プーチン大統領がトランプ氏勝利を喜べない事情 戦争終結で浮上「非武装地帯」案、化石燃料「ドリル、ベイビー、ドリル」への懸念も
https://www.zakzak.co.jp/article/20241110-ZAPVZLSLJJNXTANEMOXH7OEKZY/
※ 案外、どんな兵器供与よりも、トランプ氏の「ドリル、ベイビー、ドリル(掘って、掘って、掘りまくれ)!」政策が、ロシアの継戦能力を破壊し、戦争継続不可に導くことになるかもな…。
『2024.11/10 10:00
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プーチン露大統領(AP)
プーチン露大統領(AP)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、米大統領選に勝利したドナルド・トランプ次期大統領からウクライナ戦争の終結に向けた計画を聞く用意があるとし、協議に意欲を示した。大統領選の勝利についても祝福したプーチン氏だが、実はトランプ政権の復活を喜べない事情もある。
プーチン氏は、ロシア南部ソチで国内外のロシア専門家らを集めて開いた国際会議「バルダイ」の全体会合で、トランプ氏と話し合う用意があるかと尋ねた司会者に「ある」と回答。「ウクライナ紛争を終わらせることができる」というトランプ氏の発言について「関心を払うに値する」と述べた。トランプ氏の大統領選勝利も祝福した。
トランプ氏もプーチン氏と「話すことになると思う」と述べている。9月には訪米したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とニューヨークで会談し、「プーチン氏とも良い関係にある」と強調。「大統領に就任するよりも前に良い結果をもたらすことができる」と語り、和平実現への自信を示していた。トランプ氏は大統領選で「(ウクライナでの)戦争を終わらせる」と表明し、プーチン氏らと交渉する方針を示してきた。
プーチン政権は2016年の米大統領選でトランプ氏を当選させようと、にサイバー攻撃やネットでの工作などを通じて干渉したと指摘されている。だが今回、トランプ氏の返り咲きを手放しで喜んでいるわけではないという。』
『ウクライナ戦争の終結に自信をみせるトランプ氏だが、具体的な計画の詳細については説明していない。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、トランプ氏に近い消息筋3人の話として、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟を20年間凍結する一方、米国はロシアの再侵略を防ぐために大量の兵器をウクライナに供給し、現在の前線を停戦ラインとして非武装地帯を設けるという案が浮上していると報じた。
停戦条件としてロシア軍の撤退を掲げるゼレンスキー氏にとって受け入れがたいだけでなく、将来のウクライナのNATO加盟の余地を残すだけにプーチン氏としても受け入れる可能性は高くない。
さらにプーチン政権が神経をとがらせるのが、トランプ次期政権のエネルギー政策だ。トランプ氏は選挙戦で化石燃料について「ドリル、ベイビー、ドリル(掘って、掘って、掘りまくれ)!」と主張し、国内の石油や液化天然ガス(LNG)産業への規制を撤廃し、化石燃料を増産する方針を掲げている。
ウクライナ侵略を続けるロシアは、LNGなどエネルギー産業が大きな外貨獲得策となっている。米国の化石燃料増産でエネルギー価格が低下すれば、ロシア経済にとって大きな痛手となる。』
『さっそくトランプ政権の復活をにらんだ動きも出始めた。欧州連合(EU)行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長は8日、ロシアからのLNGの輸入を米国産に切り替えることが可能かどうか検討する意向を示した。フォンデアライエン氏は「われわれは、いまだにロシアから多くのLNGを輸入している。なぜそれを米国産に置き換えないのか」と問題提起。「米国産はより安価で、エネルギー価格を引き下げることにつながる」とロシア産からの切り替えの利点を強調した。
一方、米ブルームバーグ通信は、トランプ氏がウクライナへの軍事支援を打ち切った場合に備えた支援の在り方をEU首脳が協議したとも報じた。ウクライナ戦争が終結するかどうか、トランプ氏がキーマンとなることは間違いなさそうだ。』