NATO軍事委員長、ロシアが核兵器を保有していなければ直接参戦していた

NATO軍事委員長、ロシアが核兵器を保有していなければ直接参戦していた
https://grandfleet.info/european-region/nato-military-chief-says-would-have-directly-joined-war-if-russia-didnt-have-nuclear-weapons/

『2024.11.14

NATOのバウアー軍事委員長は国際戦略研究所主催の討論会で「人々は『戦車もF-16もHIMARSもレッドラインではなかったではないか』『なぜもっと早く与えなかったのか』と責めるが、ロシアは核兵器を保有しており、このリスクについての政治的議論は簡単ではない」と述べた。

参考:International Institute for Strategic Studies
参考:Топгенерал НАТО: “Якби у росіян не було “ядерки” – ми б допомагали вигнати їх з України”

逆説に言えば「核抑止が正常に機能している」とも言える

New York Timesは勝利計画について先月29日「ゼレンスキー大統領が提案した勝利計画に対する西側諸国の支持は表面的なものに留まり、どの国も長射程ミサイルの制限解除に同意しておらず、ウクライナのNATO即時招待を支持した大国もない。

つまりゼレンスキー大統領が欧米で繰り広げた6週間に及ぶロビー活動は失敗だった」と報じ、日本では「米国やNATOは腹をくくるべきだ」という意見も見受けられるが、この問題についてNATOのバウアー軍事委員長は以下のように述べている。

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY SA 4.0

“アフガニスタンでタリバンと戦うのと、ウクライナでロシアと戦うことは同じではない。

タリバンは核兵器を持っていなかったがロシアは持っている。

私は(NATOがウクライナで戦うことを)不可能だとは思っていないが、これは同盟にとって大きなリスクだ。

そしてリスクをどの程度許容するかは政治的な議論に委ねられている。

勿論、軍事的にウクライナ人を助けることは出来るが、これは政治的な問題で軍事的な問題ではない。

私達にそのリスクを受け入れることが出来るだろうか? この問題の政治的議論は簡単ではない”

“もしウクライナ人を助けることで生じるリスクを理解していないのであれば、この問題に対する政治的な議論の難しさを理解するのも困難で、そのような人々は後から「戦車もF-16もHIMARSもレッドラインではなかったではないか」「なぜもっと早く与えなかったのか」と責めるが、バイデン政権を含む国々では「何がレッドラインで」「何がレッドラインでないのか」を知る前に議論しているのだ。

後から振り返って「あの決定は愚かだった」というのは簡単だが、生じるリスクに責任を負っているのでれば別の話になる”

出典:President of Russia

“彼らは「ウクライナ人のため何か別のことをすべきだった」と言うこともできるし、それはその通りだが、これは政治的な議論だ。

もしロシアが核兵器を持っていなかったら、私は「NATOがウクライナからロシアを追い出していた」と確信している。

しかし、ロシアは核兵器を持っているのでアフガニスタンとは同じではない”

要するに「米国を含むNATO加盟国はウクライナを支援することに賛成でも、NATOが戦争に巻き込まれる=ロシアとの核戦争に発展するリスクまでは取れない」

「どこにプーチン大統領のレッドラインがあるの分からないため踏み込んだ支援に対する政治的決断が下せない」という意味で、逆説に言えば「核抑止が正常に機能している」とも言える。

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※アイキャッチ画像の出典:Президента России 』