日経平均伸び悩み 海外勢、日本株への投資配分を縮小

日経平均伸び悩み 海外勢、日本株への投資配分を縮小
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL190EL0Z10C24A6000000/

『2024年6月19日 12:16

19日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前引けは前日比225円10銭(0.58%)高の3万8707円21銭だった。米エヌビディアの時価総額が世界一に躍り出るなど、ハイテク株がけん引する米株式相場は上値追いが続く。一方で日経平均の上値は重く、712円安となった17日の下げ幅を1日半経っても埋め切れていない。背景には海外勢の「戸惑い」がある。

エヌビディアの時価総額は18日、米マイクロソフト…

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『日経平均は3万9000円の壁の前で立ち止まっている。日本株に関心を示すある外資系運用会社の運用担当者は主要企業の決算発表を踏まえ「期初時点でどうしてこんなに弱気な業績見通しになるのか理解できない」と戸惑いを隠さない。

躍進が続くエヌビディア株のPER(株価収益率)は、QUICKによると40倍近辺にある。これに対して、エヌビディア関連の筆頭格であった半導体検査装置のアドテストは60倍台だ。2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)見通しが前期比8%増と市場予想を大幅に下回っただけに、同社株は相対的に割高感が拭えない水準にある。

米バンク・オブ・アメリカ(BofA)が18日公表した6月の機関投資家調査(7〜13日実施)によると、日本株の保有を当初設けた配分を上回る「オーバーウエート」とした投資家の比率から下回る「アンダーウエート」とした投資家の比率を引いた値はプラス4%で、前月比で16ポイント減と大幅に低下した。同調査で世界経済が今後1年で景気後退に陥る可能性は「ない」と答えた投資家が73%と、楽観姿勢にあるのとは対照的だ。

5月下旬に海外投資家を訪問した外資系証券のあるストラテジストは「日本株への関心はあるが、どの銘柄を買うべきか迷っている印象だ」と指摘する。東証プライム市場の1営業日あたりの売買代金は6月に入って18日までの平均で、4兆円を下回っている。1〜3月が5兆円弱まで膨らんだことを考えれば、海外勢の一部に様子見姿勢が広がっていることが見て取れる。

海外勢の日本株回帰までには時間を要しそうだ。りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは「主要企業の今期の業績予想の上方修正が増えるにしたがって、日経平均は9月以降に再び4万円を試す展開になる」と予想する。日本株相場は足踏みの続く夏場へと向かっている。

〔日経QUICKニュース(NQN) 北原佑樹〕』