ロシアは、西側から来るものは、なにひとつ信じない。
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『Stephen Bryen 記者による2025-2-11記事「The rocky road to a Ukraine deal」。
ロシアは、西側から来るものは、なにひとつ信じない。また欧州は、ウクライナ戦争がこのまま永続することを希望している。よってトランプによるウクライナ終戦の周旋はそうとうに難しい。
ミュンヘンの安全保障会議に、トランプは、ヴァンス副大統領と、元将軍のキース・ケロッグを送り出した。ケロッグには腹案があるようだ。
プー之介は、ヨーロッパとの交渉はまとまらないことを知っている。彼はトランプとのディールに終戦の可能性を賭けているはず。
ウクライナ軍のクルスク攻勢は、押し返されつつある。
「Chasiv Yar」と「Pokrovsk」の2市も、露軍に奪われそうになっている。
宇軍は最近ようやくF-16をCASに使い始めた。
現状でも宇軍からは数千人の逃亡兵が発生している。この上に米国からの軍需品支援がなくなると、ゼレンスキーの立場はますます弱い。
トランプは、ウクライナがこの秋にも国政選挙を実施して、ゼレンスキーがその選挙で敗れて退陣し、別な指導者が出てくることを希望しているのだろう。
2025-2にミンスク合意がなされている。ルカシェンコ、プー之介、メルケル、オランド、ポロシェンコが合意した。しかし当事者の誰もそんな合意を信用していなかった。おなじことになりそうだ。
ロシアはどんな約束も信じないだろう。たとえばウクライナへは兵器弾薬を搬入しません、といった約束。
ケロッグの腹案には特に驚くようなものは含まれていないだろう。
ロシア軍による現況の占領地がそのまま合法的に露領になるという裁定を考えているのかどうか、世界は知りたいだろう。
合意が尊重されるかどうかは、ロシア語住民の多い地域の扱われ方にかかっている。
ゼレンスキーは安全保障として、西側軍隊20万人がロシア国境に駐留してくれとリクエストしている。
それはNATOとどう違うのか?
その駐留軍は、バッファーゾーンの中に居るのか、それとも外に居るのか?
バッファーゾーンの行政権と駐留軍の関係は?
西側で凍結されたロシア資産の返還も議題になる。3000億ドルくらいの総額だ。ロシアは利子をつけて返せと言うだろう。利子はこれまで、ウクライナに与えられてきた。
爆破されたノルドストリームの補償をモスクワは得られるのか?
ウクライナ支配地ではロシア語やロシア正教会は法的に抑圧されている。この法令をもとに戻せるのか?
欧州の最大のスポンサーであるドイツとフランスは、ロシアに報酬を与えるが如き決着には賛成しないだろう。
ロシアは、ATACMSやストームシャドウのような長距離打撃兵器を西側が今後ウクライナに供給しないという条項にもこだわるはずだ。
記者(DoDの元高官)の予測。ヴァンスとケロッグは、欧州からの要求「この戦争を続けさせろ」だけをホワイトハウスに持ち帰ることになるだろう。』