南アフリカ総選挙、与党が過半数割れ 民主化以来初
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR010N20R00C24A6000000/
『2024年6月1日 9:44 (2024年6月1日 11:19更新)
【ヨハネスブルク=共同】南アフリカで5月29日に行われた総選挙(下院、定数400、任期5年)は1日、9割以上の開票所で集計を終えた。与党「アフリカ民族会議」(ANC)の得票率は約40%にとどまり過半数割れが確実となった。1994年の民主化以来初めて。第1党は維持する。
アパルトヘイト(人種隔離)の撤廃闘争を主導し、故マンデラ元大統領が率いた名門政党は経済格差や汚職への批判で衰退した。
下院で大統領を選出するため連立合意は避けられない。連立相手には親欧米で白人主体の野党の他に、反資本主義的な政策を掲げる急進派野党などが浮上している。新政権の枠組みによっては地域大国である南アの政情が混迷する恐れがある。
白人主体の「民主同盟」(DA)が約20%を得票し2番手。ズマ前大統領の新党「民族の槍」(MK)と急進派「経済的解放の闘士」(EFF)が続く。
DAは黒人らを優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)の廃止を主張。MKとEFFはいずれも外交ではウクライナ侵攻でロシアを支持し、内政では白人の土地の無償収用や資源国有化などの過激な政策を掲げている。
31日には連立協議を見据えた野党幹部の発言が相次いだ。DAのスティーンヘイゼン党首は、協力関係にある他の白人系などの少数政党と「(今後の対応を)議論する」と表明。ラマポーザ大統領は続投する公算が大きいが、ロイター通信によると、MK幹部はラマポーザ氏続投なら「連携はない」とANCをけん制した。
2019年の前回選挙でANCの得票率は過去最低の57.5%だった。下院は選挙後に議会を招集し大統領を選出する。
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