セルビア首相が辞任表明 親中路線・汚職で抗議デモ拡大

セルビア首相が辞任表明 親中路線・汚職で抗議デモ拡大
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『2025年1月29日 5:25 [会員限定記事]

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多様な観点からニュースを考える
広瀬陽子さんの投稿
広瀬陽子

【ウィーン=田中孝幸】東欧セルビアのブチェビッチ首相は28日、反政権デモの拡大を受けて辞任を表明した。国内各地では11月に中国企業が改修した北部の主要都市ノビサドの駅舎の屋根崩落事故を受け、政権の親中路線や汚職への抗議行動が広がっていた。

政権側は事故をめぐって公共安全に対する犯罪などの容疑でベシッチ前建設・運輸・インフラ相ら関係する高官らを拘束し、事態の収拾を図っていた。ただ捜査についてお手盛…

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広瀬陽子
慶応義塾大学総合政策学部 教授

ひとこと解説 セルビアは親露・親中国家として知られてきたが、インフラ工事、経済等で中国との良好な関係が必須だと考える政権に対し、国民の対中意識は悪化の一途を辿っていたようである。昨年5月の習近平主席のセルビア訪問時にも、2万人の市民を広場に集めた「歓迎式典」が行われたが、その際の市民は、企業などに供出人数のノルマを課した動員によって集められたものだという。無理やり人を集めてでも中国の歓心を買いたい政府と人々の対中感情の温度差が感じられ』