米大統領選 踊る巨額マネー 集金マシンは「スーパーPAC」
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00010500V10C24A5000000/
『2024年6月17日 5:00
11月の米大統領選は、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領が再対決に向けて選挙運動を本格化した。全米で長期戦を戦うには広告費などに巨額の政治資金が必要だ。資金力が勝敗を左右しかねない。両陣営に加え「スーパーPAC」(特別政治活動委員会)など
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『前回の選挙費用 過去最高8900億円
米国の選挙費用は膨張を続けている。米調査サイト「オープンシークレッツ」によると、前回2020年の大統領選の費用は総額約57億ドル(約8900億円)と16年の倍以上に達し過去最高を更新した。接戦が予想される今回の大統領選もこれを上回る可能性が高い。』
『スーパーPACとは?
選挙費用の高騰の一因となっているのが「スーパーPAC」と呼ばれる政治団体だ。個人や企業、団体から無制限に政治献金を集め、支出することができる。企業や団体による政治献金の制限を違憲とした2010年の連邦最高裁判決を受けて誕生した。
直接献金は禁止 金額・広告は自由
個人や一般のPACが候補や党に直接献金できる額には上限がある。このため富裕層の大口献金はスーパーPACに流れる傾向がある。スーパーPACは候補陣営や党との連携や資金提供が禁じられている。しかし候補を称賛したり批判したり、争点となっている問題への賛成・反対を示したりする広告を流すことは可能だ。連携禁止が有名無実化しているとの批判もある。』
『広告費が支出の半分超
2020年の選挙では、集めた選挙資金の使い道の半分以上を広告費が占めた。集金活動費やイベント開催などの選挙活動費が続く。今回の選挙でもバイデン陣営はすでにアリゾナ、ウィスコンシンなどの激戦州でテレビ広告やビルボード広告などに数千万ドルを投入している。選挙事務所も150カ所以上開設したと発表した。
政治広告費は選挙ごとに高騰の一途だ。米調査会社「イーマーケター」は、今回の大統領選や議会選などでの広告支出の総額は約123億ドルと過去最高に達すると予測する。支出に制限がないスーパーPACが支出を押し上げている。』
『各陣営、ネットTVに的
広告支出の大半を占めるのは地上波やケーブルのテレビ広告だが、イーマーケターの分析によると今回は20年の大統領選に比べデジタル広告の割合が増える見通しだ。
特にインターネット接続型テレビ「コネクテッドTV(CTV)」への支出増が見込まれる。
CTVのみを視聴する有権者が増えているのに加え、特定世帯のCTV端末を狙い撃ちにした広告を流せる利点に着目する陣営が増えている。』
『大口献金者に起業家ら
オープンシークレッツが分析した大口献金者リストの上位には起業家などの富豪が名を連ねる。
トランプ氏への大口献金者として知られるティモシー・メロン氏は無所属候補であるロバート・ケネディ・ジュニア氏を支援するスーパーPACにも献金した。デベッカー氏夫妻もケネディ氏のスーパーPACに多額の献金を提供している。』