第2回コラム 詐欺に遭ってしまう人の脳ではどんなことが起きている?
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『子どもや孫のふりをしたオレオレ詐欺、住居の不備などを騙(かた)って偽工事を勧める詐欺、恋愛系の詐欺などにだまされる人は相変わらず多いようです。
コロナ禍が始まって以降、ことに増えているとの話も……。
それはなぜでしょう。
思考系の鈍化が原因。記憶系を生かし冷静な判断を
だまされやすい人とは、前頭葉の思考系脳番地が衰えて、客観的な思考・判断力が弱っている状態にある人です。
相手をしっかり判断する思考回路ができていない、ともいえるでしょう。
前頭葉が衰えると、人の話を中途半端に聞いて拙速な判断をしがちです。
また、自分で複数の情報を集めて比較検討することもしなくなります。
いわば人まかせ。聞いた情報だけを信用してしまうのです。
とくに孤立した状況では、やさしく声をかけてくれる人をつい信頼してしまいます。
そこに多大な金銭の要求があっても、信用した自分の判断をなかなか否定できません。
そこで記憶系脳番地の発動です。
長く会えない肉親や友人を思えば、相手が好きな料理をコロナが落ち着いたら届けよう、などと想像できます。
そして、そんな親しい人たちに相談もせず、電話で話しただけ、訪ねてきただけの見ず知らずの人間に大金を渡すなどおかしいことに気づくはずです。
詐欺師は狙った相手に考える余裕を持たせずにお金を出させるプロです。
だからこそ、すぐに決断せず、なにか変かもという感覚を大切に、調べたり、人に相談したりして視野を広げましょう。』
『本コンテンツは、金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.62 2022年秋号(2022年(令和4年)10月発刊)から転載しています。
広報誌「くらし塾 きんゆう塾」目次 』