民主陣営、バイデン氏討論「ひどい」 テレビ討論会
タイムライン
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB250YF0V20C24A6000000/
『2024年6月28日 9:00 (2024年6月28日 13:09更新)』
『11月の米大統領選に向けた第1回のテレビ討論会が米東部時間27日午後9時(日本時間28日午前10時)から南部ジョージア州アトランタで開催された。民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の支持率は拮抗する。日経電子版では討論会の模様をタイムライン形式でまとめた。(時間は日本時間28日午前)
民主陣営、バイデン討論「ひどい」:午後1時前後
米CNNテレビは27日、民主党関係者が11月の米大統…
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『米CNNテレビは27日、民主党関係者が11月の米大統領選の討論会に出た民主党のバイデン大統領のやりとりについて精彩を欠き「ひどかった」と評価していると伝えた。高齢不安が再燃する可能性がある。
AP通信も民主党内がバイデン氏を候補者指名することに関し「パニックに陥っている」と報じた。米政治サイトのポリティコは「大失敗だった」と評した。米メディアによると、バイデン氏が風邪を引いていた。討論中に声がかすれている場面があった。
トランプ陣営、副大統領候補らがパフォーマンス褒めたたえる:午後0時過ぎ
討論会終了後、プレスセンターにはルビオ上院議員やスコット上院議員、ステファニク下院議員などトランプ大統領の副大統領候補に名前が取り沙汰される面々が顔をそろえ、討論会でのトランプ氏のパフォーマンスを褒めたたえた。バイデン陣営はニューサム・カリフォルニア州知事やワーノック上院議員らが記者の質問に答えたが、短時間で切り上げ対照的な対応ぶりをみせた。
バイデン陣営「勝利に向けたビジョンを示した」:午後0時過ぎ
バイデン陣営が声明を発表。「バイデン大統領は今夜、米国の将来に向けた前向きで、勝利に向けたビジョンを示した。一方でトランプ氏は自分がホワイトハウスに戻った場合を予見する米国の暗い、後ろ向きな姿を示した」とした。
トランプ陣営「バイデン氏、クビに値する」:11時40分
トランプ陣営は「今夜、トランプ大統領は史上最高の討論会パフォーマンスをみせた」との声明を発表した。一方で、「バイデン氏は、まさにクビになるのに値する理由を示した」と攻撃した。
「(バイデン氏は)文句をいっているだけだ」:11時37分
トランプ氏が討論会の最後に2分間、発言した。「(バイデン氏は)多くの政治家のように文句をいっているだけだ」とこき下ろした。「結果として何もしない」とし不法移民の増加を改めてとりあげた。
「私の国があぶなくなるだけでない。ウクライナの侵略もおこるべきではなかった」と語った。「世界中でパレスチナも含め暴動が起きている」と加えた。
「トランプ氏が国を散々にして、私が引き継いだ」:11時35分
2度目のCM休憩が明け、それぞれの候補者に発言の機会が与えられた。バイデン氏は税制について触れ「いまの制度が公平だと思いますか?」と呼びかけた。バイデン米政権では富裕層への課税の見直しが議論されている。
バイデン氏はさらに「トランプ氏はコロナ禍で国を散々にして、私がそれを引き継いだ」とトランプ氏による経済政策を批判した。
トランプ氏「(選挙結果)合法的で公平なら受け入れる」:11時25分
司会者が選挙結果を受け入れるか聞いた。トランプ氏は「選挙が公平であることを望んでいる」と述べた。「バイデン氏は我々を第3次世界大戦まで近づけている」と話をそらし「プーチン氏や習近平(シー・ジンピン)氏、金正恩(キム・ジョンウン)氏はバイデン氏を尊敬しても恐れてもいない」と語った。
バイデン氏は「第3次世界大戦を始めたいというのなら、トランプ氏を就任させて、北大西洋条約機構(NATO)から脱退したらそうなるだろう」と述べた。「私ではなく、米国民のおかげで強い国家を維持できている」と指摘し「もし戦争がしたいなら、プーチンの侵略を許せばいい」と話した。
トランプ氏は「私の政権ではロシアは侵略しなかった。私が大統領ならこの戦争は起きなかった」と主張した。
司会者がトランプ氏に改めて選挙結果を受け入れるか聞くと「合法的で公平なら受け入れる」と述べた。
バイデン氏、「86歳大統領」指摘には答えず。話題を転換:11時20分
司会者がバイデン大統領の年齢について、「(2期目の終わりには)86歳と高齢になるが、世界でもっとも過酷な仕事に耐えられるのか」と質問した。ところが、バイデン氏は「2番目に若い上院議員だった」と述べるにとどめて、話題を全くべつのものに変えた。半導体産業を米国に誘致したことをアピールした。
トランプ氏はすかさず「バイデン氏が認知機能のテストを受けるところをみてみたい」と嫌みを言った。バイデン氏はそれを笑いながら受け流すが、トランプ氏は「ゴルフ対決をしたら50ヤードもボールをとばせないだろう」とさらに嫌みをたたみかける。バイデン氏は「ゴルフ対決を喜んで受ける」とやり返し、副大統領時代のスコアを持ち出して張り合った。
「バイデン氏は中国に好きにやらせている」:11時15分
トランプ氏は「彼はみんなの税金を増やそうとしている。全ての人の税金を4倍にしようとしている」と真偽が定かではない発言をした。
バイデン氏は「私は40万ドル以下の収入の税金を引き上げない」と言ってきたと反論。「彼は在任中、中間層が繁栄したと言っているが、トランプ政権で中間層は潰された。彼の政権時に過去最高レベルに債務があがった」と追及した。
トランプ氏は「バイデン氏は中国からお金を受けとっている。巨額すぎて受けとらざるをえなかった」と語った。「バイデン氏が中国に好きにやらせることで、米国を潰している」と加えた。
「トランプ氏が史上最悪の大統領」 : 11時10分
司会者がチャイルドケアについて質問をしようとした。ところが、トランプ氏は話題を自ら決めてしまった。アフガン撤退や国境管理の責任者をバイデン氏が「クビにしていない」とかみついた。
国境問題についてトランプ氏は「(バイデン氏は)少しはタフになったが、いまだに開かれた国境を望んでいる」と批判した。バイデン氏に任せていると「国がなくなってしまう」と指摘。
バイデン氏は「私たちは世界でもっとも羨まれる国だ」とすかさず反論した。「(バイデン氏は)史上最悪の大統領」と批判するトランプ氏に、「ネットで検索すれば史上最悪の大統領といわれているのはドナルド・トランプだ」と語気を強めた。
トランプ氏「彼の話すことはすべて偽情報」:11時10分
バイデン氏は「富裕層の税金を上げることで、社会保障の破綻を防ぐ」と語った。「トランプ氏はメディケアを削ろうとした」と主張し「米国は過去最高レベルの医療保険の範囲を確保した」と加えた。
トランプ氏は「ずっと政治家と相対してきたが、彼のようなうそつきは初めてだ」と切り返した。「彼のいっていることはすべて偽情報だ」と唱え「移民が社会保障を食い潰している」と説いた。
「(トランプ氏は)環境政策を何もしていない」 : 11時00分
米大統領選のテレビ討論会で発言するバイデン大統領(27日、ジョージア州アトランタ)=AP
司会者が気候変動対策についてトランプ氏に質問をした。「綺麗な水と大気を目指す」として、自分の政権でも環境政策に力を入れたとアピールした。
バイデン氏はこれに反論。自身が気候変動対策で過去最大の施策を打ったとする一方、トランプ氏はパリ協定から脱退するなど環境政策では「何もしていない」と指摘した。
バイデン氏、パリ協定を言い間違え:11時00分
バイデン氏が気候変動問題に取り組む「パリ協定」を「パリ平和協定」と言い間違えた。
トランプ氏「環境政策で経済悪化」:11時00分
米大統領選のテレビ討論会で発言するトランプ前大統領(27日、ジョージア州アトランタ)=AP
トランプ氏は「インフレはバイデン氏のせいだ。これが黒人やヒスパニックの家庭に打撃を与えた」と切り出した。「環境政策を打ち出したことで経済が悪化した」と唱え「不法移民が黒人・ヒスパニックの仕事を奪っている」とも強調した。
バイデン氏はトランプ前政権からバイデン政権に代わった時点で「失業率は高く、雇用もひどかった」と批判した。「我々はマイノリティーへの医療保険加入を支援した。しかし、トランプ氏は撤廃しようとしている」と語った。
CM入り。討論会は後半戦へ : 10時50分
前半が終わりコマーシャルの休憩時間に入った。休憩はおよそ5分強で終わり、討論は再開された。
ナチズム擁護は許さず:10時50分
米国の民主主義を巡り、バイデン氏はトランプ氏がナチズムに共感する発言をしたとして、非難した。「ネオナチを擁護する人は大統領にふさわしくない」と訴えた。
トランプ氏は「討論する必要すらない」、「でっちあげだ」と反論した。
バイデン氏、声に力強さ戻る : 10時50分
民主主義のあり方に話題が移った。バイデン氏は序盤は目がややうつろで、声もかすれていたがやや力強さが戻ってきた。トランプ氏の発言に、「信じられない」といった表情を繰り返した。
トランプ氏「関係は持ったことない」 : 10時47分
トランプ氏は「ポルノ女優と性的関係を持ったことはない」「裁判官は民主党系で政敵を潰すために(裁判を)進めた」とまくし立てた。
口止め料裁判 トランプ氏「私は無罪」 : 10時45分
トランプ氏の口止め料を巡る裁判に話題が移った。バイデン氏はトランプ氏に説明を求めたが、トランプ氏はバイデン氏の息子が有罪に問われた裁判に話題をそらした。トランプ氏は「自分は無罪だ」と主張した。
バイデン氏、議会襲撃事件を批判:10時40分
2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件を巡り、バイデン氏は「3時間、彼は何もしていなかった。共和党員も電話したが何もしなかった」と訴えた。襲撃事件で捕まった人の刑を軽くしようとしているとも批判した。
トランプ氏はバイデン氏に向け「司法の武器化をした」と非難した。襲撃を指示しておらず、「平和的に解決しろ」と言ったと主張した。
バイデン氏「ロシア侵略の影響、ウクライナにとどまらない」:10時32分
話題はロシアによるウクライナ侵略や、ガザ情勢に移った。
バイデン氏は「ロシアの侵略の影響は、ウクライナにとどまらない」と訴えた。
一方、トランプ氏は「北大西洋条約機構(NATO)諸国にもっと資金を拠出させるべきだ」と反論した。
不法移民問題で応酬:10時25分
不法移民問題を巡ってバイデン氏は「不法に国境を越えてくる人が40%は減る状況にした」と強調した。最近導入した規制の効果をアピールした。
トランプ氏は「国境を越えてやってくる人々を含め、あちこちで人が死んでいる」と主張した。
トランプ氏が「中絶は州判断」:10時15分
トランプ氏は人工妊娠中絶の禁止を巡り「私は3人の偉大な最高裁判事を法廷に送り込んだが、彼らがたまたま判決を出して、州に戻すことに賛成票を投じた」と語った。「今、各州がそれを解決している」と述べた。
トランプ氏「何を言っているのか分からない」 : 10時10分
トランプ氏がバイデン氏の発言について「最後の方で何を言っているのか分からなかった」。
トランプ氏が法人減税の成果を誇る : 10時10分
トランプ氏は自身が大統領時代に21%に法人税率を下げた減税策について成果を強調した。経済政策が軌道に乗りそうなところで新型コロナウイルス禍が起こったと主張。バイデン政権がワクチン接種を義務づけたことを批判した。
インフレが最初のトピック : 10時4分
司会者は最初の質問にインフレを選んだ。
バイデン氏は自身の経済政策について「これほどうまくいったことがない。我が国は史上最高の経済大国だ」と語った。トランプ氏の新型コロナウイルス禍の経済対応は「混乱していた」と批判した。バイデン政権下の雇用拡大は「不法移民のため」と主張した。
両候補、握手なく討論開始:10時2分
両候補が握手をせずに討論会は開始(27日)=ロイター
バイデン氏は青のネクタイ、トランプ氏は赤のネクタイで登場した。2020年の初回の討論会と同様、握手を交わさなかった。
討論番組がスタート : 10時00分
番組がスタート。無観客で90分、2回のCM放送の休憩をはさむ。候補者は陣営関係者と接触できず、事前に用意したメモを壇上に持ち込めない。
バイデン氏が会場に到着 : 9時30分
バイデン氏が乗った車の車列が討論会会場に到着した。
両陣営関係者が応援に : 7時ごろ
民主党のニューサム・カリフォルニア州知事(写真)やトランプ氏の側近ら両陣営の関係者がプレスセンターに現れ、記者団の質問に答えた。
トランプ氏も到着 : 6時30分
アトランタの空港に到着したトランプ前大統領が自家用機から降り立ち、出迎えた支持者に拳を掲げて応えた。
27日、共和党のトランプ氏がアトランタに到着=ロイター
バイデン氏が現地到着 : 4時ごろ
バイデン大統領が大統領専用機でジョージア州の空軍基地に到着。その後市内で車を降り、支持者の歓迎を受けた。
27日、バイデン氏がジョージア州の空軍基地に到着=AP
会場付近が厳戒態勢に : 27日午後10時半
討論会が開かれるCNNのスタジオ周辺は朝から道路が閉鎖され警備が厳しくなっている。
CNNビルの周辺は厳戒体制に(27日、南部ジョージア州アトランタ)
撮影準備進む : 27日午前
CNNの野外スタジオ(26日、南部ジョージア州アトランタ)
野外の特設セットでは、討論会を前にキャスターたちが事前番組の撮影を進めている。
(アトランタ=芦塚智子、ワシントン=飛田臨太郎、八十島綾平、ニューヨーク=佐藤璃子、弓真名、野一色遥花、秋田咲)
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超大国率いるトップイラスト解説 アメリカ大統領とは
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今村卓
丸紅 執行役員 丸紅経済研究所長・グローバル総括部長
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ひとこと解説 バイデン氏のパフォーマンスが悪すぎました。高齢不安を払しょくする貴重な機会でしたが、逆に民主党支持者の間にも高齢への不安が広がったと思います。ずっとかすれて力強さを欠いた声と疲れているように見える表情。体調が悪かったのかもしれませんが、観衆が入らず候補者の顔がアップされる運営・放映形式により、余計に目立ちました。
トランプ氏の発言も誇張や誤った内容が多く含まれましたが、落ち着き整然とした話し方で安定感の方が上回った印象。20年の討論とは大違い。元気さも有権者に感じさせたと思います。トランプ氏にダメージはなかったでしょう。
民主党はバイデン氏の引退、大統領候補の交代を求める声が強まると思います。
2024年6月28日 12:30いいね
22
滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 客員編集委員
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ひとこと解説
①「バイデン氏、トランプ氏との討論で躓く(Biden stumbles in Atlanta debate with Trump)」。FTの見出しの通りの討論だったと思います。
https://ft.com/content/a076b2dc-cbd5-4d4d-ad4c-1a8e021c5143
②司会者への回答に詰まる(delivering halting answers)、声がかすれる(voice sounded hoarse)、とFT。これではバイデン氏も立つ瀬はありません。
③ブルームバーグは「バイデン氏に数字言い間違えの場面も、手痛い失点に」とまで。「トランプ氏を破ることができるのか民主党内でも憂慮深まる可能性」が指摘されます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-27/SFQSZNDWX2PS00?srnd=cojp-v2
④嗚呼、バイデン氏はは衆人環視の黄昏時を迎えたようにみえます。
2024年6月28日 12:37 (2024年6月28日 12:46更新)
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15
植木安弘のアバター
植木安弘
上智大学特任教授
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ひとこと解説 バイデン大統領は、特に激戦州での劣勢が伝えられている中での異例の早期討論会で巻き返しを計ろうとしましたが、1月の国政報告の時のような活力は見られず、冒頭から精力がなく、発言にも戸惑っている様子が多々見られ、トランプ氏の個人攻撃にも十分に反撃できず、高齢につきまとう不安が表面化してしまったという感じでした。
特に、最後の締めくくり発言では、中絶問題やトランプ氏の犯罪にも触れずに終わり、何が争点だったのかボケてしまいました。
民主党陣営では、これでは勝てないとの印象が既に高まっており、今後大統領の交代劇が起きるかどうかが注目されます。
2024年6月28日 13:06いいね
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小野亮のアバター
小野亮
みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 プリンシパル
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別の視点バイデン氏サイドは「やるんじゃなかった」ということでしょう。次の候補選びの胎動が賭け市場に出ています。
①”Last Day”というのをクリックすると、討論会で起きた変化が見て取れますよ。
https://electionbettingodds.com/President2024.html#chart
②”24 HOURS”というのをクリックすると、同じ動きですね。。。
https://www.thelines.com/odds/election/
2024年6月28日 12:49 (2024年6月28日 12:54更新)
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8
米大統領選2024
2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。
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民主陣営、バイデン氏討論「ひどい」 テレビ討論会(13:09 更新)
異例の6月討論会、勝者は? 米大統領選の展望を緊急解説 配信中(12:30 更新)
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