大統領選マネー、岩盤・ユダヤ系に亀裂 バイデン氏に逆風
再戦2つの米国 変わる大統領選マネー㊥
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0109K0R00C24A6000000/
『2024年6月19日 5:15
バイデン大統領陣営が気をもむ選挙が大統領選ともう一つある。連邦下院のニューヨーク州第16選挙区における民主党の予備選だ。
同州第16選挙区の現職、民主党のジャマール・ボウマン議員は米国で最も再選が危ぶまれているとされる。立ちはだかるのは新人候補のジョージ・ラティマー氏だ。
最大の争点がイスラエル問題だ。ボウマン氏は民主急進左派グループの主要人物で、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ攻撃が人道危機…
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『ハマスによる奇襲の直後はイスラエル支持を明確にしていたバイデン氏。若年層を中心にパレスチナへの同情論が広がる中、イスラエル支持一辺倒だった政策を微妙に転換してきた。
民主支持が多い若年層をつなぎ留めたい半面、歴代の米政権は親イスラエルの姿勢を示し続けている。政策を極端に傾けることができない。』
『この煮え切らない姿勢が支持者の分断を加速させ、自身への信任も失いかねない逆効果を招いている。米調査会社ギャラップの3月調査によると、民主党支持者の間でバイデン政権の中東政策を評価する比率は47%と23年11月時点の60%から急落した。
インフレや不法移民問題で人々のバイデン氏への不満は高まっており、11月の大統領選に向けた世論調査ではトランプ氏の先行が目立つ。泥沼化するイスラエル問題で再選への道は危うくなるばかりだ。』
『多様な観点からニュースを考える
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席フェロー
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ひとこと解説 ガザでのイスラエル軍による死傷者の拡大に対する人道危機をめぐる民主党内の分裂は、共和党とトランプ陣営を優位にしています。
共和党支持者の主力は、パレスチナでのイスラエルの立場を強く支持するキリスト教福音派(エヴェンジェリカル)であり、ユダヤ系支持者も保守派が中心で、民主党ような分裂はなく、まとまっているからです。
福音派は聖書の教えに忠実で、旧約聖書に神がパレスチナをユダヤ人に与えたと記されていることでイスラエルの立場を支持しています。
一方、バイデン政権が、左派からの批判にも関わらず、一貫したイスラエル支持の立場を崩せない理由も、この記事が指摘するユダヤ系団体の強い民主党支持から理解できます。
2024年6月19日 6:58』