トランプメディア、金融事業に参入 仮想通貨など投資
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29E6K0Z20C25A1000000/
『2025年1月30日 4:42 (2025年1月30日 8:53更新)
トランプ氏の立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」
【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ米大統領の立ち上げたSNS運営会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は29日、金融サービス事業に参入すると発表した。まず自己資金を暗号資産(仮想通貨)などに投資し、組成した運用商品を個人投資家に販売する計画とみられる。
TMTGはSNS「トゥルース・ソーシャル」の運営と動画の配信サービスを手がける。新たな柱として「トゥルースFi」のブランド名で金融ビジネスを始める。投資戦略の助言や運用商品の組成で個人向け金融大手のチャールズ・シュワブなどと提携する。
TMTGはまず、2024年末時点で抱える現預金など7億ドル(約1100億円)超の手元資金のうち最大2億5000万ドルを投資に回す。ビットコインなどの仮想通貨や、独自に組成する上場投資信託(ETF)などに資金を振り向ける。
新たに組成するETFなどの運用商品は米経済の成長重視や製造業、エネルギー企業への投資など、トランプ政権の掲げる「米国第一主義」に沿った内容にするという。TMTGの公表文には計画の詳細を明記していないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは同社が一般投資家向けに運用商品の販売に乗り出す構えだと報じた。
29日の米株式市場でTMTGの株価は急伸し、前日比7%高で終えた。
トランプ氏はTMTGの株式を53%(29日終値で約37億ドル相当)保有する筆頭株主だ。利益相反を避けるため大統領就任前に家族が管理する信託に保有株を移した。TMTGの経営は元共和党下院議員のデビン・ヌネス氏が担っている。もっとも、仮想通貨の振興や米国第一の経済政策を自ら打ち出すなかで、TMTGが関連ビジネスを拡大する構図には危うさがつきまとう。
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