ポテンシャルを生かし切れない5G、さらに踏み込んだ整備目標は必要か
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00687/041500184/
※ 「超高速大容量・超低遅延・多数同時接続」という絵に描いた餅は、「絵に描いた餅」のままに、留まっているようだ…。
※ まあ、「東京2020」がコロナでポシャったのも、大きかった…。
※ 「超高速大容量・超低遅延・多数同時接続」なんてのは、スポーツのパブリック観戦にもってこいだからな…。
※ これに、「AR」絡めて、「夢体験」させる…、という目論見だったんだが…。
※ 結果は、ご存知のとおりだ…。
※ その「夢の残骸」の一つが、「晴海フラッグ」でもあるのだが…。
※ 「ふぁいぶじー 醜い大人の 夢の跡」(ジジイ)…。季語ねーから、川柳か…。




『5G(第5世代移動通信システム)サービスの提供が2020年3月に日本国内で始まってから4年超が経過した。総務省によると、5Gの契約数は2023年12月末時点で8651万件と順調に伸びている。ただ、5Gならではの良さを実感している利用者はほとんどいないのではないだろうか。
通信方式ごとの契約数の推移
(出所:総務省)
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5Gの説明によく用いられるうたい文句は、超高速大容量・超低遅延・多数同時接続の3つである。確かにこれらは一部で実現しているものの、4Gの交換機に5Gの基地局がぶら下がる現行のNSA(ノンスタンドアローン)方式は過渡期の提供形態に過ぎない。あくまで本命は5G単独で動作するSA(スタンドアローン)方式だが、本格展開には至っていない。携帯各社にそれぞれ400メガヘルツ幅の広帯域を割り当てたミリ波も有効活用できていない状況である。厳しい見方をすれば、5Gのポテンシャルを十分に生かし切れておらず、単なるトラフィック増加対策に終始してしまっているような現状がある。
総務省は5Gインフラの拡大を促進させるため、有識者会議で新たな整備目標を検討している。総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」で掲げた「2023年度末までに5Gの人口カバー率を95%」の目標は2022年度末時点(96.6%)で達成済み。5Gの基地局数や、親局に相当する高度特定基地局の敷設状況に着目した「基盤展開率」といった指標も残っているが、恐らく達成するだろう。そこで今後は上記のような現状を踏まえ、サブ6(6ギガヘルツ未満の周波数帯)やミリ波、SAなどで、さらに踏み込んだ整備目標を設定したいと考えている。
目標設定がなじまないミリ波
当然、携帯各社の反応は悪い。周波数の割当時に申請した投資計画(開設計画)は守っており、そこからさらなる追加投資を余儀なくされるような目標を設定されたらたまったものではないからだ。有識者会議が2024年4月11日に実施したヒアリングでは「事業者側の整備自由度や裁量を確保してほしい」「必要以上に過度なインフラ整備は事業者の経営圧迫にとどまらず、エネルギー消費問題にも悪影響を与える副作用にもつながる」などと難色を示す意見が目立った。
反論の中で興味深かったのはNTTドコモの説明である。「低い周波数帯はカバレッジ対策、高い周波数帯はスポット対策」というのは業界の共通認識だが、各周波数帯における電波の伝搬距離を比率で出してきたことだ。プラチナバンドの700メガヘルツ帯を1とすると、ミリ波の28ギガヘルツ帯は0.03という。このように数値で示されると、ミリ波の面展開が難しくカバー率の目標設定がなじまないとの反論にも納得がいく。ミリ波より使いやすいサブ6の4.5ギガヘルツ帯は0.17、3.7ギガヘルツ帯は0.22。こちらはぎりぎり目標設定もありといえる範囲だろうか。
NTTドコモにおける周波数帯ごとの基地局展開方針
(出所:NTTドコモが総務省に提出した資料)
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