中ロ首脳、米欧の「干渉反対」で一致 台湾や南シナ海

中ロ首脳、米欧の「干渉反対」で一致 台湾や南シナ海
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM03BL30T00C24A7000000/

『2024年7月4日 6:34 (2024年7月4日 6:37更新)

【北京=田島如生】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領は3日、訪問先のカザフスタンの首都アスタナで会談した。両首脳は台湾や南シナ海の問題を巡り、米欧を念頭に「外部勢力の干渉」に反対することで一致した。

中国外務省が発表した。両首脳はアスタナでの上海協力機構(SCO)首脳会議への出席にあわせて会談した。習氏は「中ロは全面的戦略協力を強化し続け、外部からの干渉に反対し、地域…

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『習氏は「中ロは全面的戦略協力を強化し続け、外部からの干渉に反対し、地域の平和と安定を共同で守るべきだ」と唱えた。

プーチン氏は「中国が核心的利益を維持するのを支持し、中国の内政と南シナ海問題に対する外部勢力の介入に反対する」と表明した。中国は自国の一部とみなす台湾や、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海を核心的利益に位置づける。

新興・途上国「グローバルサウス」の団結を促し、米欧に対抗する方針も改めて確認した。中ロやインド、ブラジルが加盟するBRICSや、SCOの枠組みを活用していくと申し合わせた。

習氏はロシアが2024年のBRICS議長国を務めることに触れ「グローバルサウスを団結させて『新冷戦』を防ぎ、違法な一方的制裁と覇権主義に反対するのを支持する」と強調した。プーチン氏は25年のSCO議長国を担う中国を支えると伝えた。

両首脳はロシアのウクライナ侵略についても話し合った。習氏は「中国は政治的解決を促すため積極的な役割を果たす努力を続ける」と言明した。

ロシアのペスコフ大統領報道官によると、両首脳は「ロシアが参加しない枠組みでは何の展望もない」との意見を共有した。ウクライナの和平を協議するため6月にスイスで開いた世界平和サミットはロシアを招かなかった。中国は欠席した。

両首脳は中ロの友好関係を確かめた。習氏は「激変に満ちた国際情勢に直面する状況下で、両国は永続的な友好という当初の志を堅持すべきだ」と語った。プーチン氏は中ロ関係について「歴史上、最も高いレベルにある」と話した。

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