















『「世界の終わり」の地政学 上 野蛮化する経済の悲劇を読む (集英社シリーズ・コモン) 単行本 ? 2024/7/26
ピーター・ゼイハン (著), 山田 美明 (翻訳)
4.1 5つ星のうち4.1 42個の評価
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日本人はまだ知らない。脱グローバル経済がもたらす衝撃。
エネルギー、資源、食糧。無慈悲な未来を日本はどう生きるのか。
★40万部突破の全米ベストセラー! (2024年7月現在)
☆フィナンシャル・タイムズ紙「最優秀図書賞」(2022年・読者選出)受賞!
★世界中が刮目!
イアン・ブレマー氏(『「Gゼロ」後の世界』著者)、絶賛!
「経済地理学・人口学・歴史学を総合した、常識を破る、鋭い地政学理論」
白井聡氏(『武器としての「資本論」』著者)、感嘆!
「米国が脱グローバル化に舵を切る。驚きの未来像がここにある!」
☆概要
すでに不穏な兆しが漂うグローバル経済。それは一時の変調なのか。いや、そうではない。米国が主導してきた「秩序」、すなわちグローバル化した「世界の終わり」なのだ。無秩序の時代には、経済も政治も、文明そのものも野蛮化していく。しかも世界中で人口が減少し、高齢化していくなかで軌道修正も困難だ。そのなかで生き残っていく国々とは?
地政学ストラテジストが無慈悲な未来を豊富なデータともに仔細に描き、全米を激しく揺さぶった超話題作!
★おもな内容
・いよいよアメリカが「世界の警察」の役割を捨て、西半球にひきこもる。
・脱グローバル化で、世界経済に何が起きるのか。
・今後、大きなリスクにさらされる海運。製造業がこうむるダメージとは?
・過去70年の成長を支えてきた、豊かな資本。それが、世界的に枯渇してしまう理由。
・世界的な人口減少。日本人が見落としていた壁とは?
・世界のモデル国・日本を、他国が見習うことができないのはなぜ?
・エネルギーや資源の調達は、今後も可能なのか?
・グリーン・テクノロジーでは未来を支えられない、その理由。
・日本が食糧危機から逃れるために、すべきこと。
・「アメリカの世紀」のあと、覇権を握る国はどこなのか。
【上巻・目次】
第1部 一つの時代の終わり
第2部 輸送
第3部 金融
【プロフィール】
著者:ピーター・ゼイハン
地政学ストラテジスト。在オーストラリア米国務省、民間諜報会社ストラトフォーのバイス・プレジデントなどを経て、2012年に自身のコンサルティング会社ゼイハン・オン・ジオポリティックスを設立。エネルギー大手企業、金融機関から米軍まで、幅広い分野のクライアントを抱える。主な著作に『地政学で読む世界覇権2030』など。
訳者:山田美明 やまだ・よしあき
英語・フランス語翻訳者。主な訳書に『つくられた格差』『喰い尽くされるアフリカ』『大衆の狂気』『プランタ・サピエンス』、共訳書に『約束の地』など。』
『 あずみ
5つ星のうち3.0 秩序が崩れ、戦国時代が始まるか?
2024年8月26日に日本でレビュー済み
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現在のG20の豊かさは、戦後アメリカが創った国際的な「秩序」がベースとなっている。
その秩序維持を、アメリカが降りるとしたら、世界は再び世界大戦よりも前の緊張状態と、混乱に陥るという事が上巻の主張である。
少なくとも、現状の豊かさを人類史上のピークとして、今後は生命の安全が危うい各国が闘争状態に突入するらしい。日本は中国を牽制しつつ、うまく東南アジアの秩序をコントロール事が必須となる、非常に危うい立場になるだろうとの事である。
歴史的な背景の説明は、軽快なタッチで非常に読み易く納得感のある記述が多い一方、どの切り口からも最終的には「アメリカは唯一の例外で、今後も盤石である」という結論に辿りつくあたり、大いに偏った主張である事は念頭に置いて読むべきかと思う』
『 蜂蜜
5つ星のうち5.0 グローバル経済がどのように崩壊し得るのかを地政学的な観点から解明した本
2024年10月21日に日本でレビュー済み
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ビジネスや経済活動は人文学的、社会学的、技術的、地政学的ファクターに影響を受ける。その中で、物流、金融、エネルギー、素材、農業といったインフラ部分は、特に地政学的要素に大きな影響を受ける。
ルネッサンス以前は、地理的条件が人や物の移動可能な範囲を大きく規定してきた。交易の道ができる場所は限られ、その代表例がシルクロードであった。
ところが、大航海時代になって、羅針盤と風力の活用により、物流と金融のグローバル化が始まった。
その後、産業革命による化石エネルギーの活用と、アメリカによる平和のおかげで、物流、金融、エネルギー、素材、農業といった経済のインフラ部分が一気にグローバル化した。
そして、資源の無い国でも世界中の物を格安で入手できる時代が訪れた。日本や中国はそこから最も恩恵を受けた国と言ってもいいだろう。
しかし、地政学者である著者は、パックス・アメリカーナの終焉によって、グローバル化の逆回転が始まることを説く。そのシナリオの中には、食糧危機による大規模な人口減少も含まれる。パックス・ロマーナが崩壊した後、暗黒の中世に入り歴史が逆回転したように。
これまでのグローバル化は、ある面で地理的制約が問題にならなくなる過程でもあったことを考えると、再び地政学者の時代が来ることを待ち望んでいるようにも見える。読みながら、それを不快に感じる読者も多いかもしれない。
ただ、複雑な要因のバランスの上に成り立っているグローバル経済が、一つのピースが抜けただけで大きく崩壊することは、あり得ない話ではない。グローバル経済がどのように崩壊し得るのかを、地政学的な観点から解明しようとした本として一読に値すると思う。』
『 Amazon カスタマー
5つ星のうち2.0 学術書ではない
2024年12月12日に日本でレビュー済み
タイトルが気になったのでとりあえず図書館で借りて読もうとした。しかし、序盤で読むのを止めた。
非常に大きな視点で、いくつもの学問分野にまたがる内容をテーマとしているが、妙に文章が軽い。違和感の理由がはじめはわからなかったが、第1章の途中で、註釈や参考文献の提示が無いからだということがわかった。(もしかしたら参考文献は下巻の方にまとめてあるのかもしれないが、下巻目次に参考文献の項は無かった。)
自分が何に基づいてこの文章を書いたのかを明示しないというのは、専門家から内容を吟味される余地を残さないということであり、それは『学術書』とは呼べない。そして、そういう筆者は信用に値しない。
内容に目を通す前に買わなくて良かったと思った。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています』
『 UKIUKI
5つ星のうち4.0 前提に疑念あり
2024年8月14日に日本でレビュー済み
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米が世界貿易を保証する庇護者になったのは第二次大戦後で、資源確保の目処がたったから全世界の庇護者から撤退し、国際貿易は殆ど消滅するという前提でその後の世界を考察した本。
運送を初め諸々の産業について詳細な分析が提示され一読の価値はあるが、自国のイデオロギーや歴史の分析に疎い感がある。
米はリアリズムに徹する国ではなく、イデアリズムを引きずっており、そう簡単に総撤退とはならないし、撤退してもまた出てきたりするだろう。
また、戦前からフィリピンを植民地化したり、満州の門戸開放を執拗に要求したり、東アジアには粘着していた。徐々に撤退するとは言え、そう簡単にどうでもいいとはならないだろう。』
『 みみずく
5つ星のうち5.0 アメリカ礼賛の終末論、地政学で読む野蛮化する経済
2024年9月1日に日本でレビュー済み
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アメリカが「世界の警察」の役割を捨て、孤立主義のもと西半球防衛を重視する、この流れは、今に始まったことでなく、建国当初からあった。
グローバルな関与主義でなく孤立、単独主義。脱グローバル化とネーミングをするから珍しくなる。
ブレトンウッズ体制を崩壊させ、いわゆる戦後「秩序」を変質させる。具体内容は本書をお読みください。
「秩序」が崩壊していく中で、世界経済に起きるリスクを、系統地理的に解析していく、物流を支配する海運、製造業がこうむるダメージ、世界的な人口減少。
少子高齢化で生産人口が減り、高福祉に喘ぐ西洋先進国。日本人が見落としていた壁。
一方、モデル国は日本で、他国が見習う要素があるという。
ただし、日本はグローバル経済にかなっているだけに、食糧危機に直面する。
大まかに言って、農村、工業、情報社会の成立、資源エネルギーの調達、人口動態といった系統地理の記述が述べられ、説得的、自然地理をベースに諸国を系統地理で分析する、とくに人口動態統計による解析は流石にプロフェッショナル、地政学といえば、地政学と言えなくもない。』
『 グルジアのスープレックス男
5つ星のうち4.0 地理的な視点で都市の発展について考察した視点は参考になります
2024年8月16日に日本でレビュー済み
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古代文明から現代に至るまで、都市の勃興と衰退や、巨大都市圏はどの様に誕生したかなど、地理的な制約条件や、それに打ち勝つ輸送技術の発達など、ポイントが明確で分かりやすい。
面白い視点を与えてくれる本だと思います。
マイナスポイントは、「日本人は古来から官民あげて借金好きの国民性」と、日本に対する理解がかなり浅薄であること。
あと、和訳がとても悪文で、前後の文脈が通じなかったり言葉使いが変だったりする箇所が多いです。これは翻訳者の責任でしょうが。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています』