米、キューバのテロ支援国家指定解除へ 政権交代直前

米、キューバのテロ支援国家指定解除へ 政権交代直前
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『2025年1月15日 7:37

米国の対キューバ政策は政権によって変わってきた=AP

【ワシントン=芦塚智子】米国のバイデン大統領は14日、キューバのテロ支援国家指定を解除すると議会に通知した。20日の政権交代を直前に控えた解除となり、米メディアはトランプ次期政権が再指定する可能性が高いと報じている。

ジャンピエール大統領報道官は声明で、テロ支援国家指定解除は「キューバ国民を支援するカトリック教会との合意の一環」と説明した。キューバ政府はカトリック教会との協議により、近く「相当数」の政治囚を解放する予定だという。

バイデン氏は指定解除に関する覚書で、キューバ政府が過去6カ月間に国際的なテロ支援を実施しておらず、将来的にも支援しないと確約したと説明した。

米国は1982年にキューバをテロ支援国家に指定。オバマ政権が2015年5月に指定を解除し、同年7月に54年ぶりに国交を回復した。しかしキューバに厳しい姿勢を取った第1次トランプ政権が21年1月の政権交代直前にテロ支援国家に再指定した。

トランプ次期政権の国務長官候補のマルコ・ルビオ上院議員はキューバ系米国人で、対キューバ強硬派として知られる。

米国はキューバのほかシリア、イラン、北朝鮮をテロ支援国家に指定している。指定されると経済援助の対象にならず、武器禁輸などの措置を受ける。

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