シリア指導者の報奨金廃止 米国、暫定政府に融和姿勢

シリア指導者の報奨金廃止 米国、暫定政府に融和姿勢
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『2024年12月21日 8:50 (2024年12月21日 22:51更新)

シリア解放機構のジャウラニ指導者=AP

【ワシントン=共同】米国務省のリーフ次官補は20日、シリアの首都ダマスカスを訪問し、暫定政府を主導する過激派「シリア解放機構(HTS)」のジャウラニ指導者と会談した。ジャウラニ氏に関する情報に最大1千万ドル(約15億6千万円)の報奨金を出すとした米政府の方針を取り下げると伝え、融和姿勢を示した。国務省によると、米外交団によるダマスカス訪問は2012年以来、約12年ぶり。

米政府はロシアやイランが後ろ盾だったシリアのアサド政権崩壊で、中東の地政学的な構図が一新されたと歓迎。政権移行プロセスを慎重に見守りつつ、親欧米的な新政府の樹立に向けて働きかけを続ける構えだ。

リーフ氏は内戦で荒廃したシリアの復興について協議したとオンライン記者会見で明らかにし、ジャウラニ氏が穏健な統治に前向きな姿勢を見せたと評価した。

民主的な政権移行や、シリア国内で少数派の権利を重視する米国の立場を強調。過激派組織「イスラム国」(IS)などが混乱に乗じ、シリア国内外に脅威を及ぼす事態を食い止める方策も話し合った。

中東の衛星テレビ、アルジャズィーラによると、暫定政府側は復興には支援が必要だとしてシリアへの制裁の解除を要請した。リーフ氏は会見で「シリアで自由な社会を生み出す未曽有の好機だ」と強調。HTSに対する米政府のテロ組織指定解除の可能性について、今後の状況を注視しながら検討する考えを示した。

シリアの国営通信は21日、ジャウラニ氏が暫定政府の外相にシェイバニ氏を任命したと報じた。シェイバニ氏は、内戦下で北西部イドリブ県を拠点とした反体制派が設立した「シリア救国政府」出身。

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