トランプ氏、グリーンランドになぜ執着 安保要衝に触手
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『2025年1月9日 5:00 [会員限定記事]
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多様な観点からニュースを考える
広瀬陽子さん他1名の投稿
広瀬陽子渡部恒雄
トランプ次期米大統領がデンマーク領グリーンランド獲得に再び意欲を見せている。同地域が安全保障や経済面での要衝となりつつあるからだ。周辺海域は温暖化で氷が解け、船舶の運航が急増する。レアアース(希土類)など豊富な地下資源も近年明らかになった。北極圏への進出を強める中国とロシアをけん制する狙いもある。
北部海域の要衝、資源も豊富
トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は7日、プライベートジ…
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広瀬陽子
慶応義塾大学総合政策学部 教授
ひとこと解説 近年、北極圏の地政学的重要性は顕著に高まり、特に希少鉱物を含む多くの天然資源や経済・時間コストが低く、ソマリアの海賊や運河座礁の問題などがない北極海航路の魅力から、特に中露が影響力拡大を目指している現状がある。
2016年には中国の鉱業会社がグリーンランドの海軍基地を購入しようとしたが、デンマークが阻止した経緯、また、2021年にはグリーンランド自治政府が鉄鉱石鉱床の採掘ライセンスを中国鉱業会社から剥奪した事実もあり、北極海航路や資源の魅力だけでなく、対中強硬政策を推進する上でもトランプ氏としては同地を獲得したいのであろう。
だが、経済的な「力による現状変更」は決して許されるべきではない。
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