米国の貿易赤字、過去最大を更新 24年1.2兆ドルに

米国の貿易赤字、過去最大を更新 24年1.2兆ドルに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0500V0V00C25A2000000/

『2025年2月5日 22:58 (2025年2月5日 23:16更新) [会員限定記事]

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深川由起子さんの投稿
深川由起子

【ワシントン=高見浩輔】米商務省が5日発表した貿易統計によると、米国の貿易赤字はモノの取引で2024年に前年比14%増の1兆2117億ドル(約185兆円)となり、過去最大を更新した。輸入の増加は経済の好調さを反映するが、トランプ米大統領は赤字を問題視して関税引き上げの理由にしている。

これまで最大額は22年の1兆1799億ドルだった。24年は輸出額が2%増の2兆838億ドルにとどまった一方、輸入…

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深川由起子
早稲田大学政治経済学術院 教授

別の視点 輸出は「勝ち」で輸入は「負け」、貿易全体よりも(不公正貿易をやっている)特定国との貿易赤字が問題―-。よくある貿易感情論は途上国ではかつて定番で、関税その他で国内の「幼稚」産業を保護し、必要なら多国籍企業を誘致して国産化を図る「輸入代替工業化」が選択されてきました。しかしよもや、世界で最も豊かな基軸通貨国にこの感情論が登場するとは。途上国の「幼稚産業保護」はあまり多くの成功事例がありませんが、先進国の「衰退産業保護」はもっと可能性が少なくみえます。「常識の革命」実験に米国は耐えられても世界経済は耐えられないかもしれません。』