トランプ氏の大統領令、早くも訴訟に 法律違反なら無効
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21E5H0R20C25A1000000/
『2025年1月22日 6:12 [会員限定記事]
【ワシントン=飛田臨太郎】トランプ米大統領は20日の就任初日に、大量の大統領令に署名した。気候変動対策の国際枠組みからの離脱や厳しい移民政策などの重要政策を次々と決定した。大統領令は大統領が持つ絶大な権限を象徴するが、憲法や法律に違反すれば差し止められるという点で限界もある。
(1)大統領令とは何か?
行政の長である大統領は、大統領令を通じて連邦政府や軍に対して、法的拘束力を持った形で指示を出す…
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『(1)大統領令とは何か?
行政の長である大統領は、大統領令を通じて連邦政府や軍に対して、法的拘束力を持った形で指示を出す。
米メディアの記事では大統領が出す行政命令である「executive order」のみを対象とする場合と、「布告」や「覚書」なども含めて「presidential directive」や「executive action」などと総称して使う場合とがある。
明確な規定が憲法や法律に書かれているわけではない。米憲法第2条は大統領に広範な行政権を認めていて、これが根拠とされる。初代大統領のジョージ・ワシントン(任期1789〜1797年)の時から始まった。
大統領令は新しい政策の方針を簡単に示すことができる。歴代大統領が就任後すぐに活用してきた。政権交代の効果を全米に知らしめる狙いがある。』
『ニュージャージーも含む全米18の州司法長官が早くも、訴えたのは、移民政策を巡る大統領令の内容だ。
トランプ氏は米国で生まれた子供には自動的に国籍を与える「出生地主義」制度を修正すると表明した。母親が不法滞在や一時滞在で、父親が米国市民権や永住権を保持していない場合には、子供が米国で生まれても国籍を与えない。
憲法修正第14条には「米国で生まれ、あるいは帰化した者、およびその司法権に属する者は米国の市民である」と明記している。トランプ氏は1期目の2018年にも大統領令によって同制度を撤廃しようとしたが、憲法違反と指摘され、実現しなかった。
トランプ氏は第2次政権で憲法改正も視野に取り組むとしている。』