兵器を搭載した戦闘機の独配備を検討
関連記事:独首相候補のメルツ氏、安全保障面で米国からの独立を達成すると言及
関連記事:ゼレンスキーが米経済協定を拒否、支援額を大幅に上回る内容に署名しない
関連記事:欧米メディアの疑問、なぜウクライナは支援額の5倍も返済しなければならないのか?
関連記事:ポーランド、我々がウクライナに提供したStarlinkのアクセス遮断はできない
関連記事:トランプ政権、経済協定に署名しないならStarlink遮断をウクライナに通告
関連記事:米国務長官、支持率4%が事実かどうかは関係なくトランプを怒らせるな
関連記事:ゼレンスキーを独裁者と呼んだトランプ、自身を王だと自称し始める
関連記事:トランプの世界が開幕、各国の指導者は作り笑顔の練習を始めるべき
関連記事:動き出した戦争終結へのアプローチ、米露は停戦、選挙、署名の3段階を検討
関連記事:欧州は平和維持軍の派遣合意に失敗、トランプはウクライナを経済的に侵略
関連記事:ポーランド外相、ゼレンスキーが呼びかけた欧州軍創設は実現しない
関連記事:トランプ政権、ウクライナに提供する安全保障の詳細提出を欧州に要請
関連記事:ウクライナメディア、トランプ1人に戦争終結を決めさせていいのか?
関連記事:米副大統領が欧州の民主主義を攻撃、トランプ政権と欧州の対立は決定的
関連記事:トランプ政権の発表に欧州はパニック、プーチンにとって最良のシナリオが実現
関連記事:プーチンにとって大勝利、米国はウクライナや欧州に安全保障を提供しない
関連記事:トランプ政権がウクライナ戦争に対する方針を発表、全て欧州が負担すべき

※アイキャッチ画像の出典:President of Ukraine

シェアする
ツイートする
Twitter で
Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it
投稿者: 航空万能論GF管理人 米国関連 コメント: 71 』