コカ
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コカノキ
コカノキとその各器官
コカノキ
分類
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
目 : キントラノオ目 Malpighiales
科 : コカノキ科 Erythroxylaceae
属 : コカ属 Erythroxylum
種 : コカノキ E. coca
学名
Erythroxylum coca
Lam. (1786)
和名
コカノキ

コカまたはコカノキ(学名Erythroxylum coca)は、コカノキ科コカ属の常緑低木樹。南アメリカなどが原産。

南米の最古の栽培植物のひとつ[1]。葉から成分のコカインが抽出できる。葉は、伝統的に嗜好品として嗜まれてきた。

南米では他にも葉が嗜好品として用いられ興奮作用があるものに、カートがある。

特徴

原産地域は、南アメリカ、メキシコ、インドネシア、西インド諸島である[2]。

高さは2 – 3メートルになる。葉は楕円形で両端が尖り、裏の葉脈の両側に2条の縦条が入る。花は5弁で黄白色、果実は熟せば赤くなる。

語源

南米の原住民のアイマラ族では、アイマラ語で木を意味する Khoka と呼ばれ、この言葉が現代のコカ(coca)という呼称の源流となる[1]。

嗜好品としてのコカの葉

葉からコカイン(局所麻酔薬、興奮剤、麻薬)を抽出できる。

一部の国(主に南米)では主に高山病対策として葉を茶として飲用するなど、一種の嗜好品や薬用として伝統的に利用されている。

コカの葉自体はコカイン濃度が薄いため、依存性や精神作用は、抽出されたコカインに比較して弱い。

古代文明では、宗教や儀式といった理由からコカの葉が使用されており、ペルーのミイラにも葉が残っているものがあるが、怪我のために唾液と混ぜて局所麻酔薬として用いたのか、儀式的な目的があったのかは定かではない[2]。

1492年にスペイン人が南米を征服した際に、コカの葉の使用を廃止しようとしたが、原住民が主張する「葉が与える力」を見出したため合法化され、税金を課して販売される制度となった[2]。

また、疲れにくく食欲を減らすため、鉱山での労働に使われたこともあり、広く使用されていた[2]。

摂取によって「恐怖感を喪失させる」「疲労感を薄れさせる」「空腹感を薄れさせる」「眠気を忘れさせる」などという効果が得られるとして、ボリビアでは鉱山労働者などの重労働者がコカの葉を噛みながら仕事をする習慣がある。

朝、入坑するときに頬いっぱいにコカの葉を詰め込み、そのエキスを飲むことで、鉱山崩落事故のなどの危険の恐怖を忘れ、疲労や空腹を癒しながら夕方まで(昼食もとらずに)働き続けると言われている。

しかし、コカの葉の服用を継続的に行うことで、覚醒状態での注意力の欠如などにより、事故を誘発する原因となるとも考えられている。

コカ茶

南米(特にペルーやボリビア)では、コカの葉は日常一般的に茶として飲まれており、コカ茶と呼ばれる。

ボリビアなどではハーブティー全般をマテと呼ぶので、コカ茶は「マテ・デ・コカ(スペイン語版、英語版)」(西: mate de coca)と呼ばれている。

そこで2011年に、ボリビアなどからコカの葉は伝統的嗜好品であり、麻薬対象から除外するよう国際連合に申請があったが、アメリカ合衆国などは除外に反対している(麻薬戦争も参照)。

なお、ボリビアはコカを麻薬指定する麻薬に関する単一条約からも一時脱退、自国内に限って噛む行為を認めさせる留保付きで再加盟した。

コカ茶は、一般には、コカの葉を干したもの数枚 – 数十枚に熱い湯を注ぎ、しばらく待ってから飲む。

砂糖を入れて飲むことも多い。

きわめて日常的な飲み物で、ティーバッグも売られている。カモミール(現地のスペイン語では、マンサニージャ(manzanilla))と混合したティーバッグなども売られており、愛飲する人が多い。

コカの成分による覚醒作用には「空腹を忘れさせる」という効果も含まれるため、コカ茶は食前よりも食後に飲まれることが多い。

また、ボリビアのラパス市(標高約4000メートル)やエチオピア[要出典]などの標高が高い地域では、旅行者が高山病に罹りやすいため、コカの葉を直接口に入れて噛んだり(この時に効果を補助するものとして石灰やピーナッツなどを一緒に噛むこともある)、コカ茶を飲むことによって、コカの成分を体内に取り入れて、高山病の症状(頭痛、内臓の不快感など)を対症療法で緩和させることもある[3]。

成分のコカイン

広告によれば、ローマ教皇のレオ13世は、考案者のマリアーニに対して感謝の念として金メダルを贈呈したとされる。

詳細は「コカイン」を参照

19世紀には成分のアルカロイドのコカインが、ドイツで単離され、1884年には局所麻酔薬として使用された[2]。

1863年には、化学者のアンジェロ・マリアーニが、ビン・マリアーニというワインを開発した。

これはコカの葉に含まれるコカインを、アルコールを溶媒として抽出したワインである[2]。

特にビン・マリアーニであり、コカインはワインの一般的な成分となり、教皇、王のような人々からの支持も得た[2]。(なお21世紀の薬理学の知識では、アルコールとコカインが併用されると心臓に有害なコカエチレンとなる[4])

また当時のコカ・コーラには、コップ1杯に9mgのコカインが含まれていたが、1903年にはコカインは除去されるようになった[2]。それ以降もこうした形のコカ葉エキスが使用されている[2]。

抽出精製して作られるコカインは、濃縮して多く摂取できるため興奮作用が強い。このことによって、攻撃性が増したり薬物中毒によって幻覚や妄想を生る精神刺激薬精神病を生じることもある。

1920年代には、アメリカ合衆国での麻薬接種の主流はアンフェタミンへと移っていった[2]。

法規制

コカの葉は、コカインの原料となることから、多くの国で麻薬として扱われ、使用・所持・販売が規制されている。日本など先進国の大半ではコカインによる危険性から、コカノキ、コカの葉を含めすべて麻薬・麻薬原料植物に定められ、栽培・持ち込み・流通が厳しく規制されている。

コカの医療利用

原住民は胃腸の不調に用い、胃の痛みや、下痢など[1]。また咀嚼して、口内炎にも用いられる[1]。

出典
[脚注の使い方]

^ a b c d Biondich AS, Joslin JD (2016). “Coca: The History and Medical Significance of an Ancient Andean Tradition”. Emerg Med Int: 4048764. doi:10.1155/2016/4048764. PMC 4838786. PMID 27144028.
^ a b c d e f g h i j Goldstein RA, DesLauriers C, Burda AM (January 2009). “Cocaine: history, social implications, and toxicity-a review”. Dis Mon (1): 6–38. doi:10.1016/j.disamonth.2008.10.002. PMID 19081448.
^ ローマ法王がボリビア訪問、高山病対策にコカ茶 | ロイター
^ David Nutt (2010年3月17日). “Mephedrone: the class D solution”. the guardian 2014年7月25日閲覧。

参考文献

Turner C. E., Elsohly M. A., Hanuš L., Elsohly H. N. Isolation of dihydrocuscohygrine from Peruvian coca leaves. Phytochemistry 20 (6), 1403-1405 (1981)

関連項目
ウィキメディア・コモンズには、コカに関連するメディアおよびカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズにコカに関する情報があります。

コカイン
ミイロタテハ - 本種を食草とするチョウ目類。
コカ・コーラ

表話編歴


緑茶
日本茶
茶種

煎茶 深蒸し煎茶 番茶または川柳 被覆茶
    玉露 かぶせ茶 抹茶 再加工茶
    ほうじ茶 玄米茶 粉末茶 固形茶 インスタントティー 副産物(出物)
    粉茶 芽茶 茎茶または棒茶 蒸し製玉緑茶(グリ茶) 釜炒り製玉緑茶(釜炒り茶) 混合茶

産地

静岡茶 狭山茶 宇治茶
    上喜撰 大和茶

中国茶

龍井茶 碧螺春 老竹大方茶 六安瓜片 太平猴魁 黄山毛峰 信陽毛尖 廬山雲霧 三杯香 珍眉 珠茶 蒙頂甘露

白茶

白毫(中国語版) 白毫銀針 白牡丹 寿眉(英語版) 白毛猴(英語版)

黄茶

君山銀針 霍山黄芽 蒙頂黄芽

烏龍茶(青茶)

白鶏冠 武夷岩茶
    大紅袍 凍頂烏龍茶 東方美人 文山包種茶 肉桂 水金亀 水仙 鉄羅漢 鉄観音 鳳凰単欉 黄金桂

紅茶
原茶

アッサム ダージリン ウバ 滇紅 工夫紅茶 祁門 キャンディ ネパール ニルギリ シレット トルコのチャイ リゼ 英徳紅茶 セイロン 和紅茶

着香茶

正山小種 アールグレイ
    レディグレイ イングリッシュ・ブレックファスト アイリッシュ・ブレックファスト プリンス・オブ・ウェールズ ロシアン・キャラヴァン

甘乳茶(茶飲料)

タピオカティー アイスティー ミルクティー インドのチャイ 香港式ミルクティー ジンジャーティー テータリック チャーイェン

後発酵茶・黒茶
日本茶

阿波晩茶 碁石茶 石鎚黒茶

中国茶

プーアル茶 湖北黒茶 茯茶

塩乳茶

バター茶
    プーアル ツァイ
    湖北

花茶

ジャスミン茶 菊花茶 洋菊茶 珠蘭花茶 ベトナムの蓮茶 桂花茶 薔薇茶 玳玳花茶

茶外茶・ ハーブティ

あずき茶 そば茶 トウモロコシ茶 甘茶蔓茶 コカ茶 杜仲茶 なたまめ茶 ハトムギ茶 マテ茶 羅漢果茶 羅布麻茶 ルイボス茶 丹参茶 人参茶 八宝茶 刺五加茶 工芸茶 昆布茶 松葉茶 松針米茶 柚子茶 柚花茶 柿葉茶 桂花茶 桑芽茶 梅花茶 洋菊茶 熊笹茶 冬瓜茶 朝鮮半島・ベトナムの玄米茶 玉米鬚茶 玉胡蝶 甘茶 甜茶 竹葉茶 米茶 苦丁茶 茉莉花茶 菊花茶 中国・朝鮮半島の蓮茶 薄玉茶 虫糞茶 象糞茶 車前草茶 金銀花茶 雪茶 青豆茶 麦茶 黒豆茶 龍鬚茶 煎じ物 ツェリンマ茶 玫瑰 ローズヒップ ビワ茶 チョウマメ花茶(バタフライピー) ウスベニアオイ花茶(ブルーマロウ) ハイビスカスティー

茶飲料

緑茶飲料 茶系飲料 擂茶 Talgan茶
    ツァイ+麥 鴛鴦茶 紅茶茸 ヌーンチャイ

食茶

ラペソー 酸茶 涼拌茶 茶漬け 茶粥 茶蕎麦 抹茶塩 抹茶アイスクリーム 緑茶ハイ ウーロンハイ

各国・地区の茶

中国 日本 台湾 韓国 ミャンマー ベトナム ロシア アラブ地域

喫茶文化

アフタヌーン・ティー ビルダーズティー 茶の儀式
    茶経 茶道
    抹茶道 煎茶道 茶芸
    工夫茶 茶礼 闘茶 わび茶 振り茶
    ブクブク茶 ぼてぼて茶 ばたばた茶 福茶 アッツァイ

茶具
茶道具

名物 茶器 薄茶器 茶壺 煎茶道における茶壺 茶入 棗 茶筒 茶碗 茶托 湯冷まし 涼炉 土瓶 花瓶 ボーフラ 建水 茶量 水注 水指 急須 薬缶 茶漉し 巾筒 茶櫃 提籃 器局 茶杓 茶筅 風炉 茶釜 風炉先屏風 柄杓 蓋置 台子 袱紗挟み 古袱紗 帛紗 懐紙 茶巾 小茶巾 香合

中国茶具

茶壺 紫砂壺 茶則

その他

サモワール チャイダンルック ティーバッグ ティーカップ マグカップ ポトスタカーンニク ソーサー ティースプーン

茶の形状

散茶 団茶 緊圧茶
    餅茶 沱茶 磚茶 インスタント茶 粉末茶

茶を出す店

喫茶店 茶屋 ティーハウス ティールーム 茶楼 茶餐廳

関連団体

世界緑茶協会 日本茶業中央会 日本茶業学会 静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センター 全日本茶商クラブ 日本紅茶協会

その他

チャノキ やぶきた 茶摘み (唱歌) 茶園 茶室 茶柱 ISO 3103 CTC オレンジペコー 紅茶の等級区分 世界三大銘茶 中国十大銘茶

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最終更新 2023年11月20日 (月) 12:34 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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