新政権発足の際のカギはトルコとHTSのレバント解放

新政権発足の際のカギはトルコとHTSのレバント解放
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5569650.html

『2024年12月11日

中東情勢に詳しい放送大学の高橋和夫名誉教授はシリアのアサド政権が短期間で崩壊に追い込まれた背景について「アサド政権の基盤は人口の1割程度しかいないイスラム教シーア派の一派、アラウィ派Alawiteで、そもそも広い支持基盤を持っていなかったことに加えて10年以上の内戦で疲れきっている状況だった」としています。加えて「政権を支えてきたロシアとイラン、レバノンのヒズボラという3本柱がウクライナでの紛争やイスラエルとの戦闘で忙しく、疲弊していた。さらに、反政府勢力の攻勢が始まったとき、アサド大統領は表に出て体制派を励ますようなメッセージを出さなかったという戦術的な失敗があった」と指摘します。

Syria-control-map_December-8_2024アサド政権の後ろ盾だったロシアの今後の出方については「シリアに海軍(タルトゥスTartus)や空軍(フメイミンKhmeimin)の基地を置いているのでこれらの基地が失われれば非常に大きな打撃を受ける。一方で、新しい政権を作ることになった反政府勢力は国際的な承認を受けるためにはロシアから反対されると難しくなるのでロシア側が切り札を持っている状況だ」と分析します。

さらに今後、新たな政権を発足する際のカギはトルコにあるとします。「トルコは敵視するクルド人勢力がシリア国内で力を伸ばしているので抑えつけたい気持ちがあるがそうなるとシリアの安定にはつながらない。クルド人勢力SDFとの妥協案を探って安定に向かわせるのか。それともクルドの勢力には我慢できずに攻撃するようなことになれば、内戦の第2ラウンドとなる。クルド人勢力の後ろにはイスラエルがついているので、イスラエルとトルコの関係がどうなるかも焦点となる」としています。

そして、シリアの安定化に向けた国内課題について「アサド政権を支えてきたアラウィ派の人々と新しい政権がどのような関係になるかが重要だ。周辺国の事例を見ると独裁的な政権が倒れたイラクやリビアでは混乱が続いている。内戦が続いてきたシリアの傷は本当に深く、安定に向かうのか大変心配される状況だ」としています。2024年12月9日の参照記事より抜粋、加筆 左図は、12月8日アルジャジーラ掲載より 過去ブログ:2024年12月エルドアン大統領、反政府軍はダマスカスを目指す>ダマスカス陥落:
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今後、イスラエルが旧来のシリアからの占領地ゴラン高原の緩衝地帯を含む全域を領土化し、トルコが南下して領土拡張へ動く可能性が全くないとは言えない。教授は「イスラエルとトルコの関係」を重視しているが、これを米国がうまく調整できるかが安定へのカギではと、筆者は見ているのだが、、。

反政府側が民主化へ舵を切るか、まだ見えていない状況で予測はまだ早すぎるが、ロシアがシリア内の基地存続に関し、すでに話し合いを始めたとも聞こえて来る。しかしイギリス拠点のNGO「シリア人権監視団(SOHR)」によれば、ロシアはアサド氏を支援するための9年にわたる空爆作戦で、「テロリスト」だけを標的にしていると主張しているが、ロシアの空爆は定期的に民間人犠牲者を出し、民間インフラを破壊した。SOHRは9月、ロシアの軍事作戦で、これまでに民間人8700人を含む2万1000人以上が死亡したと発表した:参照記事。

最近の映像 では、シリアの反政府兵士らが、シリアからイスラエルに向かい、ガザを解放すると叫んでいる。本気とは思えないが、、。反政府側トップは、異教徒へは丁重な扱いを兵士らに求めているが、キリスト教徒をいじめる反政府兵士の映像 が確認できる。こういう映像を見ると、シリアでの新政権には、厳格な統制力が求められるのだが、、。それも早急に。でなければ、新たな中東戦争ぼっ発の可能性もある。すでに、緩衝地帯にイスラエル軍が配備されたと言う。

Untitled-design-1-13シリアはさまざまな武装勢力によって分裂しており、ロシア、イランから米国、トルコ、イスラエルに至るまでの外国勢力がすべてその中に関与している。
42歳のアル・ゴラニAbu Mohammed al-Golani(本名Ahmad al-Sharaa):左は、米国によってテロリストと認定され、彼の逮捕につながる情報提供に1000万ドルを提供しているが、8日日曜早朝にダマスカスが陥落して以来、levant公の場に姿を現していない。しかし、彼とその反乱軍、ハヤット・タハリール・アル・シャーム(HTS)(戦闘員の多くは聖戦戦士 jihadisである)は主要なプレーヤーになる可能性がある。ハヤット・タハリール・アル・シャームとは、レバント解放機構を意味する Hayat Tahrir al-Sham means the Organization for the Liberation of the Levant 。イスラエル国防軍の元作戦部長イスラエル・ジブ氏は日曜、このレバント地域は今日のシリア、レバノン、ヨルダン、イスラエルSyria, Lebanon, Jordan and Israelを含むと歴史的に見られている地域であると指摘した。
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一方でアル・ゴラニは、長年にわたるアルカイダとの関係を断ち切り、自身を多元主義と寛容の擁護者として描くことで、自身のパブリックイメージを作り直すことに何年も費やしてきた。最近では、反政府勢力は彼の名前を削除し、本名のアフマド・アル・シャラーAhmad al-Sharaaで呼び始めた。聖戦過激派から国家建設を目指す者への変貌がどの程度のものかが今、試されている。英文記事 映像:反政府軍の進撃:政府軍兵士は即決処刑されている:

、、、政府軍兵士は、軍服を脱いで一般人の格好で逃走しているがFireShot Webpage Screenshot #1794 – ‘image、それがばれて処刑される映像もある。映像 映像 解放された刑務所からは、大量の市民の遺体が見つかっており、激しい拷問が行われていたサイドナヤ刑務所には約3万人が拘束され、この内わずか6000人しか釈放されていないとされ、シリアでは今後しばらく報復の嵐が吹き荒れるだろう。参照記事 アサド大統領のいとこスレイマン・ヒラル・アル・アサド Suleiman Hilal al-Assadは、クレーンで吊るされラタキアLatakiaで公開処刑された:映像記事。』