米農務長官にロリンズ氏 「米国第一」政策の立案支える

米農務長官にロリンズ氏 「米国第一」政策の立案支える
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『2024年11月24日 9:53 [会員限定記事]
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小山堅さんの投稿
小山堅

ロリンズ氏はトランプ氏の「米国第一」政策の立案で中心的な役割を果たしてきた=ロイター
【ワシントン=八十島綾平】トランプ次期米大統領は23日、農務長官にアメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)のブルック・ロリンズ最高経営責任者(CEO)を起用すると発表した。AFPIはトランプ氏の返り咲きに備えて政策研究をしてきた民間シンクタンクだ。

ロリンズ氏は第1次トランプ政権時代にホワイトハウスの国内政策会議(DPC)を率いた経験がある。AFPIの共同設立者で、政権交代に向けた政策立案で中心的な役割を果たしてきた。AFPIでは理事長のリンダ・マクマホン氏も教育長官に内定している。

トランプ氏は自身のSNSで、ロリンズ氏は「忠義心ある愛国者のチームを構築し、我々の米国第一政策を支持してきた」と述べた。米メディアによると、ロリンズ氏は大統領首席補佐官の候補者の一人でもあった。

農務長官は米農務省のトップとして食糧政策や農業政策を率いる。農業補助金の支給を担うほか、学校給食の栄養基準なども定める。食品小売市場の動向も定期的に調査している。

第2次トランプ政権が公約通り中国などに高関税を課せば、米国産の農産品に報復関税をかけられる可能性が高い。そうした事態を避けつつ、米農産品の輸出拡大に向けて米通商代表部(USTR)などとどのように連携するか手腕が問われそうだ。

トランプ氏はSNSで、ロリンズ氏は農務長官として食料自給を支える農家の保護と、農業を主な産業とする小規模市町村の復興を最優先課題として取り組むとした。

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小山堅
日本エネルギー経済研究所 専務理事 首席研究員
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ひとこと解説次期トランプ政権の主要閣僚の人事などを見ると、「アメリカファースト政策研究所(AFPI)」のプレゼンスが目立つ状況が明らかとなっている。第1期の政権時から、また今回の選挙期間中も常に標榜してきた「Make America Great Again(MAGA)」を実現するためには、「米国第1」を徹底的に追求する、という基本方針が取られていくことになるだろう。筆者が関心を持ってウォッチする、エネルギー・気候変動分野でも同様である。トランプ政権の政策は、米国政治・経済・社会を揺さぶると同時に、国際政治・世界経済・地政学や安全保障を大きく左右していくことになる。
2024年11月24日 12:52
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